スマートフォン版はこちら

接戦のスプリントを制するルビーレッドジャージの畑中勇介がJプロツアー「西日本ロードクラシック広島」3連覇

  • 一覧

 国内最高峰のロードシリーズであるJプロツアーの今季第10戦「JBCF 西日本チームタイムトライアル 広島大会」が7月4日に、そして第11戦目となる「JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会」が翌5日に開催された。西日本ロードクラシックの勝負は、少人数に絞られたゴールスプリントをルビーレッドジャージを着用する畑中勇介(チームUKYO)が制し、大会3連覇を飾った。 (レポート 高橋真吾)

先頭でゴールラインを越えガッツポーズの畑中勇介(チームUKYO)。大会3年連続の優勝先頭でゴールラインを越えガッツポーズの畑中勇介(チームUKYO)。大会3年連続の優勝

雨のチームTTは競技中止 ロードレースは一転して好天に

 会場は1周12.3kmの広島県中央森林公園サイクリングコース。全日本選手権のコースとしても選ばれたことのある、体力とテクニックが必要とされるコースだ。4日に初開催されたチームタイムトライアルは、下位カテゴリーは競技が行われたが、悪天候の影響でJプロツアーの競技は中止となり、この日エントリーした選手にはそれぞれ均一のポイントが付与された。

 雨が予想されていた翌5日のロードレースは曇りのち晴れ。日陰の少ないコースレイアウトのため、快晴になると暑さによる選手の消耗が心配されるが、この日は落ち着いた天候で走りやすいコンディションとなった。

地元チーム、ヴィクトワール広島の選手が並ぶ地元チーム、ヴィクトワール広島の選手が並ぶ
地元チームであるヴィクトワール広島のコーチを務める、元アテネ五輪代表選手の唐見実世子さんがレース前に登場。インタビューを受ける地元チームであるヴィクトワール広島のコーチを務める、元アテネ五輪代表選手の唐見実世子さんがレース前に登場。インタビューを受ける

有力チームの7人が逃げ集団を形成

1周目から大きなタイム差を得た7人の先頭グループ1周目から大きなタイム差を得た7人の先頭グループ

 12周・147.6kmのレースは、1周目から大きな動きを見せた。小坂光(那須ブラーゼン)、パブロ・ウルタスン(チームUKYO)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、阿曽圭佑(キナン サイクリングチーム)、横山航太(シマノレーシング)、大久保陣(宇都宮ブリッツェン)、河賀雄大(ヴィクトワール広島)の7人が逃げグループを形成し、メーン集団に対して1分半ほどのタイム差を築いた。

 各有力チームが逃げグループにメンバーを送り込んだ形となり、レースは少し落ち着いた様子で展開。そのまま2周、3周と周回を重ねていくなかで、逃げグループとメーン集団とのタイム差は4分、5分、7分と広がっていった。メーン集団は主にチームUKYOがコントロールして進んだ。

メーン集団はチームUKYOがコントロールするメーン集団はチームUKYOがコントロールする
積極的な走りを見せる大久保陣(宇都宮ブリッツェン)積極的な走りを見せる大久保陣(宇都宮ブリッツェン)

 逃げ集団の7人では、かつてワールドツアーチームであるエウスカルテル・エスカディに所属し、ブエルタ・ア・エスパーニャやツール・ド・フランスも完走しているウルタスンの実力が群を抜いている。このまま逃げ切る可能性が高まる中、マトリックスの安原監督がコース脇から檄を飛ばすのを引き金に、メーン集団の追走が開始された。

上りの急勾配区間、コース脇からマトリックス安原監督が直接選手へと激を飛ばす上りの急勾配区間、コース脇からマトリックス安原監督が直接選手へと激を飛ばす
集団のペースを上げるマトリックスパワータグ集団のペースを上げるマトリックスパワータグ
メーン集団はマトリックス、ブリッツェン、キナン、那須ブラーゼンが協調体制をとるメーン集団はマトリックス、ブリッツェン、キナン、那須ブラーゼンが協調体制をとる

ウルタスン有利の逃げは崩壊

 先頭の7人で勝負となった場合、ウルタスンを抑えるのは厳しいと判断したマトリックス、ブリッツェン、キナン、ブラーゼンら有力チームが中心となり、協調体制でメーン集団がペースアップ。それまで1周19分台で進んでいたレースは17分台を刻み、みるみる逃げ集団へと迫っていった。

 阿曽(キナン サイクリングチーム)はメーン集団へバックするなど、逃げている7人にも変化が出てくる。メーン集団で追走に加わっているチームの選手は、逃げ集団の中でも後ろを待つそぶりで、ウルタスンへの負担が増える状況を作っていく。これに対しウルタスンは、逃げ集団からさらにアタック。一時はタイム差を広げたものの、しばらくして吸収された。

先頭グループから単独でアタックを仕掛けたウルタスン(チームUKYO)先頭グループから単独でアタックを仕掛けたウルタスン(チームUKYO)
 険しい表情で先頭を走る横山(シマノレーシング) 険しい表情で先頭を走る横山(シマノレーシング)
激しいペースアップに逃げグループとの差は一気に詰まるが、メーン集団も大きく人数を減らしていく激しいペースアップに逃げグループとの差は一気に詰まるが、メーン集団も大きく人数を減らしていく

 集団から数人が飛び出しては吸収される状況が繰り返され、ハイペースを維持したままレースは進んでいき、ラスト4周ほどを残してメーン集団はひとつにまとまった。残り2周を切ったところで集団の人数は30人程度まで絞られ、シマノなど細かいアタックはかかるものの大きな動きにはつながらない。

ボトルを受けとった土井雪広(チームUKYO)ボトルを受けとった土井雪広(チームUKYO)
徐々に人数が削られていくメーン集団徐々に人数が削られていくメーン集団

入部を差し切った畑中が雄たけび

 じわりじわりと集団の人数が減っていくなか、最終周回に入る2kmほど手前から単独でアタックをしかけ、先頭でホームストレートに現れたのは、1週間前の全日本選手権ロードレースでも同様の動きを見せた土井雪広(チームUKYO)だ。そのまま逃げ切る事もあり得る選手だけに、他チームは必死の追走を強いられた。

単独でアタックを決め、最終周回へと入っていく土井雪広(チームUKYO)単独でアタックを決め、最終周回へと入っていく土井雪広(チームUKYO)
土井の追走を強いられる先頭集団。先頭は秋丸(シマノレーシング)土井の追走を強いられる先頭集団。先頭は秋丸(シマノレーシング)

 土井とライバルチームによる攻防の末、ゴール前のホームストレートには16人に絞られた集団が姿を見せ、横一線に広がってゴールスプリントを開始。吉田隼人(マトリックスパワータグ)、入部正太朗(シマノレーシング)、鈴木龍(那須ブラーゼン)、畑中勇介(チームUKYO)、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)らがわずかに先行してゴールに向かった。

 勢いがあったのは入部。しかしシリーズ首位の証である、真っ赤なルビーレッドジャージを着る畑中が、わずかに差し切って雄たけびを上げながらゴールへ飛び込んだ。今季チームUKYOに移籍した畑中は、古巣シマノの元チームメートを打ち破ってガッツポーズ。西日本ロード3年連続優勝とともに、個人としてはJプロツアー今季初勝利を挙げた。チームUKYOにとっては今季5勝目となった。

横並びのゴールスプリント。入部がわずかに先行横並びのゴールスプリント。入部がわずかに先行
先行していた入部を上手くパスして先頭に立ったのは畑中先行していた入部を上手くパスして先頭に立ったのは畑中
得意のコースで快勝、大会3連覇の畑中(写真・JBCF 一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)得意のコースで快勝、大会3連覇の畑中(写真・JBCF 一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)

 畑中はレース後、「チームメートが良く仕事をしてくれた。最後はスプリントのタイミングがバッチリはまって良かった」とコメント。1週間前の全日本選手権ロードレースに続き、チームUKYOが常に先手を打ち、総合力の高さを示す結果となった。レースの主導権を奪取できなかった他チームはそれぞれ悔しさをにじませた。

P1表彰式。(左から)3位の鈴木龍(那須ブラーゼン)、優勝の畑中勇介(チームUKYO)、2位の入部正太朗(シマノレーシング)P1表彰式。(左から)3位の鈴木龍(那須ブラーゼン)、優勝の畑中勇介(チームUKYO)、2位の入部正太朗(シマノレーシング)
ルビーレッドジャージは畑中、ピュアホワイトは新城がそれぞれキープしたルビーレッドジャージは畑中、ピュアホワイトは新城がそれぞれキープした
ヴィクトワール広島サポーターの皆さんヴィクトワール広島サポーターの皆さん
惜しくも1位では逃したが、ファンとの記念撮影をする2位の入部惜しくも1位では逃したが、ファンとの記念撮影をする2位の入部

P1結果(147.6km)
1 畑中勇介(チームUKYO) 3時間48分18秒
2 入部正太朗(シマノレーシング)
3 鈴木龍(那須ブラーゼン)
4 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
5 野中竜馬(キナン サイクリングチーム)
6 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
7 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
8 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
9 湊諒(チームUKYO) +1秒
10 平井栄一(チームUKYO)

Jプロツアーリーダー(ルビーレッドジャージ)
畑中勇介(チームUKYO)

U23リーダー(ピュアホワイトジャージ)
新城雄大(那須ブラーゼン)

F結果(49.2km)
1 中原恭恵(チェリージャパン) 1時間27分59秒
2 ドス・サントス・サンドラ(Neilpryde – Nanshin Subaru Cycling 駒澤大学) +1秒
3 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT) +3秒

Jフェミニンリーダー(シスターローズジャージ)
伊藤杏菜(Champion System Japan)

関連記事

この記事のタグ

JPT2015・レース Jプロツアー Jプロツアー2015

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

新春初夢プレゼント2018

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載