ツール取材日記「きょうのきいろ」<4>海を渡る幹線道路はオランダを守る“砦” 吹きすさぶ風とタオルの下の笑顔

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幹線道路の色はイエロー。ゼーラント州では島をつなぐ“海の道”がコースとなった幹線道路の色はイエロー。ゼーラント州では島をつなぐ“海の道”がコースとなった

 欧州の地図では、幹線道路はイエローで描かれる。高速道路はオレンジ。私たち日本人にとっても、Googleマップでは見慣れた配色だ。オランダ南西部のゼーラント州には、そのイエローの道が海を横切るように走っている。この道、実は堤防の上。海抜の低いオランダの国土を守る大切な砦(とりで)でもある。7月5日に開かれたツール・ド・フランス第2ステージのゴール地点は、この堤防の道を抜けた小島に設けられた。(ゼーラント 柄沢亜希)

 レース当日、海に囲まれたゼーラントのドライビングロードは、さぞや美しい撮影ポイントになることだろうと想像しながら選手に先行してクルマを走らせた。すると、水面に墨をたらしたように黒い雲が空を覆った。風が強まり、旗はたなびくどころか引きちぎられそうだ。スプリントポイントを示す横断幕の設置には、突風の中、たくましい男性2人でも難航していた。

強風に横断幕があおられスプリントポイントの設置に苦労していた強風に横断幕があおられスプリントポイントの設置に苦労していた
土砂降りのあと気温は20度を下回り、なおかつこの強風。お互い温め合うのも手だ土砂降りのあと気温は20度を下回り、なおかつこの強風。お互い温め合うのも手だ

 クルマを運転していても、前が見えなくなるほどの豪雨。沿道では、もはや雨対策を放棄した観客も多く見られた。天候の面では、選手たちと同じ境遇だ。

 吹きすさぶ風にタオルを羽織ったりフリースを着たりしながら、ひときわにぎやかにプロトンを待つ一団に話を聞いた。曰く、「選手がやって来る方向も走り去る先も、ずっと見渡せる“特等席”なのよ」。近くに住むという女性は「このあとみんなで家に来てBBQをすることになっているの。きょうのステージが終わっても、レースはいつもTVにスタンバイされているわ」と楽しそうに話してくれた。

「寒いかもしれない~だけど大丈夫~!」と共同体のような結束で選手の到来を待つ観客「寒いかもしれない~だけど大丈夫~!」と仲間同士で結束して選手の到来を待つ観客

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