トレックチームの選手がパーティー会場へ登場異口同音に「新型マドンは速い」 ツールに参戦するモレマやカンチェッラーラにインタビュー

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 ツール・ド・フランス2015の開幕地、オランダ・ユトレヒトのザイスト城で7月1日、トレック主催のパーティーが開かれ、前日に発表された新型「マドン」に乗ってツールに参戦する「トレック ファクトリーレーシング」の選手9人も駆けつけた。Cyclistでは、ツールでチームの総合エースを担うバウケ・モレマ(オランダ)や、リーダーであり精神的支柱のファビアン・カンチェッラーラ(スイス)、昨年引退したが現在もチームコンサルタントを務めるイェンス・フォイクト氏に、マドンをはじめとするトレックのバイクについて話を聞いた。(ユトレヒト 文・柄沢亜希、写真・田中苑子)

「ハンドルバーが特にお気に入り」と話すバウケ・モレマ「ハンドルバーが特にお気に入り」と話すバウケ・モレマ

ハンドルバーがお気に入りのモレマ カンチェはドマーネを使用

会場でサインをするファビアン・カンチェッラーラ(手前右)らトレック ファクトリーレーシングの選手会場でサインをするファビアン・カンチェッラーラ(手前右)らトレック ファクトリーレーシングの選手

 レースに向けた調整の合間を縫って、パーティーでのサイン会や招待客との写真撮影のために駆けつけた選手たち。サインする手を絶え間なく動かしつつも、リラックスした表情で過ごしていた。

 地元オランダのヒーロー、モレマは新型マドンについて「本当に速い、それに快適だよ!」と大満足の様子。モレマは、「普通はエアロダイナミクスを追求したバイクはものすごく固い乗り味なのに、新型マドンの乗り心地は最高。それにハンドルバーが気に入ってるんだ。ほら、すごくカッコいいだろ?」と、近くに展示されていたバイクに歩み寄った。

新型マドンについて語るバウケ・モレマ新型マドンについて語るバウケ・モレマ

 「ハンドリングも、もちろん優れている。マドンに乗っていると、少しの下りでバイクが転がり落ちるようにスピードが上がるのが実感できるんだ。これは体力温存ができるいい兆候だよね。平坦、そして時速25~30kmのスピードで走るような上り坂でも(体力の温存を)体感できる」

 モレマは今年のツールで、パヴェ(石畳)がコースに含まれる第4ステージ(7月7日)以外はすべてこのマドンに乗る予定という。以前は軽さが自慢の「エモンダ」に乗っていたというモレマ。「エモンダは好きだったよ。だけど6.8kgというUCI(国際自転車競技連合)の最低重量規定に対し、エモンダは軽すぎることが課題だったんだ。そのままでは規定により参戦できず、あえておもりを付けて加重する必要があり、せっかくの性能が生かしきれなかった。新型マドンは、エモンダと同じような性能を備えつつ、空力性能を高め、最低重量の問題もクリアになった。両刀使いだね!」

 「(振動吸収テクノロジー)アイソスピード(IsoSpeed)はエモンダとは一線を画すポイントだね。乗ってみて、エアロダイナミクスの次に特徴的だと感じたよ」

パーティー会場に展示されたトレックの新型マドンパーティー会場に展示されたトレックの新型マドン
選手らが会場にチームバスで乗り付けた選手らが会場にチームバスで乗り付けた
選手やトレック関係者が集まり記念撮影。中央は7度のナショナルチャンピオン経験があるオリンピアン、エミリー・バティー(カナダ)選手やトレック関係者が集まり記念撮影。中央は7度のナショナルチャンピオン経験があるオリンピアン、エミリー・バティー(カナダ)

 一方、カンチェッラーラは、特に振動吸収などの快適性に優れた「ドマーネ」を愛用している。今回のツールでも「もちろんドマーネに乗るよ」と明言した。「僕のライドスタイルに合っていることと、ドマーネの開発に大きく関わってきたからね。思い入れもあれば、乗ることに誇りもある。何より、僕にとって最適なバイクなんだ。もちろん、マドンをはじめどのバイクも試乗はしているよ。マドンは、めちゃくちゃ速いというのがいいところ。性能の違いによってバイクを選ぶことができるというのは、トレックのすばらしいところだと思う」

インタビューに答えるファビアン・カンチェッラーラインタビューに答えるファビアン・カンチェッラーラ
ファビアン・カンチェッラーラは女性にも人気だファビアン・カンチェッラーラは女性にも人気だ

引退後も世界を巡るフォイクト氏

新型マドンを開発段階から見守ってきたイェンス・フォイクト氏新型マドンを開発段階から見守ってきたイェンス・フォイクト氏

 6月30日に開かれた新型マドン発表会の壇上で、試乗した際の感想として「『なんてこった、早くリタイヤしすぎたぜ!』という気分だった」と語って会場を沸かせたフォイクト氏。今では、トレック ファクトリーレーシングのチームアドバイザーとして契約し、製品テストやプレゼンテーション、世界各地のトレックバイクショップ訪問などに携わっている。

 「ことし訪問したのはオーストラリア、タイ、マレーシア、アメリカではニューヨーク、ボストン、フロリダ、ケンタッキー、南北カロライナ。さらにスペイン、そしてオランダ。拠点はドイツ・ベルリンだけど、いまでも世界中を飛び回っているというわけさ。そうだ、ツール・ド・フランス観戦といったバイクツアーの運営にも携わっているよ」

 新型マドンについては「美しいバイク」と称えたフォイクト氏。実は、かなり初期段階のプロトタイプから新型マドンを目にしていたという。「それこそ紙に描かれたスケッチの時から目にしていた。ただのプラスチックで作った模型を見た時点で『いいバイクだな』と思った。形だけでなく、そのアイディアに対してもね」

記者の質問に丁寧に答えるイェンス・フォイクト氏Cyclist記者の質問に丁寧に答えるイェンス・フォイクト氏

 フォイクト氏が完成形の新型マドンに試乗したのは3週間前。その時の印象については、「快適な乗り心地、より優れた剛性やハンドリングを実感した。それにすべてのケーブルは内蔵され、ハンドルもステムと一体化したことで、これまでのマドンのエアロダイナミクス性能を受け継ぎつつも、さらに抵抗が少なくなっていると感じた」と振り返った。

 記者が「ボトルケージやボトルがエアロダイナミクスへ与える影響すら考慮して開発されたことに驚いた」と話すと、「フレームだけでバイクのテストをすることはまったく意味がないこと」と真剣な表情で語り始めたフォイクト氏。

 「フレームだけで使う人なんていないからね。フォークがあって、ハンドルバーやブレーキ、それに人が座っていないと! 全部セットでテストをしないといけないわけだ。トレックは膝などがしっかりと動くテスト用のダミー人形を使い、リアルな状況下でテストをしているんだ。ボトルもその一部。上下に動かしながら実際の取り付け位置をフレームサイズ毎に探っていった。またアイソスピードは、剛性を保ちつつ快適な乗り心地を実現したスマートな方法だと感心しているよ」

パーティー会場では日本食も提供されたパーティー会場では日本食も提供された
チリソース風味の焼き鳥も登場チリソース風味の焼き鳥も登場

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