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栗村修の“輪”生相談<52>17歳男性「コーナーリングが下手で落車します。何を意識して曲がれば良いですか?」

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僕は平坦、下りのコーナーリングがものすごく下手で、曲がりきれなく先のガードレールや草むらに突っ込み、落車します。体を横に倒しすぎて、「ズリッ」と滑り転びます。何を意識してコーナーを曲がれば良いですか? また、コツはありますか?

(17歳男性)

 コーナーリングの得意不得意については、古今東西広く話題に挙がってきました。日本国内だけ見ても、「走るシケイン(障害物)」などと不名誉なあだ名を付けられる選手がいれば、逆に、同じ乗り物を操っているとは思えないほどスムーズに走る人もいます。

 両者の違いは何か。「あの人はコーナーリングの練習に凄く力を入れてるんです」という話はあまり聞きませんね。ということは、結局センスの問題なのかなあ、という気がします。あるいは、コーナーリングが得意な人は練習でもコーナーを避けないからより上手になる、という可能性もあるかもしれません。

 センス、の一言で終わらせてしまうのはちょっともったいないので、少し考えてみましょう。さっきお伝えしたように、同じ自転車、同じタイヤで同じコーナーを走っているのに、コーナリング速度が違うのは、なにか理由があるんです。その「なにか」がセンスなのかもしれませんが、上手い人と一緒に走ることでセンスをある程度学ぶことはできると思います。コーナーが怖くて食わず嫌いになってしまうと、余計に苦手意識ばかりが強くなってしまいます。

 スキーをしたことがありますか? 朝、スキー場についてからの一本目では転びやすい人も、夕方になるころには慣れてきて、上手になりますよね。同じように、何というのかな、「テクニック面でのウォーミングアップ」もあっていいと思うんですよ。レース前にスラローム走行をやる、とか。トレーニングとはちょっと違いますが、対策はあると思います。

全身を使って攻撃的なコーナーリングを見せるトマ・ヴォクレール全身を使って攻撃的なコーナーリングを見せるトマ・ヴォクレール

 あと、質問者さんはもうご存知かもしれませんけれど、一応基本の確認をしておきましょうか。まずは視線。コーナーでは、目線の方向に行く傾向があります。よくあるパターンが、怖いからといってアウト側を見ちゃうんですよね。で、そっち側に引っ張られてしまう。つまり膨らんじゃうんです。

 次にはブレーキングです。やはりブレーキングの原則は、コーナー侵入前に終わらせる、です。上手い選手は、コーナーをパッと見ただけで必要最低限のブレーキングができるんですよ。あとは、重心かな? アウト側の足(もちろん下死点にあります)で自転車を押し付けるイメージです。サドルなど、高いところに体重をかけてしまうと重心が高くなって怖いですからね。

 質問者さんに関してちょっと気になるのは、転んでいる点です。普通、下りが苦手な選手はおっかなびっくり下るので、転ばないんですよ。だから速度が落ちて、周りからシケイン扱いされるのですが…。転ぶ選手はコーナーが苦手なんじゃなく、むしろ攻める選手ですよね。質問者さんはどちらでしょうか?

 ただ、いずれにしても、転んでいるということはどこかに問題があります。僕の印象では、たぶん、ブレーキングに問題がある気がしますね。一度、上手な人と走ってチェックしてもらうといいかもしれません。

(編集 佐藤喬・写真 砂田弓弦)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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