本国・台湾で発表会を開催ジャイアントが旗艦モデル「TCR」を4年ぶりに刷新 山岳にフォーカスし軽量化を追求

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 ジャイアントがロードバイクの旗艦モデル「TCR」を4年振りに刷新し、新しいTCRシリーズを発表した。同社はTCR以外に、快適性に優れた「デファイ」、エアロ性能を高めた「プロペル」というシリーズを展開していることから、新型TCRは軽量化を追求し、山岳でのヒルクライム性能を高める仕様となった。台湾のジャイアント本社で開かれたアジアのメディア向け発表会から、ニューモデルの概要を速報でお届けする。 (レポート 菊地武洋)

さらに軽く、ヒルクライムで魅力を放つTCRアドバンスドSLさらに軽く、ヒルクライムで魅力を放つTCRアドバンスドSL

目新しさではなく、新しい提案のために

 初代TCRがデビューしたのは1997年。トップチューブが傾斜し、メーンフレームが小型化された個性的なスタイルは、当時の保守的なロードバイクの中にあって、アグレッシブで大きな衝撃をユーザーに与えた。以来、レーシングフレームの主力素材がカーボンになっても、TCRが提唱したスモールトライアングルは廃れることなく生き続けている。そして今回の新型TCRでも、目新しさを演出するためではなく、スポーツバイクの世界をリードする新しい提案のためのモデルチェンジが具現化された。

台湾のジャイアント本社で行なわれたローンチイベントには、日本をはじめ中国、韓国などアジアのメディアが集まった台湾のジャイアント本社で行なわれたローンチイベントには、日本をはじめ中国、韓国などアジアのメディアが集まった

 新型TCRを理解するためには、スペックに着目する前に、ラインナップを見渡しておきたい。というのも、メジャーブランドがロードバイクを展開する際、コンセプトごとにいくつかのシリーズを形成するからだ。

 TCRシリーズはもともとジャイアントのロードバイク全体の最上位グレードとして君臨していた。それが前作のデビューと同時に、快適性を重視した「デファイ」シリーズがラインナップに追加されたため、TCRはよりレース色の強いバイクへと進化した。

プロダクトマネージャーのニクソン氏。現行モデルのTCRを含め、ジャイアントに入社して以来、ロードバイクの開発に携わっているプロダクトマネージャーのニクソン氏。現行モデルのTCRを含め、ジャイアントに入社して以来、ロードバイクの開発に携わっている

 その後、エアロ性能を追及して高速巡航性や瞬発力を高めた「プロペル」シリーズも投入され、プロのレースで多用されるようになった。今回のTCRのモデルチェンジでは、「エアロバイクは“プロペル”があるので、新作は山岳でのヒルクライムにフォーカスして開発は進められた」(チーフエンジニア)という。

右が2016モデル。左の現行モデルよりもダウンチューブとBBの接続部がスムーズなラインを描いている右が2016モデル。左の現行モデルよりもダウンチューブとBBの接続部がスムーズなラインを描いている
全体的にチューブの接合部分のラインを滑らかにする方向で形状が見直された全体的にチューブの接合部分のラインを滑らかにする方向で形状が見直された

フレームセットで181gも軽量化

 重量を見ると、ニューTCRアドバンスドSLのフレームセットは1376gで、従来モデルに比べて181g、12%ほど軽い。ちなみにフレームは856g(現行940g)、フロントフォーク302g(現行320g)、ISPクランプ112g(現行156g)と各所が大きく軽量化されている。

シートステーは、従来モデルは上部まで2本に別れたタイプだったが、新型では中空構造のウィッシュボーンタイプになったシートステーは、従来モデルは上部まで2本に別れたタイプだったが、新型では中空構造のウィッシュボーンタイプになった
クランプバンドの形状を見直し44gもの軽量化に成功しているクランプバンドの形状を見直し44gもの軽量化に成功している

 ヒルクライムにおいて軽さは絶対的な正義である。重量は1gだって軽いほどいい。ただ、それは剛性などの性能が同じ場合の話。ペダルを踏んだときにフレームがヨレヨレでは、車重が軽くても上りを速くは走れない。この当たり前のテーマに最新の技術で取り組んだのが、ニューTCRというわけだ。

TCRアドバンスドSLTCRアドバンスドSL

 従来モデルとの外観の違いはBB、ヘッドチューブ、フロントフォーク、シートステー集合部など多岐に渡り、これらの場所が一つひとつ最適化されている。新規格や新素材といった派手な手法を使わずとも、181gも軽量化したのは並大抵の努力ではない。

ホイールとセットで開発

 例を1つ挙げると、現行モデルのTCRアドバンスドSLに使われているカーボンプリプレグは350枚。新型ではカッティングなどをブラッシュアップして250枚にピース数を減らしている。カーボンチューブの重量は強化材のカーボン繊維そのものよりも、母材のエポキシ樹脂なので、プリプレグの枚数を減らすメリットは想像以上に大きいというわけだ。

ジャイアント本社工場の入り口にそびえる倉庫には、出荷を待つ15000台が収められているジャイアント本社工場の入り口にそびえる倉庫には、出荷を待つ15000台が収められている
手前側の黒いフィッティングサドルを使って、ライディングフォームに合わせた形状が選べるオリジナルサドルも発表された手前側の黒いフィッティングサドルを使って、ライディングフォームに合わせた形状が選べるオリジナルサドルも発表された
セカンドグレードの「アドバンスド」は、エントリーライダーの使用も考慮し、サドル高を変更しやすいコンベンショナルタイプのシートポストを採用セカンドグレードの「アドバンスド」は、エントリーライダーの使用も考慮し、サドル高を変更しやすいコンベンショナルタイプのシートポストを採用

 また現在、レース用バイクの性能を測る上で重要視されているのがフレームの剛性重量比だ。簡単に言えば、軽くて剛性の高いフレームが高く評価される。しかし、走行時に感じる剛性はフレームだけではない。

 そこでジャイアントはホイールを装着した状態での剛性を評価軸に加え、自社製カーボンリムを採用したオリジナルホイールを含めた開発を行なった。これによりフレームだけではなく、トータルで軽さと強さを感じられるバイクへと仕立てたという。

 今回、発表されたのは最上級モデルのTCRアドバンスドSLと、セカンドグレードのTCRアドバンスドの2グレード。日本での発売時期や価格、パーツの仕様などは後日発表される予定だ。

ジャイアント TCRアドバンスドSLジャイアント TCRアドバンスドSL
ジャイアント TCRアドバンスドジャイアント TCRアドバンスド

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