Cyclistとのコラボ純米大吟醸「輪一筋」登場“サイクリスト蔵元”とライド 岡山の銘酒・利守酒造「酒一筋」を育む地

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「利守酒造」の専務取締役、利守弘充さんが岡山空港まで記者を迎えに来てくれた「利守酒造」の専務取締役、利守弘充さんが岡山空港まで記者を迎えに来てくれた

 瀬戸内海に面して豊穣な土地が広がる岡山県南部は、白桃やマスカットに代表されるフルーツの産地であり、47の蔵元が集まる地酒の名産地でもある。「利守(としもり)酒造」(岡山県赤磐市)は、1世紀半の歴史の中で大地への想いを酒づくりへ注ぎ、「山田錦」の親にあたる同地の酒米「雄町米(おまちまい)」を再び表舞台へと蘇らせた蔵元だ。利守酒造の専務取締役で、全国で日本酒の魅力を発信する利守弘充さんは、熱心なサイクリストでもある。記者はロードバイクを持参して同地を訪ねた。

揃いのジャージは“SAKEHITOSUJI”

「チームSakehitosuji」のジャージには「酒一筋」の文字も「チームSakehitosuji」のジャージには「酒一筋」の文字も

 岡山空港に記者が到着すると、サイクルジャージ姿の利守さんが出迎えてくれた。日頃は仲間と一緒に岡山国際サーキットや鈴鹿サーキットで開催されるイベント参戦を楽しみ、6月14日には「Mt.富士ヒルクライム」にも出場した利守さん。サイクリング仲間とつくった「チームSakehitosuji」のジャージには、利守酒造の代表銘柄「酒一筋」のロゴが光る。

 ジャージにフランス語で書かれた“Tout pour le sake”について記者が尋ねると、「酒一筋という意味。ツイッターで『酒一筋ってフランス語でなんて言うのだろう』とつぶやいたら、知人が教えてくれたんですよ」と笑顔で語った。

 「自転車をはじめてから新しい出会いが増え、自転車を通じて知り合った仲間が日本酒に興味を持ってくれるようになったので嬉しい。蔵にも自転車で立ち寄ってくれる人が増えました」

岡山県赤磐市に位置する利守酒造。酒蔵に販売所が併設されている岡山県赤磐市に位置する利守酒造。酒蔵に販売所が併設されている
岡山県赤磐市に位置する利守酒造。記者が訪れた時は田植えされたばかりのかわいらしい雄町米が並んでいた岡山県赤磐市に位置する利守酒造。記者が訪れた時は田植えされたばかりのかわいらしい雄町米が並んでいた
緑豊かな道は、利守弘充さんが仲間と走る際の定番練習コース緑豊かな道は、利守弘充さんが仲間と走る際の定番練習コース

水に恵まれた“日本酒のふるさと”を走る

コースを説明する利守弘充さん。記者が背負う予定だった荷物を預かってくれたコースを説明する利守弘充さん。記者が背負う予定だった荷物を預かってくれた

 この日走ったコースは、空港から岡山市内まで下り基調の35km。逆方向ならば上りが続き、これを往復するのが利守さんが仲間と走る際の定番練習コースなのだそうだ。途中、メンバー同士でタイムトライアルの計測区間になっているという場所も通過した。なかなか走りごたえがあるコースであるとともに、森や草が色濃く、緑薫る自然に心が満たされた。

 岡山には、一級河川が吉井川、旭川、高梁川と3本流れている。今回のコースでも、9kmほど過ぎたところから旭川沿いの道が続いた。夏の豪雨では水かさが増して河川敷いっぱいに広がることもあるといい、「岡山は水に不自由することがない」と話す利守さん。利守酒造では、吉井川の分流の水を酒づくりに生かしているという。

旭川沿いを走る利守弘充さん旭川沿いを走る利守弘充さん

 川にはカワウやシラサギが舞い降り、上空高くにはトンビ、森からはウグイスの声――ほどよい速度でサイクリングをしていると、風や音、風景を全身で感じることができて気持ちがいい。

 黄ニラとパクチーの産地である牟佐(むさ)を通過すれば、胸いっぱいのパクチーの香り。利守さんは、「パクチーが好きでない私にはちょっと…」と苦笑いした。

ジャージからはっぴ姿に着替えた利守弘充さんジャージからはっぴ姿に着替えた利守弘充さん
利守酒造の「酒一筋 夏純吟」利守酒造の「酒一筋 夏純吟」

 その夜は、岡山名物の鰆(さわら)の刺身を前に利守酒造のシーズン限定「酒一筋 夏純吟」で乾杯した。記者が体感した岡山の澄んだ環境で大切に育てられた米が、酒となって体に染み入ると思うと、いっそう味わい深く感じられた。

岡山名物の鰆の刺身は日本酒にもぴったり岡山名物の鰆の刺身は日本酒にもぴったり
地元の名産品黄ニラを投入しただし巻き卵地元の名産品黄ニラを投入しただし巻き卵

“地のもの”への情熱

「伝統・自然・土地」を色で表現した利守酒造の看板「伝統・自然・土地」を色で表現した利守酒造の看板

 利守酒造を訪れると目に入ってきたのが、看板の紫・緑・茶のカラーリング。それぞれ「伝統・自然・土地」を表した色なのだという。雄町米の復活に情熱を注いできた利守酒造であるからこそ、説得力がある。さらに酒蔵の外でそれを感じさせられたのが、地元岡山の陶器「備前焼」とのつながりだ。

 数ある窯元の中でも名門の作家、伊勢﨑競(いせざき・きょう)さんは、10年前から利守酒造の藁を作品づくりに生かしてきた。伊勢﨑さんは、「デザインのセンスがいい。それに使いやすい」と、利守さんもイチオシの気鋭の陶芸作家だ。

焼き方で雰囲気が変わる備前焼。「火襷には雄町米の藁が適している」と伊勢﨑競さん焼き方で雰囲気が変わる備前焼。「火襷には雄町米の藁が適している」と伊勢﨑競さん

 雄町米の藁は、備前焼の焼き方のひとつ「火襷/緋襷(ひだすき)」に欠かせない。作品を見せてもらうと、火襷の陶器は白っぽく、そこに勢いよく引かれた赤茶色のラインが美しく映える。藁と土の成分が科学反応を起こしてできるデザインだという。

 伊勢﨑さんは、「火襷では、叩いて柔らかくした藁を作品に巻きつけ、耐火性のある容器に入れて焼きます。特に大きな作品をつくる際には太い線で見せたいので、軸がしっかりしていて丈の長い雄町米の藁が適している。これを使いはじめるまでは苦労した」と教えてくれた。

制作時に使えるように叩いて柔らかくした雄町米の藁を見せる伊勢﨑競さん制作時に使えるように叩いて柔らかくした雄町米の藁を見せる伊勢﨑競さん
伊勢﨑競さんによる火襷の作品伊勢﨑競さんによる火襷の作品

 伊勢﨑さんが「焼き方が違うだけでこれほど雰囲気が変わる土は、世界中探してもほかにはない」と話すその土、焼くための素材、そこへ注がれる酒もすべて“地のもの”とは、贅沢だ。自身も日本酒好きという伊勢﨑さんは、ぐい呑を作る際に「だんだん大きくなっていってしまわないように気を付けている(笑)」と楽しそうにジョークを飛ばした。

備前焼作家の伊勢﨑競さんがつくった作品の数々備前焼作家の伊勢﨑競さんがつくった作品の数々
登り窯はそれぞれの焼き方によって入れる場所が異なる登り窯はそれぞれの焼き方によって入れる場所が異なる
地元の赤松を使った薪も備前焼に欠かせない地元の赤松を使った薪も備前焼に欠かせない

◇         ◇

自転車愛好者のためのオリジナル日本酒「輪一筋」

「利守酒造」と「Cyclist」がコラボレーションしたオリジナルの純米大吟醸「輪一筋」ラベルデザイン、オモテ(左)とウラ「利守酒造」と「Cyclist」がコラボレーションしたオリジナルの純米大吟醸「輪一筋」ラベルデザイン、オモテ(左)とウラ

 「Cyclist」では、利守酒造とコラボレーションをした日本酒「輪一筋」(りんひとすじ)を6月22日から産経ネットショップで限定予約販売します。商品名は、利守酒造の代表銘柄「酒一筋」を踏襲。雄町米を使用した純米大吟醸で、輪一筋のためだけに蔵出しされたオリジナルの日本酒です。ラベルには、自転車を愛好する人たちへ向けたとっておきのデザインを用意しました。

 輪一筋の文字の背景には、ひらがな「りん」を躍動感ある書体で新たに書き下ろしました。人と自転車が一体となって生まれる喜びや力強さを表現しています。黄色は、米の実りに感謝するとともに、サイクリストにとっての一大イベント「ツール・ド・フランス」のメインカラーをイメージしています。

同じく雄町米の純米大吟醸で、代表銘柄「赤磐雄町」(あかいわおまち)を持つ利守弘充さん同じく雄町米の純米大吟醸で、代表銘柄「赤磐雄町」(あかいわおまち)を持つ利守弘充さん
利守酒造の酒蔵で温度管理をされて保存されている日本酒のタンク利守酒造の酒蔵で温度管理をされて保存されている日本酒のタンク

 さっぱりとしたフルーティーな味わいの「輪一筋」は、日本酒好きにはもちろん、普段ワイン党の人にとっても飲みやすい。ちょっと冷やす(部屋の温度よりも少し低い程度)のが、よりおいしく飲むためのポイントです。チーズなら軽いタイプがぴったり。パテといったカジュアルな料理にも合います。夏のツール・ド・フランス観戦のお供に、ワイングラスに注いで楽しんでみてはいかがでしょう。

「輪一筋」の楽しみ方

自転車情報サイトとして有名な「Cyclist」さんとひとつの物をつくることができるのは、嬉しい限りです! 「飲んだら乗るな」ですが、レースやイベント参加の後、仲間と走った後などの楽しいひと時のお供どうぞ。(利守酒造専務取締役 利守弘充)

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