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栗村修の“輪”生相談<51>40歳男性「今後、ロードバイクはどのような進化をしていくのでしょうか?」

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ロードバイクの進化の流れとして、より軽量に、より快適にという方向へ流れているようです。私のようなホビーユーザーでもわかりやすい形としては軽量なフレーム、Di2のような電動コンポなどでしょう。

 では今後、ロードバイクはどのような進化をしていくのでしょうか?

 数年間の短期的なものと10年後を睨んだコンセプト的なもので教えてください。個人的な事ながら、一昨年落車して肩鎖骨折をしました。被害を最小限に抑えるような、安全面にフォーカスが当たってもいいのではないかと思います。

(40歳男性)

 実は、僕は機材についてあまり強くないのです。現役の選手だったころはロードバイクのメンテナンスを自分でやったり、ホイールを組んだり、あとショップで働いたこともあったので機材についてはけっこう知識があったのですが、引退して監督になって以降は、ちょっと離れちゃいましたね。そんな僕でよければ、機材展望をお話したいと思います。

 そもそも、ロードバイクの特徴として、「基本構造はあまり変わっていない」ということがあると思います。100年前のロードバイクと今のロードバイクを比べると、根本的なところの変化は少ないですね。自動車や飛行機は、100年前と今とでは明らかに進化していますが、ロードバイクの場合、基本的な機能は一緒ですよね。

ディレイラーは日本語にすると「脱線機」。ロードバイクに使われる外装式変速機は、文字通りチェーンを脱線させて駆動ギアを切り替えていく(写真・米山一輝)ディレイラーは日本語にすると「脱線機」。ロードバイクに使われる外装式変速機は、文字通りチェーンを脱線させて駆動ギアを切り替えていく(写真・米山一輝)

 もちろん、ギアの数が増えたり、素材が変わったりと変化はあります。けれど、あくまでも細かな変化が中心といえます。チェーンが消えてシャフトドライブになったとか、変速がオートマになったりといった大きな変化はありません。近年の大きな動きとしては電動変速機の登場がありますが、電動といっても変速機をモーターで動かしているのであって、チェーンを「がっちゃん」と脱線させてギアを変えている点は一緒です。

 100年かけても、そう大きな変化はなかったロードバイクに、10年で革命が訪れる可能性は、あまりないかもしれません。ディスクブレーキが承認される方向に向かっているのは、まあ、大きな変化ではありますが、大変革ではないですよね。

 質問者さんがおっしゃる、「安全面にフォーカス」というのはすばらしい発想だと思います。けれど、正直難しさはあります。というのは、他の乗り物と違って、乗り物自体の改良で乗り手を守ることが簡単ではない気がするからです。エアバッグを付けるのも難しそうですし、フレームや機材を頑丈にしても、乗り手を守れるわけではないですからね。

2015年ジロ・デ・イタリアのひとコマ。ヘルメットは義務化されたが、ロードレーサーは昔と変わらず薄いウェア1枚で、ときには時速100kmに達するダウンヒルに挑む(写真・砂田弓弦)2015年ジロ・デ・イタリアのひとコマ。ヘルメットは義務化されたが、ロードレーサーは昔と変わらず薄いウェア1枚で、ときには時速100kmに達するダウンヒルに挑む(写真・砂田弓弦)

 ロードバイクにはこの先も、あまり大きな変化はない気がします。それには、ルールを作っているUCIが保守的だという理由もあります。たとえば、フルカウルのリカンベントが認められばTTの速度は飛躍的にアップすると思いますが、UCIが認める日は今のところ来ない気がします。

 それと、進化とは別の項目になりますが、個人的にずっと気になっているのが、ブレーキブラケットにサイズや形状のラインナップがないことですね。ブラケットは、ハンドルやサドル、シューズ・ペダルとならんで、体がロードバイクに触れるとても重要なパーツです。ブラケット以外の体に触れるパーツ類には、乗り手の身体に合うものが選べるよう、ミリ単位で山ほどの種類が用意されているのに、ブラケットはひとつだけ。何故かブラケットだけ置いてきぼりなんです。すごーく、不思議ですね。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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