工具はともだち<74>ドライバのサイズ選択は要注意 迷ったら「大きい方」から手に取ろう

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ドライバを使ってのラチェットハンドル組立体験ドライバを使ってのラチェットハンドル組立体験

 KTCの本社工場内に、ユーザーサポートを行うための施設「KTC ものづくり技術館 匠工房」がオープンしました。工具を修理する様子を間近で見学できるほか、工具の使い心地を体感できるコーナーなどがあります。Cyclistの記事でもご紹介したように、完成見学会では記者の方々にドライバ1本でラチェットハンドルの組立体験をしていただきました。さて、前回は工具のそろえ方の基本的なお話をしましたが、今回はもう少し具体的に工具の選び方をご紹介します。その第一弾は、ラチェットの組立にも使えるドライバです。

マイナスはプラスよりもサイズが豊富

 スポーツ自転車用としては六角穴付きボルトにその座を奪われて、めっきり存在感が薄くなったプラスやマイナスのねじですが、まだまだ一般の方にはなじみの深い工具のひとつです。

 ドライバを探しにホームセンターなどの工具売り場に行くとすごくたくさんの種類があるので、どれを選べばいいかわからず、結局何も買わずに帰った、なんて人も多いのではないでしょうか。

ドライバは多くの人にとって馴染みのある定番工具ドライバは多くの人にとって馴染みのある定番工具

 ドライバを選ぶには、まずそのねじを知ることが大切です。ドライバを使用するねじには大きく分けてプラス(KTCではクロスと呼んでいます)とマイナスの2種類があります。JIS規格ではプラスのことを「十字穴付きねじ」、マイナスのことを「すりわり付きねじ」と言います。日本語にするとなんともレトロな感じがしますね。

 そんなねじを回すドライバですが、JIS規格では「十字ねじまわし」と「ねじ回し-すりわりねじ用」と、まったくもってそのままの名前が記されています。プラスドライバとマイナスドライバは形ですぐにわかりますが、問題なのがそのサイズ。プラスの大きさは番手(呼び)で表し、JISでは0番から4番が規定されていますが、規格外として0番より小さな00番というサイズも存在しています。また、マイナスは軸の長さと先端の幅で分類され50、75、100、125、150、200、250、300と、意外にもプラスより多くの種類が規定されています。

 一般的によく使われているサイズはプラスドライバでは1番~3番、マイナスドライバでは75、100、150のそれぞれ3サイズがよく使われています。

いろいろな長さ、サイズがあるドライバいろいろな長さ、サイズがあるドライバ

サイズの見極めは意外と難しい

 自転車はというと、プラスの場合はほとんどが2番が多く、マイナスはねじそのものがあまり使用されていません。ですから、ドライバを選ぶ際に最初にそろえたいのは2番のプラスドライバとなります。工具やねじに詳しい方は当たり前だと思うかもしれませんが、なかには1番や3番が使われている場合もありますので、プラスねじを回す時は充分注意して下さい。一見合っているようで、実は小さな番手で回していた…なんてことは、よくある話です。

ドライバのサイズ選択ドライバのサイズ選択

 毎日のようにドライバを使用するようなプロの整備士ならともかく、一般の人がねじのサイズを見極めるのは意外と難しいものです。小さな番手のドライバで大きな番手のねじを回すと、ねじ山をなめてしまうことが多く、後で大変な思いをすることになりかねません。

 そんな事態を回避するためのテクニックとして、プラスのねじを回す際は、できるだけ大きなサイズのドライバから試してみて下さい。少し手間ですが、自分が思ったよりも大きな番手が合うことがありますよ。

 サイズの説明だけで長くなってしまいましたので、ドライバのグリップの種類や選び方は次回にさせていただきます。そして最後に、今回は格言をひとつ。

 「なめてしまった後悔よりも、ちょっとの手間で確かな作業」

 ドライバを使う時にはくれぐれもご注意を。

重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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