日本チャンピオンを決める大一番那須高原のアップダウン攻略がカギ 「全日本選手権」ロードレース&TT観戦ガイド
日本チャンピオンを決める「全日本自転車競技選手権大会ロードレース」が栃木県那須町と那須塩原市で6月27、28日に、また「全日本選手権個人タイムトライアル(TT)ロードレース大会」が大田原市で21日に開催される。いよいよ今月下旬に迫った大一番を前に、レース展開を左右するコースの特徴や、おすすめ観戦ポイントなどを確認し、現地での観戦に生かそう。
ロードレースの展開を左右する6つの上りセクション

全日本ロードは今年で第84回を迎えるが、実は関東地方で開催されるのは初めて。27日には男女のアンダー23以下のクラス、28には男女のエリートのレースが行われ、選手たちは観光地としても名高い那須地域内の特設コースを駆け抜ける。
ロードレースのコースは那須町と那須塩原市にまたがり、那須町の中心市街地エリアと、この地域特有のアップダウンに富んだ区間で構成されている。1周15.9kmで、男子エリートは238.5km(15周)、女子エリートは111.3km(7周)で争われる。
コース中には、選手の脚を削る登坂距離500m~900mの上りセクションが6つ存在し、耐久力が試される。特に周回コース終盤に連続して現れる上りは、勝敗を分けるアタックポイントとなりそうだ。
タフな上り区間の合間には当然、高速を維持しなければならない下り区間も多く含まれる。このようにペースの上下が激しいコースでは、序盤の逃げ集団に選手を送り込んだり、勝負どころでメーン集団を牽引したりしてレース展開をコントロールできるチームが有利といえそうだ。


■「全日本選手権ロードレース」レース概要
1周=15.9km、獲得標高差241m
総距離:男子エリート 238.5km(15周)、男子U23 159km(10周)、男子ジュニア 111.3km(7周)男子U17+U15 63.6km(4周)、女子エリート 111.3km(7周)、女子J+U17 47.7km(3周)
主な上りセクション
セクションNo 登坂区間名 登坂距離(標高差)平均斜度 難易度
セクション④ 大平坂 500m(33m)6.6% ☆☆
セクション⑦ 西坂の上り 600m(44m)7.3% ☆☆☆
セクション⑧ 黒川橋の上り 800m(45m)5.6% ☆☆
セクション⑩ 豊岡の上り 500m(29m)5.8% ☆
セクション⑪ 法師畑の上り 900m(39m)4% ☆☆
セクション⑫ 下川の上り 700m(32m)4.6% ☆
TTコースは終盤に11.5%の急勾配

個人TTは大田原市ふれあいの丘周辺特設コースを舞台に、男子エリートが37.2km(3周)、女子エリートは24.8km(2周)、それ以外のカテゴリーとパラサイクリングは12.4km(1周)で行われる。
特設コースは「ふれあいの丘」の名の通り、丘の上に設定されたスタート・ゴール地点を基点として、市内を走る直線平坦基調のライスライン(大田原広域農道)を中心とする構成だ。


コースはスタートから高速のダウンヒルを経て、箒川(ほうきがわ)にかかる小種島大橋を越えてライスラインを進んでいく。5.2km過ぎで折り返して再び小種島大橋を渡ってから、登坂距離260m、平均勾配11.5%のふれあいの丘線を越えてゴールする。

優勝を争ううえで、平坦な直線基調のライスラインでどれほどタイムを伸ばせるか、また終盤に立ちはだかるふれあいの丘の上りでどれほど耐えられるかがポイントになるだろう。平坦区間が長くパワーのあるライダーに有利なコースレイアウトにも見受けられるが、急勾配をクリアできる登坂力も欠かせない。
過去の全日本選手権TTのコースと比べても変化に富んでいるため、ライダーにとってペースを作るのが難しいコースといえるだろう。
「全日本選手権タイムトライアル」レース概要
1周=12.4km
男子エリート 37.2km(3周)
女子エリート 24.8km(2周)
その他のTT、パラサイクリングカテゴリー 12.4km(1周)
観戦には駅や駐車場から自転車移動が便利

ロードレース、TTともに大会当日はレース・イベント会場周辺道路が車両通行止めになる。そのため大会実行委員会は、シャトルバスか自転車、徒歩での来場を呼びかけている。
那須のロードレース会場では、JR黒磯駅および那須りんどう湖LAKEVIEW、東京計器株式会社那須工場、東陽中学校の各駐車場からシャトルバス(有料)が発着する。
車両通行止めの区間も、競技コース上を除いて自転車で走行できる。会場にはサイクルラックが用意されており、スタート・ゴール地点から離れた場所での観戦には自転車での来場がお勧めだ。また、自転車で会場内を移動するサイクリストのための駐車場が、大島小学校、朝日小学校、田代友愛小学校に設けられる。