初の2日間開催、初日はタイムトライアルを実施30回目の京都・美山サイクルロードレース 熱戦をキナンのロイック・デリアックが制す

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 京都府南丹市美山町で5月23、24日の2日間、今年で第30回となる「美山サイクルロードレース」が開催され、2日目のトップカテゴリーであるC1のレースでは、ロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)が優勝した。初日は平坦路でのタイムトライアル(TT)、2日目にはロードレースが行われ、招待選手も多く参加して大会を盛り上げた。(レポート 中尾亮弘)

春の陽気のもとで開催となった第30回美山サイクルロード春の陽気のもとで開催となった第30回美山サイクルロード

公道コースを使用した歴史ある大会

 美山サイクルロードレースは、1988年の第43回京都国民体育大会のロードレースコースに美山町が選ばれたことを機に、1985年に第40回国民体育大会京都府予選会として、その歴史をスタートさせた。国内の公道レースとしては現存する最も歴史あるイベントとして、途切れることなく開催され続けてきた。

ジャパンカップサイクルロードレースを日本人で唯一制している阿部良之さん(中央奥)らが子供達の自転車講師を務めたジャパンカップサイクルロードレースを日本人で唯一制している阿部良之さん(中央奥)らが子供達の自転車講師を務めた

 今年は30回を記念して初の2日間開催となり、初日は鶴ヶ丘会場で自転車講習とTTが行われた。自転車講習では豪華な講師陣が招かれ、今年から立ち上がったキナン・サイクリングチームからはキャプテンの山本雅道と阿曽圭佑、ロイック・デリアック、愛三工業レーシングチームの小森亮平、マトリックスパワータグは永良大誠、またかつての名選手の阿部良之さんや辻善光さんが参加。子供達に自転車に乗ったままでの障害物の越え方や、公道でのサイクリングのポイントを教えた。

 TTは平坦な公道を規制した、往復4kmのコースを使用。個人とトロッフェバラッキ(2人組)が行われ、子供クラスや親子で走るクラスも設けられた。TT専用バイクでスタート台から出走する選手達に、声援が飛び交った。親子TTでは、出走前に走り方を相談し、レースでは親が子をサポートをする姿が印象的だった。

豪華講師陣達と記念撮影豪華講師陣達と記念撮影
大会1日目はタイムトライアルを実施大会1日目はタイムトライアルを実施

 2周8kmで行われたトロッフェバラッキでは、シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ(小渡健吾・小西優大組)が平均時速52.16km/hの9分12秒149で優勝。同じく8kmの個人TTは、豊田勉(FUJI BIKE)が52.65km/hの9分06秒975で優勝した。4kmの親子TTでは、愛媛県自転車競技連盟ジュニアクラブの森本憲一・凜太郎親子が、46.13km/hの5分12秒139で優勝となった。

 小学校1〜6年生は2年ずつ区切って表彰が行われ、各クラスの優勝者にはチャンピオンジャージと、鹿のツノのトロフィーが贈られた。

トロッフェバラッキ優勝のシエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ(小渡健吾、小西優大)トロッフェバラッキ優勝のシエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ(小渡健吾、小西優大)
子供も懸命にアタック!子供も懸命にアタック!
個人タイムトライアル1位の豊田勉(フジバイク)個人タイムトライアル1位の豊田勉(フジバイク)
親子力を合わせてトロッフェバラッキを走る親子力を合わせてトロッフェバラッキを走る
賞品は鹿のツノトロフィーとチャンピオンジャージ、そして地元のお米が渡される賞品は鹿のツノトロフィーとチャンピオンジャージ、そして地元のお米が渡される

終盤一気に動いたデリアックが独走優勝

30周年を記念して美山サイクルロード実行委員会の徳田利春会長へ花束が贈呈された30周年を記念して美山サイクルロード実行委員会の徳田利春会長へ花束が贈呈された

 大会2日目のロードレースは、美山支所文化ホールをスタート・ゴールとする1周約10kmで争われた。美山の美しい新緑の中を走るこのコースは、九鬼ヶ坂峠のつづら折りの坂を難所とする。沿道には美山名物の茅葺き屋根の民家が点在し、古き良き日本の原風景を体感できるコースだ。

 30回大会を祝うかのように、当日は雨予報を覆す快晴となった。レースは、子供や初心者による5kmのショートコースからスタート。そしてロングコースを1周・2周・4周・7周する各クラスが行われた。

 7周回のC1レースは、シード選手として前日の講師陣や、大会連続入賞を続ける白石慎吾(シマノドリンキング)、また今年から活動を始めた兵庫県川西市の新チーム、コラッジョ川西サイクリングチームの下島将輝、奈良を拠点とする山下貴宏(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ)、MTB全日本チャンプの武井享介と與那嶺恵理(チームフォルツァ!)らが前列に並ぶ。大学生による学連レースとの併催で、151人が出走した。

美山の緑美しいコースを走る選手達美山の緑美しいコースを走る選手達
レースを積極的に作ったコラッジョ川西サイクリングチームレースを積極的に作ったコラッジョ川西サイクリングチーム

 レースは序盤から速いペースで展開し、3周目からは、チームで6人が参加するコラッジョ川西が積極的にレースを作った。後半、マトリックスの永良、コラッジョ川西の下島と豊田勝徳、シエルヴォ奈良の山下、そして京都産業大学の中井路雅と須堯元春の6人が先行するなか、6周目の九鬼ヶ坂峠の上りで、後方集団からチームのアシストを受けたデリアックがブリッジに成功した。

九鬼ヶ坂峠でチームメートのサポートを受けて走るロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)九鬼ヶ坂峠でチームメートのサポートを受けて走るロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)

 最終周回の九鬼ヶ坂峠では、そのデリアックがアタック。山下らが追走するものの、レベルの違う登坂力で差を広げ、そのまま独走で逃げ切って優勝した。デリアックは「最初はきつかったけれど、最後の方はペースを上げることができた。チームメートの山本、阿曽選手がアシストしてくれて、3人でうまくレースを制することができた」と振り返った。

大会を制したロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)大会を制したロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)
チームでの勝利をアピールするキナン サイクリングチーム。(左から)阿曽圭佑、ロイック・デリアック、山本雅道チームでの勝利をアピールするキナン サイクリングチーム。(左から)阿曽圭佑、ロイック・デリアック、山本雅道

 後続の集団スプリントは、コラッジョ川西の下島が抜け出し、チームメートの豊田が続いて、コラッジョ勢が2位と3位を占めた。また5位に入った中井が、U23と学生クラスを制した。ポイント賞は白石が獲得し、今年ついに連続入賞は途切れたものの、賞品として優勝者より多くの米(20kg)を獲得した

C1表彰。1位ロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)、2位下島将輝、3位豊田勝徳(ともにコラッジョ川西サイクリングチーム)C1表彰。1位ロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)、2位下島将輝、3位豊田勝徳(ともにコラッジョ川西サイクリングチーム)
U23表彰。1位中井路雅、2位須堯元春(ともに京都産業大学)、3位有山誠昌(朝日大学)U23表彰。1位中井路雅、2位須堯元春(ともに京都産業大学)、3位有山誠昌(朝日大学)
30周年木製メダルは地元の北桑田高校森林リサーチ科が製作30周年木製メダルは地元の北桑田高校森林リサーチ科が製作

貴重な公道レース 安全面の課題は参加者の技術

レースの勝者に渡されるシカのツノトロフィーレースの勝者に渡されるシカのツノトロフィー

 1200人の参加者が集まった今大会。美山サイクルロード実行委員会の徳田利春会長は、「素晴らしい大会が30年の長きにわたって開催され、今回も無事に終了しました。また来年、多くのご参加をお待ちしています」と締めくくった。

 公道でのレースは地元住民や警察の協力が不可欠。今大会では残念ながら、4クラス合わせて240人が出走した4周のレースで落車が多発し、多くのけが人が出た。こうしたアクシデントが万一、重大な事故になってしまった場合、大会の継続は難しくなってしまう。

 大会運営の充実ぶりさることながら、貴重な公道ロードレースを続けるためには、安全にレースが行われるよう、参加選手の競技レベルの底上げを図る取り組みも必要になっていくだろう。

子供達もレースを頑張りました子供達もレースを頑張りました
レース終了の挨拶をする美山サイクルロード実行委員会の徳田利春会長レース終了の挨拶をする美山サイクルロード実行委員会の徳田利春会長

C1総合結果
1位 ロイック・デリアック(キナン サイクリングチーム)1時間43分07秒25
2位 下島将輝(コラッジョ川西サイクリングチーム)+2秒26
3位 豊田勝徳(コラッジョ川西サイクリングチーム)+2秒69
4位 山下貴宏(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ)+ 2秒85
5位 中井路雅(京都産業大学)+2秒93
6位 永良大誠(マトリックスパワータグ)+3秒00
7位 須堯元春(京都産業大学)+3秒11
8位 武井享介(チーム フォルツァ! )+6秒70
9位 有山誠昌(朝日大学)+45秒10
10位 孫崎大樹(早稲田大学)+45秒39

トロッフェバラッキ
1位 シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ(小渡健吾・小西優大)9分12秒149
2位 鷹組吐露薔薇隊(井上正祥・芝池伸憲)+15秒369 
3位 エキップリオン(川瀬康史・松本孝)+36秒277

個人タイムトライアル
1位 豊田勉(フジバイク)9分06秒975
2位 小西優大(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ)+18秒311
3位 今井雄輝(アクアタマ・ユーロワークス)+23秒804

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