大好き、イタリアングルメ!“サイクリストの聖地”を再び訪ねて ミラノでは渋滞回避のシェアバイクが人気

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 イタリア北部の避暑地、コモを2年ぶりに訪れた。ことしの「ジロ・デ・イタリア」ではコモ湖畔の一部が第17ステージのコースに組み込まれるなど、サイクリストにも名の知れた土地柄だ。今回は、「コルナゴ本社&ジロ・デ・イタリア観戦ツアー」の参加者と共にバスで同地へと向かい、ギザッロの聖母マリア教会(Madonna del Ghisallo)と、広場を挟んで建つ自転車博物館を訪問した。また、ミラノ市内ではイタリアの最新の自転車文化に触れ、イタリアングルメも楽しんだ。

イタリア・ロンバルディア州に位置するギザッロの聖母マリア教会(左)と自転車博物館(写真・柄沢亜希)イタリア・ロンバルディア州に位置するギザッロの聖母マリア教会(左)と自転車博物館(写真・柄沢亜希)

頂上の教会を目指して上るサイクリストたち

ギザッロの聖母マリア教会の内部ギザッロの聖母マリア教会の内部

 …クルマは楽ちんである。2013年のあの日、いっしょに走った仲間に鼓舞され、美しい町並みや景色に癒されながらロードバイクで延々と上った坂道を、あっという間にクリアしてしまった。途中、黙々と上るローディーやマウンテンバイカーを追い抜きながら。

 頂上の広場にこぢんまりと建つ教会を見ると、思い出とともに達成感がよみがえってきた。ここは“サイクリストの聖地”だ。サイクルジャージに身を包んだサイクリスト、クロスバイクのカップル――次々と上ってくるライダーたち全員を賞賛したい気分に駆られ、思わず拍手を送ると、「よせやい」といった照れ笑いで応えてくれた。

ギザッロの聖母マリア教会前で一息つくサイクリストたち。「きょうの調子は?」「まぁまぁだね」と会話を楽しむギザッロの聖母マリア教会前で一息つくサイクリストたち。「きょうの調子は?」「まぁまぁだね」と会話を楽しむ
自転車博物館で販売されていたおみやげの一部には教会の写真をプリント。ショッピングバッグは、この前日に出来上がったばかり自転車博物館で販売されていたおみやげの一部には教会の写真をプリント。ショッピングバッグは、この前日に出来上がったばかり

 亡くなったサイクリストらが弔われている教会に足を踏み入れると、追悼の念と、これまで安全に自転車を楽しんでこられたことへの感謝で背筋が伸びる思いだ。教会の内部には、この地を練習コースとする地域のサイクリングチームの色鮮やかなフラッグや、奉納された自転車などが飾られ、ほかの教会とは異なる雰囲気を味わうことができる。

創立当初から軽量化を追求したコルナゴ

自転車博物館の内部は立体的なつくりで写真や自転車を鑑賞できる自転車博物館の内部は立体的なつくりで写真や自転車を鑑賞できる

 自転車博物館では、新旧の名車を間近で見ることができる。すでにイタリアのスポーツバイクブランド「コルナゴ」本社のミュージアムで100台近いレースバイクを見てきたが、博物館で年代順に並べられた庶民の自転車やスポーツバイクの変遷も興味深い。

 イタリアチャンピオンに4度輝いた女性選手(Mary Cressari)のコルナゴのロードバイクは、1954年に創業した同社が、その10年後に製作した年代モノ。チェーンリングやディレイラーまわりを観察すると、すでに軽量化への飽くなき追求が始まっていたことがわかる。1978年のコルナゴ「スーパー・ピスタ(Super Pista)」は、軽量化と装飾を兼ねてボトムブラケットをクローバー型に肉抜きした粋なデザインだ。

4度のイタリアンチャンピオンに導いたバイクを見る御園井智三郎さん(左)4度のイタリアンチャンピオンに導いたバイクを見る御園井智三郎さん(左)
自転車をひっくり返すと…コルナゴのクローバー型の穴が自転車をひっくり返すと…コルナゴのクローバー型の穴が
1978年のコルナゴ「スーパー・ピスタ」1978年のコルナゴ「スーパー・ピスタ」

 クラシックバイクに詳しい静岡県浜松市の自転車店「ミソノイサイクル」の御園井智三郎さんは、「この時代、デローザはハート型の(肉抜き)穴でしたね。世界チャンピオンに許される“アルカンシェル(虹色)”カラーを製品に使えるブランドは限られていたので、ここぞとばかりに入っている」と教えてくれた。さらに御園井さんは、かつて使用していたというクラシカルな革のシューズや、シルク(絹)のケーシングのタイヤを見つけて目を細め、「学生時代は宮城で走り込んでいたんだ」と懐かしんだ。

普段見ることができないバイクがたくさん並ぶ普段見ることができないバイクがたくさん並ぶ
歴代ワールドチャンピオンの名が書かれた扉を開けると写真や戦歴などを読める歴代ワールドチャンピオンの名が書かれた扉を開けると写真や戦歴などを読める
各年代の「ジロ・デ・イタリア」の総合優勝ジャージ各年代の「ジロ・デ・イタリア」の総合優勝ジャージ

ミラノに根付くシェアバイク「BikeMi」

シェアバイク「BikeMi」で移動するスーツ姿の男性シェアバイク「BikeMi」で移動するスーツ姿の男性

 コモから南へ50km離れたイタリア第2の都市ミラノは、5月1日から10月31日まで開かれる「ミラノ国際博覧会(EXPO Milano 2015)」に沸いている。連日20万人が来場し盛況だという。その博覧会に合わせ、ミラノ市長は「欧州でいちばん長い自転車道がある街にしよう」と提案。ただでさえ渋滞する車道が、自転車道と、拡大する歩道に押しやられ、クルマでのスムーズな移動はなかなか難しくなっているようだ。

イアホンからガイドさんの声を聞きながら「最後の晩餐」へ向かうイアホンからガイドさんの声を聞きながら「最後の晩餐」へ向かう
鑑賞ガイド用にイヤホンを届けに来た自転車便。約束の時間に遅れがちなのが難点だ鑑賞ガイド用にイヤホンを届けに来た自転車便。約束の時間に遅れがちなのが難点だ

 そこで、ちょっとした移動には、クルマに代わって市内のシェアバイク「BikeMi」が利用されている。オフィス街では、バスに飛び込む人がいるかたわら、シェアバイクで目的地へ向かうビジネスパーソンの姿も多く、渋滞するクルマを横目に走り抜けていった。BikeMiは現在では249ステーションを備え、1000台ほどの電動アシスト自転車も投入されている。

ミラノのドゥオモ前に設置されたシェアバイク「BikeMi」のステーション(写真・柄沢亜希)ミラノのドゥオモ前に設置されたシェアバイク「BikeMi」のステーション(写真・柄沢亜希)

 バイクステーションナンバー「1」のドゥオモを訪れると、ズラリと並んだ自転車の中に、赤い電動アシスト自転車が2台駐輪されていた。さらに自転車本体だけでなく、駐輪スペース下の路面がフルカラーの広告スペースになっていたのは目を引いた。多くの人たちが世界中から訪れる観光都市では、より効果的なアピールとなることだろう。

シェアバイク「BikeMi」で街中を走る男性シェアバイク「BikeMi」で街中を走る男性
ミラノのドゥオモはおよそ500年かけて建設された。窓以外は大理石、ゴシック様式では欧州では2番目に大きいミラノのドゥオモはおよそ500年かけて建設された。窓以外は大理石、ゴシック様式では欧州では2番目に大きい
シェアバイク「BikeMi」の「1番」ステーションはドゥオモ前シェアバイク「BikeMi」の「1番」ステーションはドゥオモ前
フルカラーの路面広告スペースは効果的フルカラーの路面広告スペースは効果的

素材が生きるイタリアングルメ

レモンとピスタチオのジェラートが好みですレモンとピスタチオのジェラートが好みです

 イタリアでいつも思うのだが、ジェラートしかり、パニーニしかり、歩き食べが可能な“ファストフード”が恐ろしくおいしい。今回はそれに加え、各地の名物料理や店の自慢料理もとくと味わうことができた。

 ミラノではカツレツ…と思っていたのだが、事前にすすめられ、今回のツアーでもイチオシだったのは仔牛すね肉の煮込み「オッソブーコ」。サフランのイエローが鮮やかなミラノ風リゾットと共に提供されるのが定番だ。柔らかく煮こまれた肉は思った以上にあっさりとしていてリゾットと完ぺきなコンビネーションだった。

意外にもあっさりとしていたオッソブーコ意外にもあっさりとしていたオッソブーコ
ナスとチーズのミルフィーユ仕立てをサーブする男性ナスとチーズのミルフィーユ仕立てをサーブする男性
おいしすぎるピザ!おいしすぎるピザ!

 郊外の農場などでのどかな環境や新鮮な食を楽しむ観光スタイル「アグリツーリズモ」を提供しているレストランでは、牛生肉が提供された。ナッツとフレッシュな菜っ葉を載せ、オリーブオイルと塩で食べると、雑味がなく甘みすら感じる味に驚かされた。オリーブの肉詰めフライはつまみに最適で、個人的に一番気に入った。

アグリツーリズモのサービスを提供しているレストラン入り口の看板アグリツーリズモのサービスを提供しているレストラン入り口の看板
フレッシュな牛生肉をいただきましたフレッシュな牛生肉をいただきました
オリーブの肉詰めフライはつまみに最適オリーブの肉詰めフライはつまみに最適

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