工具はともだち<73>工具をそろえる時の基本 「よく使うサイズ」のバリエーションを増やそう

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 サイクルロードレースファンの方にはたまらない「ツアー・オブ・ジャパン」。大阪、三重、岐阜、長野、静岡、そして東京と、8日間にわたって熱い戦いが繰り広げられました。私も東京ステージを観戦してきました。自転車初心者の私にとって、ロードレースを間近で見るのは初めての体験で、むちゃくちゃ興奮しました!

多くの種類がある工具。初めて工具を買う時の、選び方のポイントとは?多くの種類がある工具。初めて工具を買う時の、選び方のポイントとは?

 ロードレースでは、レース中のメカトラブル発生は当たり前の世界ですから、乗っている選手はもちろん、それを支えるメカニックの皆さんの腕が勝負の行方を左右することもしばしばあるんだとか。

 プロのメカニックに大切なのは、いつどんな事が起きても迅速に整備する対応力。その中でも、状況に応じた工具の選択や使い分けは整備にかかる時間に大きく影響します。自転車ではありませんが、私がこれまでに見てきたレースメカニックたちも、ほれぼれするような手さばきで工具を選び、整備していました。それはまるで和食の料理人が何種類もの包丁を迷うことなく使い分けるかのようです。

使用頻度の高いものから

 同じようにボルトを回す作業にしても、工具ってたくさん種類がありますよね。どんなものをそろえたらいいのか、使い分けはどうすればいいのか迷う方も多いと思います。そんな皆さんに今回は工具の選び方のポイントをご紹介しますね。

 まず、工具を買うのにセットで買うか単品で買うかという選択に悩むと思います。当然、予算を気にせずに買うのならセットで買えば問題はおおむね解決しますが、そうでない方であれば、やはり必要最小限の物からそろえることをお勧めします。

工具を選ぶときにまず大切なのは、目的をはっきりさせること工具を選ぶときにまず大切なのは、目的をはっきりさせること

 その際の優先順位は、やはり自分の自転車にどんなサイズのどんなねじが使われているかをしっかり知ることです。そして、何をしたいのか、何からしたいのかを明確にすることが大切です。めったに触ることがないねじや、合わないサイズの工具では意味がないですよね。

 さらに、自分でいろいろやりたくても、実際には手を出しにくい箇所もありますから、日ごろの調整用なのか、パーツ交換の作業に使うのかといった、整備箇所と内容をより具体的に思い描ければ、答えは見えたようなものです。あとはその整備の頻度に応じて順番にそろえていけばよいということになります。

「色んなサイズ」より「同じサイズ」

 次に、工具をそろえる時のポイントをもう一つ、それは、工具の種類です。同じサイズ・同じ種類のボルトを回すにしても、スパナだったりめがねレンチだったり、いろんな工具がありますよね。こうした工具を選ぶ際の基本は、良く使うサイズで、できる限りたくさんの種類の工具を持っておくことです。

 多くのサイズをそろえることは一見いいように思えますが、結局よく使うサイズは非常に限られてきます。それならば、1種類の工具でさまざまなサイズに対応できるようにするより、さまざまな種類の工具でひとつのサイズのボルトの締め緩めができる方が、結局便利なことの方が多いのです。

 六角ボルトで例えるなら、L形、L形のロング、ボールポイント、ビットソケットタイプ、ビットソケットのロングやショートという風に、同じサイズで色々なタイプの工具を持っておくのです。そうすると、いろいろな状況に対応することができるようになります。

 次回はもう少し具体的に工具の種類と選び方についてご紹介していきますね。

重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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