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ジロ・デ・イタリア2015 第18ステージジルベールが会心の逃げ切りで今大会2勝目 コンタドールは総合リードを拡大

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 ジロ・デ・イタリア第18ステージは5月28日、メリデからヴェルバーニアまでの170kmで行われ、ラスト20kmを独走したフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)が今大会ステージ2勝目を挙げた。個人総合争いは、首位のマリアローザを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が1級山岳の上りでアタック。ライバルとの差を広げることに成功した。

今大会2勝目を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)今大会2勝目を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)

 前日の第17ステージでスイス入りしたプロトンはこの日、ルガーノ湖のほとりにあるメリーデを出発。西へ進んでイタリアへ再入国し、同国第2の湖であるマッジョーレ湖に沿って湖畔の町ヴェルバーニアを目指す。スタートからしばらくは平坦だが、ラスト46kmからこの日唯一のカテゴリー山岳、1級モンテ・オローニョが登場。最大勾配13%、平均勾配9%の上りが10.4km続く難所だ。ここを上り終えた後も、急坂を含むアップダウンがあり、最後の約20kmはゴールに向かってのダウンヒルとなり、気の抜けないレイアウトだ。

 レースは14選手の逃げ集団が形成されて進行する。ところが、このグループに入ったダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)、ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)の2人が、モトバイクの動きがきっかけで落車。フェラーリは何とかレースに復帰したものの、クネゴは鎖骨を骨折してリタイアを余儀なくされてしまった。

エスケープグループエスケープグループ

 12人となった逃げメンバーのなかで総合最上位は、トップから26分21秒差の15位につけるアマエル・モワナール(フランス、BMCレーシングチーム)。リーダーチームのティンコフ・サクソなど主要チームは、総合成績に大きな影響を及ぼさないと判断し彼らを容認。ゴールまで残り80kmで11分、残り70kmで12分と、タイム差が広がっていった。

 残り50kmとなったところで、ティンコフ・サクソに代わってメーン集団のコントロールを担ったのはエフデジ。総合9位につけるアレクサンドル・ジェニエス(フランス)とモワナールとの総合タイム差が約14分であることから、順位の入れ替わりを阻止するための動きと見られた。1級山岳の上りが近づいてきていることもあり、他チームも好ポジションを確保しようと前方へと顔を覗かせ始める。

 すると、ペースが上がっていたメーン集団内でクラッシュが発生。チーム スカイの選手が5人巻き込まれたほか、数選手が肩や頭を負傷してレース続行が難しい状況となった。そこに総合2位のミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)も含まれ、足止めを食ってライバルたちから大きく後退。アシストを使って追走を図るが、思うようにペースが上がらない。

 一方、メーン集団はティンコフ・サクソがペースメーク。2日前の第16ステージでは、コンタドールがパンクした際にチーム カチューシャとアスタナ プロチームがペースを落とすことなく攻撃を続けたが、この日はその逆ともいえる展開だ。あまりのスピードに集団が崩壊。コンタドールの指示を受けたロマン・クロイツィゲル(チェコ)がマリアローザを牽引し、発射台となると、コンタドールの独走が始まった。

 総合上位陣が含まれるメーン集団は、総合4位のアンドレイ・アマドール(コスタリカ)を擁するモビスター チームが牽引。ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア)がペースを刻む。アシストを失ったランダが単騎で合流を果たしたが、総合3位につけるチームメートのファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)が苦しそうな表情で後方につける。あわや集団から脱落かと思わせるシーンもあったが、タネル・カンゲルト(エストニア)のアシストもあり、何とか食らいついた。

モンテ・オローニョの上りをクリアするアールモンテ・オローニョの上りをクリアするアール

 快調に走るコンタドールは、ペースが落ち着いたことでメーン集団とのタイム差が縮まる場面もあったが、1分前後のタイム差をキープして先を急いだ。単独で追ってきたライダー・ヘシェダル(カナダ、チーム キャノンデール・ガーミン)が山岳ポイントで合流すると、マリアローザを守りたいコンタドールと、総合順位のジャンプアップを図るヘシェダルの利害が一致して協調態勢を築く。さらに、当初逃げグループにいたダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン)がヘシェダルのアシストに加わったことで、後方から追ってくるライバルに対し優位な状況を作り出すことに成功した。

 ひと足先に上りを迎えていた逃げグループは、1人また1人と遅れていった。一度遅れていたジルベールとシルヴァン・シャヴァネル(フランス、イアム サイクリング)が先頭数人に合流したが、勾配の厳しいところで再び遅れ、結果的に4選手が先頭で頂上を通過した。

 ステージ優勝争いは先頭4人に絞られたかに見えたが、ジルベールが下りで猛追。残り20kmとなったところで再合流を果たすと、そのまま集団をパス。アタックを成功させ、独走態勢に入った。ダウンヒルを得意とするジルベールに対し、再三アタックしていたフランチェスコマヌエル・ボンジョルノ(イタリア、バルディアーニ・CSF)や後方から集団へと戻ったシャヴァネルらが追撃を試みるが、ジルベールのチームメートであるアマエル・モワナール(フランス)がすべてをチェックした。

 終盤になってもペースが衰えなかったジルベールは、ラスト4kmで早くも勝利を確信。バイクカメラに向かって笑顔でアピールした。そのまま力強いガッツポーズでフィニッシュラインを通過し、第12ステージに続く今大会2勝目を挙げた。

下りでアタックし、単独でゴールを目指すジルベール下りでアタックし、単独でゴールを目指すジルベール

 レース後のインタビューでジルベールは、「今大会2勝目は本当に満足できるものだ。一緒に逃げたモワナールと素晴らしいレースを組み立てることができた。逃げグループには強力なクライマーがそろっていたので、私はマイペースを心掛けたが、頂上を40秒差で通過したと知り、彼らに追いついて勝負できるだろうと確信した」とコメントした。なお、2位はラスト2kmでカウンターアタックを成功させたボンジョルノ、3位は少人数のスプリントを制したシャヴァネルとなった。

 注目の総合上位陣は、ジルベールから6分5秒差でコンタドールとヘシェダルがフィニッシュへ。ステージ順位はヘシェダルが11位、コンタドールが12位。

 2人から遅れること1分13秒、総合上位陣がそろったメーン集団がフィニッシュへとやってきたが、終盤にコンタドールとヘシェダルとの差を縮められず、総合でのリードを広げられてしまった。

 攻撃的な走りを見せたコンタドールは、「今日のシナリオはモルティローロ(第16ステージでトップを単独追走した山岳)とは異なるものだった。上りに入るまでに好ポジションを確保する必要があり、トラブルを避けるためにエネルギーを消費していた。結果として、ランダが後方へと取り残されてしまった。まずは総合タイム差を広げられたことを喜びたい。レース後半の上りは、まるで個人タイムトライアルのようだった。正直疲れたし、毎日がハードだ。明日のことは明日にならなければ分からない」とコメントした。

 このステージを終えてコンタドールと総合2位のランダとの差は5分15秒となり、好走したヘシェダルは総合9位へと浮上した。そのほか、ポイント賞と山岳賞には大きな変化は起こっていない。

 今大会も残すは3ステージ。29日に行われる第19ステージは、グラヴェッローナ・トーチェからチェルビナイアまでの236kmで争われる。終盤に3つの1級山岳が待ち受け、いずれも最大勾配12~13%という急坂だ。総合上位をかけた戦いはもちろんのこと、山岳賞争いも楽しみな一日となる。

文 福光俊介・写真 砂田弓弦

第18ステージ結果
1 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム) 4時間04分14秒
2 フランチェスコマヌエル・ボンジョルノ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +47秒
3 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、イアム サイクリング) +1分01秒
4 マッテーオ・ブザート(イタリア、サウスイースト)
5 アマエル・モワナール(フランス、BMC レーシングチーム)
6 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ)
7 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
8 カンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、チーム スカイ)
9 チャド・ハガ(アメリカ、チーム ジャイアント・アルペシン) +2分42秒
10 ピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +3分55秒
152 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) +22分51秒

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 72時間23分09秒
2 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +5分15秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +6分05秒
4 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +7分01秒
5 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、チーム カチューシャ) +9分40秒
6 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +10分44秒
7 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +11分05秒
8 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +12分53秒
9 ライダー・ヘシェダル(カナダ、チーム キャノンデール・ガーミン) +13分01秒
10 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、エフデジ) +14分01秒
113 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +3時間33分47秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 159pts
2 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ) 142pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 134pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 92pts
2 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 91pts
3 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) 73pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 72時間29分14秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +50分56秒
3 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +1時間41分15秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 216時間50分51秒
2 BMC レーシングチーム +20分13秒
3 モビスター チーム +32分24秒

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