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ジロ・デ・イタリア2015 第15ステージ好調ランダが山頂ゴールを制してグランツール初勝利 コンタドールはマリアローザ堅守

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 ジロ・デ・イタリア第15ステージは5月25日、マロースティカからマドンナ・ディ・カンピーリョに至る165kmで行われ、ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)が山頂ゴールを制してジロ初勝利を飾った。総合成績ではアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がこの日5秒差の3位で終え、総合首位とその証であるマリアローザを堅守している。

今大会好調のミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)が山頂ゴールを制してジロ初勝利を飾った今大会好調のミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)が山頂ゴールを制してジロ初勝利を飾った

 個人タイムトライアルの翌日、休息日の前日となるこの日は、第2週のフィナーレにふさわしい山岳決戦の一日。スタート直後から上り基調で、56km地点で最初の2級山岳ラ・フリッカを越えたあと、小さな丘をこなしつつ後半へ。134km地点の1級山岳ダオーネ峠は急勾配の上り下りで、そのあとすぐに最後の1級山岳マドンナ・ディ・カンピーリョの上り口に入る。平均勾配は緩めだが、途中に12%の急勾配があり、山頂ゴールのためタイム差がつきやすいステージだ。

 4日間雨が降り続いてきたジロは、久々に好天のもとでスタート。序盤は逃げを狙うアタックと吸収が繰り返され、50kmを過ぎて最初の山岳ポイントを前にジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム)、ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)、イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)がメーン集団から数十秒先行した。

 ラ・フリッカの山岳ポイントは、青い山岳賞ジャージを着るインチャウスティが先頭で通過。ここからの長い下りでは、後方から先頭グループへ合流を試みる動きが数度にわたって起こり、下りを終えた時点で先頭は10人に膨らんだ。

マリアローザを守ったコンタドールマリアローザを守ったコンタドール

 逃げはメーン集団と3分まで差を拡大。ここに総合優勝争いのティンコフ・サクソとアスタナ プロチームのアシスト選手が1人ずつ入り、ともに先頭での牽引に加わらなかったことから、ヴィスコンティがアタックを仕掛けて集団を分断。結局4人の逃げとなった。中間スプリントを経て、レースはダオーネ峠の上り口へと近づいていく。

 平均勾配9%で8kmを上る急勾配のダオーネ峠。メーン集団はティンコフ・サクソのアシストが先導する形で上りに突入し、早くもリッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ)が遅れる姿が見られた。途中からアスタナのアシストが集団先頭に出てペースアップすると、今度はティンコフ・サクソのアシストが次々と脱落し、リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)ら総合上位につける選手も遅れ始めた。

 山頂は逃げグループのヴィスコンティが先頭通過するが、メーン集団との差は1分半にまで縮まった。上り同様に急勾配のダウンヒルを終えると、すぐに最後の上りへと突入。メーン集団はアスタナが4人のアシスト選手を残すのに対し、ティンコフ・サクソはアシストがいなくなり、コンタドールは丸裸の状態だ。

 逃げていた選手は徐々に力尽き、上りに入って最後まで逃げていたユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)も吸収される。メーン集団はすでに20人以下だ。延々と続くアスタナの攻撃により、ここからさらに人数が絞られていく。

 アシストに守られるアスタナのエース、ファビオ・アール(イタリア)だが、残り10kmを前に、アタックを警戒してか、アシストと自分との間にコンタドールを挟む位置取りとなる。チームの動きが強力な一方で、アール本人は本調子でないのか、やや消極的にもみえる走りだ。

 レースは残り3kmとなり、最終アシストのランダがアタックすると、これに反応できたのはコンタドール、アール、ユーリ・トロフィモフ(ロシア、チーム カチューシャ)のわずか3選手だった。しかしアールはコンタドールから離れ気味で、ランダは後ろを見ながらペースを緩めてアールを待つことに。今度はコンタドールがアタックをかけるが、これはランダがチェックに入る。

 追いついたアールもアタックを見せるが切れ味に乏しい。トロフィモフが遅れ、今度はランダがアタック。コンタドールは反応するが、アールが遅れ気味になり、ランダは脚を緩める。残り1.5kmで、先頭3人は激しい駆け引きを繰り広げた。

 この3人の牽制の間隙をついて、遅れていたトロフィモフが追いつきざまにカウンターアタック。わずかに抜け出して、残り1kmを先頭で通過する。しばらく牽制していた3人だが、ランダが勢いよくアタックすると、コンタドールはアールが反応できないことを確認して、自らも追走の動きを打ち切った。

無事第2週目のレースを走り終えた別府史之(トレック ファクトリーレーシング)無事第2週目のレースを走り終えた別府史之(トレック ファクトリーレーシング)

 ランダはすぐにトロフィモフを追い抜き、そのままの勢いでゴールを駆け抜けた。今大会は第8ステージでも2位に入るなど好調ぶりを見せていたが、ついに待望のグランツール初勝利を飾った。2位はトロフィモフが入り、3位にはコンタドールが、アールに1秒差をつけてゴールした。

 激しい山岳バトルにより、この日も大きなタイム差がついた。総合3位までの順位は変わらないが、4位以下は大きく動き、この日上位でゴールしたランダ、レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ)、トロフィモフが、それぞれ4位、5位、6位に浮上。前日の個人タイムトライアルで総合4位に浮上していたウランが再び大きく遅れ、12分15秒遅れの15位に転落している。

 日本の別府史之(トレック ファクトリーレーシング)は17分17秒遅れの集団でゴール。余力を残しつつも比較的前方のグループで終えており、第3週に向けて好調ぶりをうかがわせている。

 ジロは第2週目のレースを終え、2度目の休息日を迎える。1日おいて第16ステージは5月26日、ピンツォーロからアプリーカへの174kmで争われる。5つの山岳ポイントが設けられ、4つ目のモルティローロ峠は11.4kmで平均10.5%、最大22%という急勾配だ。最後は3級山岳アプリカの山頂ゴール。疲労により山岳で勝負できなくなった選手には、総合成績で決定的なダメージが与えられることだろう。

文 米山一輝・写真 砂田弓弦

第15ステージ結果
1 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) 4時間22分35秒
2 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、チーム カチューシャ) +2秒
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +5秒
4 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +6秒
5 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +38秒
6 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +42秒
7 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +1分00秒
8 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +1分10秒
9 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、エフデジ) +1分49秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +2分13秒
66 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) +17分17秒

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 60時間01分34秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +2分35秒
3 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +4分19秒
4 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +4分46秒
5 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +6分36秒
6 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、チーム カチューシャ) +6分58秒
7 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +7分10秒
8 マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル) +8分20秒
9 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +9分53秒
10 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、エフデジ) +10分03秒
113 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +2時間38分44秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 119pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 119pts
3 ニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF) 109pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 85pts
2 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) 54pts
3 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 53pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 60時間04分09秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +14分31秒
3 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +1時間07分49秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 179時間30分47秒
2 モビスター チーム +19分05秒
3 チーム スカイ +19分26秒

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