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ツアー・オブ・ジャパン2015 第6ステージ(伊豆)ランプレ・メリダのコンティが独走勝利 ポルセイェディゴラコールは総合2連覇に王手

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 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)の第6ステージ(伊豆ステージ)が5月23日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンター内特設周回コースで行われ、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)が最終周回を独走して優勝を飾った。個人総合首位でグリーンジャージを着用するミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ ペトロケミカルチーム)はライバルたちに対してリードを守りきり、昨年に続き総合優勝に王手をかけた。

最終周回にアタックを決め、ステージ優勝を飾ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)最終周回にアタックを決め、ステージ優勝を飾ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)

強力な選手が次々加わった逃げ集団

スタート前の選手たちスタート前の選手たち

 このステージは日本サイクルスポーツセンター内に特設された1周12.2kmの周回コースで争われた。上り下りを繰り返す過酷なレイアウトで、昨年は半数以上の選手が周回遅れなどでリタイアとなった難コースだ。今年は昨年から2周減って10周回122kmで行われたが、それでも多くの選手たちが「今日は厳しいレースになる」と口をそろえた。翌日の最終・東京ステージはタイム差がつきにくい平坦ステージのため、実質的にはこの伊豆ステージで総合優勝争いがほぼ決着する。

 1周目から6人が逃げることに成功した。ブリヂストンアンカー サイクリングチームは寺崎武郎と内間康平の2人が送り込み、総合2位につけるラヒーム・エマミ(イラン)の逆転総合優勝を狙うピシュガマン ジャイアントチームからは、富士山ステージ4位のラミン・メフラバニアザル(イラン)が入った。メーン集団はタブリーズ ペトロケミカルが先頭を牽引して、タイム差が1分程度に収まるようにペースをコントロールした。

1周目に逃げた6人が山岳ポイントを通過1周目に逃げた6人が山岳ポイントを通過
伊豆ベロドローム前を通過する選手たち伊豆ベロドローム前を通過する選手たち
タブリーズ ペトロケミカルチームが牽引するメーン集団タブリーズ ペトロケミカルチームが牽引するメーン集団

 逃げとのタイム差があまり開かないため、2周目にはメーン集団から次々とブリッジがかかった。山岳に強いベンジャミン・ディボール(オーストラリア)や、ピシュガマン ジャイアントからはさらにアルヴィン・モアゼミ(イラン)も逃げ集団に加わった。追走した選手が合流するとともに、脱落する選手がいたため逃げ集団は10人になり、周回を重ねていく。

 5周目に入ると、メーン集団からアミール・ザルガリ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム)、ディディエール・チャパッロ(コロンビア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、チームUKYO)という強力な3人が飛び出し、逃げグループを追った。ザルガリは個人総合成績が首位から50秒遅れの4位、チャパッロは1分41秒遅れで同7位。リーダーチームのタブリーズ ペトロケミカルとしては、ポルセイェディゴラコールの総合首位を守るうえで逃がしてはならないメンバーだ。

ホセビセンテ・トリビオらを含む強力な逃げ集団ホセビセンテ・トリビオらを含む強力な逃げ集団
タブリーズ ペトロケミカルが逃げ集団を追うタブリーズ ペトロケミカルが逃げ集団を追う

総合1位、2位が直接対決

 この3人が逃げグループに合流すると、そこから次々と選手がちぎれ始めた。メンバーは6周目の段階で、ピシュガマン ジャイアント勢の3人、寺崎、ディボール、チャパッロ、トリビオの計7人。ここでザルガリがバーチャルリーダー(個人総合成績の暫定首位)に浮上した。タブリーズ ペトロケミカルは、逃げるザルガリと、メーン集団内にいる総合首位のエマミの両方をマークしなければならない苦しい展開だ。

9周目の終盤、上りで勝負を仕掛けるエマミ(右)とチェックするポルセイェディゴラコール9周目の終盤、上りで勝負を仕掛けるエマミ(右)とチェックするポルセイェディゴラコール

 しかし、先頭を引いていたメフラバニアザルが7周、モアゼミが8周目に脱落。逃げグループはピシュガマン ジャイアント勢の牽引力がなくなったためペースが落ち、9周目には逃げとメーン集団とのタイム差が縮まり始めた、タブリーズ ペトロケミカルは追走のためにアシストを使い果たしており、逆転を狙うエマミと守るポルセイェディゴラコールの直接対決の時がやってきた。

 このタイミングでコンティが勝負に出た。9周目の終盤、上りでバトルを繰り広げるエマミとポルセイェディゴラコールを尻目にアタック。逃げ集団に追いつくと、チャパッロとトリビオを引き連れて逃げ切りを狙った。一度はメーン集団に吸収されたものの、コンティは諦めずに再びアタック。独走でタイム差を広げると、そのままポルセイェディゴラコールらの追走を振り切った。ゴールへと続く最後の上りで勝利を確信すると、喜びを噛みしめるようなガッツポーズでステージ優勝を飾った。

アタックを仕掛けたヴァレリオ・コンティアタックを仕掛けたヴァレリオ・コンティ

 2位にはコンティのチームメートであるルカ・ピベルニク、3位にはブリヂストンアンカー サイクリングチームのトマ・ルバ(フランス)が入った。コンティから9秒遅れでゴールしたポルセイェディゴラコールは14秒遅れのエマミとの差を広げ、リーダージャージを死守した。

コンティ「ラスト1周は全力で」

 ランプレ・メリダに今大会初勝利をもたらしたコンティは、レース後の記者会見で「イランの2チームが激しく動いていたのでラスト3、4周目まで速いペースだった。そのあと膠着状態になっていたのでアタックした。一緒にメーン集団に残っていたピベルニクとは、ラスト1周は全力でいこうと話していて、それが報われた」と勝因を語った。

 総合2連覇に向けて大きく前進したポルセイェディゴラコールは「選手生活のなかで一番大変な日だった。最後はチームメートが脱落して自力での戦いになったけれど、声援のおかげで最後までがんばれました」と会場のファンたちへの感謝を述べた。

記者会見に出席したコンティ(右)とポルセイェディゴラコール記者会見に出席したコンティ(右)とポルセイェディゴラコール
総合首位の座を固めたポルセイェディゴラコール総合首位の座を固めたポルセイェディゴラコール

 会見には26秒遅れで日本人最高の14位に入った初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)と、1周目から9周目まで逃げ続けた寺崎も出席した。 初山は「団体総合も視野に入れていたので、いいタイムを残せるよう意識していた。実際、ルバとダミアン・モニエがトップ10に入り、自分も先頭集団でゴールできた」と語り、チーム成績に貢献できたことをアピールした。

作戦通りに逃げる寺崎武郎(左)と内間康平作戦通りに逃げる寺崎武郎(左)と内間康平

 寺崎は、当初から内間とともに逃げる作戦だったことを明かし、「全力を出せたので悔いはないが、最後まで他チームの選手たちにプレッシャーをかけられればよかった」と振り返った。

 これに対して初山は「自分が日本人最上位だったということよりも、もう少しで勝てるチャンスのあった寺崎選手の走りと、ルバが3位に入ったことは満足できる結果だったと思う」とチームの活躍に胸を張った。

◇         ◇

 24日に行われる最終・第7ステージ(東京)は、東京・日比谷をスタートし、大井埠頭周回コースを14周する112.7km。集団スプリントになるケースの多いステージだ。厳しい山岳コースを乗り越えたスプリンターたちが勝利を狙ってくるだろう。今大会はまだステージ優勝のない日本人選手たちにとっても、一矢を報いる最後のチャンスとなる。

(文 平澤尚威・写真 平澤尚威、福光俊介)

第6ステージ(伊豆)結果
1 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ) 3時間26分58秒
2 ルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ) +5秒
3 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)
4 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング)
5 トーマス・デイヴィソン(ニュージーランド、アヴァンティ レーシングチーム)
6 ディディエール・チャパッロ(コロンビア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +9秒
8 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ ペトロケミカルチーム)
9 ホセイン・アスカリ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム) +11秒
10 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)

個人総合
1 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ ペトロケミカルチーム) 14時間39秒
2 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム) +24秒
3 ホセイン・アスカリ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム) +52秒
4 アミール・ザルガリ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム) +53秒
5 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) +1分2秒
6 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +1分18秒
7 ディディエール・チャパッロ(コロンビア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1分37秒
8 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +1分55秒
9 ガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズ ペトロケミカルチーム) +2分36秒
10 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ) +2分38秒

ポイント賞
1 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ) 54pts
2 ルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ) 53pts
3 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) 47pts

山岳賞
1 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム) 25pts
2 フェン・チュンカイ(台湾、ランプレ・メリダ) 14pts
3 アミール・ザルガリ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム) 14pts

新人賞
1 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ) 14時間3分17秒
2 トーマス・デイヴィソン(ニュージーランド、アヴァンティ レーシングチーム) +7秒
3 ルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ) +1分21秒

チーム総合
1 ピシュガマン ジャイアントチーム 42時間3分59秒
2 ブリヂストンアンカー サイクリングチーム +8分11秒
3 アヴァンティ レーシングチーム +11分

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