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ジロ・デ・イタリア2015 第13ステージモドロが万全スプリントで勝利 残り3km目前の集団落車で波乱、アールが総合首位浮上

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 ジロ・デ・イタリア第13ステージは5月22日、モンテッキオ・マジョーレからイェーゾロまでの147kmで争われ、サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が集団スプリントを制し、グランツール初勝利を挙げた。一方、ラスト3kmを目前にして落車が発生し、集団が大きく分断。これに巻き込まれて一時ストップした総合首位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がタイムを失い、代わってファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)が総合首位に浮上した。

万全のスプリントを決めたサーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)がグランツール初優勝。後ろでチームメートのリケーゼが手を挙げる万全のスプリントを決めたサーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)がグランツール初優勝。後ろでチームメートのリケーゼが手を挙げる

 今年のジロで勝負のカギを握るとされる個人タイムトライアルを翌日に控え、この日の第13ステージは距離の短い完全平坦コースで争われた。スプリンターが活躍できるステージである一方、個人総合上位陣にとっては翌日に備えての半休息日的なステージとなる計らいだ。しかし3日連続の雨にたたられたジロは、この日のゴール直前に大波乱を用意していた。

 レースはスタート直後からのアタック合戦で、3人が抜け出すことに成功。ジェローム・ピノー(フランス、イアム サイクリング)、リック・ツァベル(ドイツ、BMC レーシングチーム)、マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカットリ)が、まずメーン集団に2分ほどの差をつけた。

逃げを試みるジェローム・ピノー(フランス、イアム サイクリング)。ジロでは逃げ切り優勝の経験もある逃げを試みるジェローム・ピノー(フランス、イアム サイクリング)。ジロでは逃げ切り優勝の経験もある

 集団もスプリンターを抱えるチームが、早々にコントロールを開始。3日前、この日と同じくスプリンターステージと目された第10ステージでは、追い込みに失敗して逃げ切りを許してしまった。同じ失敗は繰り返さないとばかりに、逃げに大きなリードを許さず、タイム差は終始1分台に収められた。

 途中、2カ所の中間スプリントは、それぞれフラッポルティとツァベルが先頭で通過。メーン集団の先頭にもポイントが付くため、スプリントが行われたが、それ以外は淡々とレースは進む。逃げとメーン集団の差も、徐々に縮められていった。

 ラスト20km近くになり、逃げとのタイム差が30秒を切ってからは、リーダーチームのティンコフ・サクソがメーン集団の先頭を固めてコントロールを開始。逃げの3人はゴールまで17kmを残して吸収され、しばらくはそのままティンコフ・サクソが集団のペースを維持した。雨はほぼ止んでいるものの、路面はまだ濡れた状態だ。

 残り10kmを切ると、徐々にスプリンターチームの位置取り争いが激しくなってくる。ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)での勝利を目指すトレック ファクトリーレーシングが集団先頭に立ってペースを上げ、徐々に最終局面へ向けて緊張感が高まるなか、残り3.3kmで大きなトラブルが発生した。

 小さなカーブでわずかに行き場を失った選手が集団前方で落車。路肩付近で起きたこの落車は最終的に道路の幅一杯にまで広がり、後続選手のほとんどが影響を受けることになった。総合首位のコンタドールも巻き込まれ、チームメートの自転車を借りて再スタートを切った。

 分断され30人ほどになってしまった先頭では、残り2kmからランプレ・メリダが先頭に立ち、2人のアシストがモドロを先導する。ロベルト・フェラーリ(イタリア)が残り400mまでを高速で先頭を引き続け、最後の直線に入ってからはマクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)が一気に加速。ここから発射されたモドロが、ニッツォーロの追い込みをかわして先頭でゴールした。ランプレ・メリダは第5ステージのポランツェ、第7ステージのウリッシに続き、今大会ステージ3勝目だ。

 総合勢にとっては大波乱の一日となった。ラスト3kmからゴールまでの間に起きたトラブルについては、個人総合成績でタイム差をつけない救済措置がとられるが、この日の集団落車は奇しくもそのラスト3kmを目前にして起こった。スプリントの直後でゴールすることに成功したファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)に対し、コンタドールは必死の形相で先頭から40秒差でゴール。リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ)に至っては、2分8秒も遅れてしまった。

マリアローザに袖を通したアールマリアローザに袖を通したアール

 この結果、アールが個人総合でコンタドールを逆転。ついに首位へと浮上し、その証であるマリアローザに袖を通した。コンタドールは19秒差の2位へと後退。今大会アクシデント続きのポートは、首位のアールと5分5秒差の17位で、総合優勝は絶望的な状況となった。

 翌第14ステージは、トレビーゾからバルドッビャデネへ至る59.4kmで個人タイムトライアルが行われる。距離が長く、2つの丘越えを含むことから、大きなタイム差がつくことも予想される。総合上位を狙う選手たちにとっては、失敗の許されない、非常に重要なステージとなる。

文 米山一輝・写真 砂田弓弦

第13ステージ結果
1 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ) 3時間03分08秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ)
4 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、チーム カチューシャ)
5 エドワルドマイカル・グロス(ルーマニア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
6 マクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
7 モレノ・ホフラント(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)
8 ニコーラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
9 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、チーム ジャイアント・アルペシン)
10 ハインリッヒ・ハウスラー(オーストラリア、イアム サイクリング)
22 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) +4秒

個人総合(マリアローザ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 54時間20分35秒
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +19秒
3 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +1分14秒
4 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +1分38秒
5 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分49秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +2分02秒
7 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +2分12秒
8 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +2分21秒
9 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +2分40秒
10 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、チーム カチューシャ) +3分15秒
133 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +2時間15分20秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 119pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 119pts
3 ニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF) 109pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 61pts
2 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 53pts
3 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 46pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 54時間20分35秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +3分59秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +43分35秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 162時間23分40秒
2 BMC レーシングチーム +6分14秒
3 モビスター チーム +7分14秒

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