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ジロ・デ・イタリア2015 第12ステージジルベールが上りスプリントで会心の勝利 コンタドールは総合争いのリードを広げる

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 ジロ・デ・イタリア第12ステージが5月21日、イモラからビチェンツァまで190kmのコースで開かれ、ラスト1kmからの上りゴールをフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)が制した。個人総合首位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)は総合争いのライバルたちを引き離して2位でゴール。ボーナスタイムも獲得してリードを広げた。

激しい雨のなかステージ優勝をあげたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)激しい雨のなかステージ優勝をあげたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)

 プロトンはイタリア東部を北上し、カンパニョーロの本拠地として知られ美しい街並みが世界遺産に登録されているヴィチェンツァを目指す。130km地点までほぼ平坦だが、後半に山岳ポイントやアップダウンが用意されている。3級山岳クロッサラは、登坂距離こそ3.5km程度だが、最大勾配は13%に及ぶ厳しい上りだ。さらにラスト1.2kmから、平均勾配7%の4級山岳モンテベリコの頂上へとゴールするパンチャー向けのレイアウトだ。

70km過ぎから逃げた5人の選手たち70km過ぎから逃げた5人の選手たち

 レース序盤はアタック合戦になるも逃げが決まらず、激しい向かい風の吹くなか、最初の1時間の平均時速が52.2kmというハイペースの展開となった。スタートから70kmを過ぎるとようやく5人の逃げ集団が形成された。メーン集団はサイモン・ゲランス(オーストラリア)での勝利を狙うオリカ・グリーンエッジが中心になって牽引し、2分前後のタイム差をキープ。晴れていた天候は、次第に雨模様に変わっていった。

 ようやく決まった逃げ集団も、この日最初の山岳ポイントに差し掛かるとメーン集団が吸収。残り54.5km地点の4級山岳を、山岳賞争い2位のシモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)が先頭で通過した。残り27km地点の3級山岳クロッサラでは、山岳賞リーダーのベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)がポイントを多く獲得し、山岳賞争いでリードを広げた。

レース中盤、集団の前方に位置する別府史之(左から2人目)レース中盤、集団の前方に位置する別府史之(左から2人目)

 このクロッサラの下りは、道幅が狭いうえに勾配がある危険な坂だった。しかも雨で濡れていたためバランスを崩す選手や、オーバーランする選手たちが続出。ステージ優勝を狙うゲランスはコーナーで落車し、大きく遅れてしまった。コンタドール、ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)ら総合上位陣の脱落はないものの、ここでメーン集団は40人ほどまで絞られた。

 残り13km、今大会では積極的な逃げを見せているフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ)がメーン集団から飛び出した。15秒ほどリードしながら独走を続けていると、残り6kmでタネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム)が合流。協調体制でペースが上げつつ逃げ切りを狙った。メーン集団はBMCが前方に人数を集め、ジルベールを牽引しての追撃態勢を整えた。

 最後の上りモンテベリコに入ると、ペッリツォッティが失速し、カンゲルトが単独で先頭に立った。急勾配の区間を耐えるように上っていくが、後方から猛然と追い上げてきたのはジルベール。集団前方につけていたコンタドールやディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)らを引き離し、カンゲルトもパスすると、あとはゴールに向かって踏み続けるだけ。世界屈指のパンチャーであるジルベールが、得意のクラシックレースでこれまでに見せてきたようなパワフルなラストスパートで、雨中の激闘を制した。チームの期待に応えてつかんだジロ通算2度目のステージ優勝、そしてうれしい今季初勝利だ。

総合争いのライバルからリードを奪ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)総合争いのライバルからリードを奪ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

 ジルベールには離されたものの、コンタドールが3秒遅れの2位でゴールし6秒のボーナスタイムを獲得した。総合優勝を争うライバルたちは、リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)やリッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ)がコンタドールから3秒遅れ、総合2位のアールは8秒遅れとなり、コンタドールとアールの総合タイム差は3秒から17秒に広がった。

 翌22日の第13ステージはモンテッキオ・マッジョーレからイェーゾロまでの153kmで争われる。アップダウンがほとんどない平坦なコースで、ピュアスプリンターたちが待ち望んだスプリントステージだ。第14ステージのタイムトライアルで好成績を狙う選手にとっては、いかに体を休めることができるかもポイントとなる。

文 平澤尚威・写真 砂田弓弦

第12ステージ結果
1 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム) 4時間22分50秒
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +3秒
3 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)
5 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ プロチーム)
7 イオン・イサギレ(スペイン、モビスター チーム) +6秒
8 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
9 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ソウダル)
10 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)
80 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) +10分33秒

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 51時間17分6秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +17秒
3 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +55秒
4 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分30秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +1分55秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +2分19秒
7 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +2分21秒
8 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +2分29秒
9 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +2分38秒
10 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +2分44秒
136 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +2時間15分37秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 ニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF) 102pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 89pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 85pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 61pts
2 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 53pts
3 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 46pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 51時間17分23秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +2分53秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +40分52秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 153時間12分52秒
2 BMC レーシングチーム +6分14秒
3 チーム スカイ +6分39秒

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