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競技だけにとどまらないビッグレースの魅力見て、感じて、食べて! 楽しさ満載のTOJ南信州ステージを沿道から徹底レポート

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 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は21日に長野県飯田市などで開かれた南信州ステージで、前半の4ステージが終了し、いよいよ後半戦に突入する。公式発表による各ステージの来場者数は昨年より増加しており、大会の注目度が高まっていることを感じさせる。筆者は、大会の花形ステージとして定着している南信州ステージで、沿道の観衆の盛り上がりを徹底取材。晴れがましい日の丸の旗を振って声援を送る子供たちや、焼肉を片手にレースを見守る大人たちに密着し、飯田スタイルの観戦法をお伝えします。 (レポート 福光俊介)

スタート直前、記者のカメラに向かって応援の練習!?をする園児たちスタート直前、記者のカメラに向かって応援の練習!?をする園児たち

ポスターやレース写真で応援の予習

スタートまで1時間を切ると、飯田駅前に選手・関係者、ファンが徐々に集まってきたスタートまで1時間を切ると、飯田駅前に選手・関係者、ファンが徐々に集まってきた

 午前9時15分のレース開始が近づくにつれ、スタート地点の飯田駅前にはたくさんの人が集まってきた。やがて、選手や関係者、ファンで賑わう駅前広場にかわいい応援団の姿が現れた。

 飯田駅から数分の場所にある市立丸山保育園は、TOJ応援が恒例行事だ。昨年までは5歳児クラスのみが対象だったが、今年からは3歳児、4歳児のクラスも応援に参加。この日に向けた準備として、大会ポスターやレース写真を園児たちに見せて、「TOJのすごさ」「選手たちのカッコよさ」を予習してきたのだとか。

 スタート直前には、日本ナショナルチームの選手たちと記念撮影。選手、子供たちともに良い思い出が生まれる和やかなひとときとなった。

日本ナショナルチームの選手たちと記念撮影に収まる丸山保育園3歳児クラスの園児たち日本ナショナルチームの選手たちと記念撮影に収まる丸山保育園3歳児クラスの園児たち
地元の小学生や園児たちが選手のスタートを見送った地元の小学生や園児たちが選手のスタートを見送った

 地元の小学生も沿道に立ちスタートする選手たちを見送った。各国の国旗を振り、声を張り上げて全力応援。選手のルックスやチラリと見せた笑顔に惹きこまれる児童の姿も見られた。

南信州ステージには欠かせない山頂の「焼肉ポイント」

南信州ステージ名物の「焼肉ポイント」は大賑わい南信州ステージ名物の「焼肉ポイント」は大賑わい

 周回コース内、山岳賞ポイントを過ぎたところには、南信州ステージ名物の「焼肉ポイント」が設置された。

 飯田市は、人口あたりの焼肉店舗数が全国有数の街。ブランド牛として名高い「南信州牛」をはじめ、豚やマトン、さらには鹿・猪・熊などの「ジビエ料理」も豊富だ。地元グルメを堪能しつつレースを観戦しようという思いが「焼肉ポイント」には込められている。

静岡県から2年連続で観戦に訪れた青山繭子さん。いわく、南信州ステージの魅力は「肉!」だとか静岡県から2年連続で観戦に訪れた青山繭子さん。いわく、南信州ステージの魅力は「肉!」だとか

 「TOJの魅力は肉!」と言って笑うのは、静岡県掛川市からやってきた青山繭子さん。実は人気ブロガーでもあり、アメーバブログ「繭のほぼチャリ日記」は自転車ジャンルでランキング上位の常連。1日のアクセス数は平均8000件に上るそうだ。

「ブログやSNS用に」と筆者を逆取材する青山繭子さん「ブログやSNS用に」と筆者を逆取材する青山繭子さん

 「ブログやSNS用に!」と筆者の姿を写真に収め始めた青山さん。筆者はCyclistの取材を後回しにして彼女からの逆取材に応じてしまった(笑)。ブログ人気の高まりとともに、ライドイベント参加のオファーも増えているといい、ロングライドに励む日々を過ごしている青山さん。多い月で総走行距離が1200kmを超えるという健脚の持ち主でもある。TOJ観戦は昨年に続いて2回目で、レースについては勉強中という。

「焼肉ポイント」をお目当てにレース観戦に訪れるファンも多い「焼肉ポイント」をお目当てにレース観戦に訪れるファンも多い

 一方で、筆者のCyclistにおける連載名を挙げ、「週刊サイクルワールド(毎週水曜連載)を見ています!」と駆け寄ってきてくれたのは、飯田市に本拠地を構えるチーム「ボンシャンス」に所属する齋藤翼選手。ボンシャンスといえば、飯田出身の元プロロードレーサー、福島晋一氏が2002年に設立し、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)ら多くの選手をプロに送り込んだ育成チームだ。2006年に飯田市へ本拠を移し、現在に至っている。

世界を目指す2人のライダー、増田弘誠選手(左)と齋藤翼選手世界を目指す2人のライダー、増田弘誠選手(左)と齋藤翼選手

 齋藤選手も将来のトッププロを目指す“金の卵”の1人。今年はスペインなどヨーロッパでの活動も視野に入れているという。好きな選手は、マルティン・エルミガー(スイス、イアム サイクリング)。そんな彼が語るTOJの魅力は、「国内外の選手たちのさまざまな思惑や葛藤が入り乱れる戦いを間近で見られること」。そして「完全アウェーである海外有力選手に対抗しようと、彼らに挑む日本人選手たち。その構図こそがTOJの姿」とも。

 また、一緒に戦況を見つめていたチームメートの増田弘誠(ひろなが)選手は、「日本各地をめぐり、風土や人々とのふれあいが楽しめるところがステージレースならでは」と語った。

 22歳の齋藤選手と18歳の増田選手。レースへ向けた熱い視線の先には、TOJで戦う自身の将来像を思い浮かべていたのかもしれない。

ツアー・オブ・ジャパンが大好き

 ゴール地点脇の松尾総合運動場にも、早くから地元の人たちを中心に大勢の観客が詰め掛けた。会場には特設モニターへ飯田ケーブルテレビによる中継が映し出され、またいいだFMによる実況がスピーカーから流された。

「ツアー・オブ・ジャパンというレースが大好き」と話す寺澤さん親子「ツアー・オブ・ジャパンというレースが大好き」と話す寺澤さん親子

 地元・飯田市在住の寺澤さんは、2歳の愛息と一緒に沿道へ。まず登坂区間で応援したのち、車でゴール地点へ移ったそうだ。レース中はコース周辺の道路が通行止めとなるが、“地の利”を生かして効率よく移動した様子。昨年に続く親子での観戦は、「早くから街を挙げて南信州ステージの開催をPRしていた。自然と“今年も見に行こう”と思えるような雰囲気があった」という。そして「息子が見に行きたいと言ったことも大きかった」とも。

 「ツアー・オブ・ジャパンが大好き。町おこしにもなっているし、何より見ていて楽しい」と話す寺澤さん。この日は23選手の小集団スプリントで勝敗が決したが、昨年のマッチスプリントとは違った、フィニッシュライン直前の攻防にきっと興奮したことだろう。

ゴール地点の松尾総合運動場で選手たちの帰りを待つファン。特設モニターで戦況を見守ったゴール地点の松尾総合運動場で選手たちの帰りを待つファン。特設モニターで戦況を見守った
表彰式では、ステージ優勝者や個人総合リーダーによるシャンパン(シードル)ファイトが行われた表彰式では、ステージ優勝者や個人総合リーダーによるシャンパン(シードル)ファイトが行われた

 もちろん、街を挙げてレースを盛り上げる催しや、ファンへの厚いおもてなし提供は、南信州ステージに限ったものではない。TOJではステージごとに、ご当地の風土や文化、特産品などを満喫できるさまざまな取り組みが行われ、人々を魅了している。ぜひ大会に足を運び、沿道に立って応援し、会場内の出展ブースをのぞいてみてほしい。そこには、レースの結果や内容だけにはとどまらない、ツアー・オブ・ジャパンの熱く美しき魅力があなたを待ち受けている。

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TOJ2015・サイドレポート ツアー・オブ・ジャパン2015

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