title banner

ジロ・デ・イタリア2015 第11ステージサーキットのゴールに独走で飛び込んだザカリン ロシアの新星がグランツール初勝利

  • 一覧

 ジロ・デ・イタリア第11ステージは5月20日、フォルリからイモラまでの153kmで行われ、強い雨が降るなか、残り23kmで逃げ集団から飛び出したイルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)が独走でステージ優勝を飾った。総合上位に変動はなくアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が首位を守っている。

グランツールで初めてのステージ優勝を果たしたイルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)グランツールで初めてのステージ優勝を果たしたイルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)

 このステージは後半、F1のサンマリノGPで知られるイモラサーキットを含む16.9kmの周回コースを4周する。周回には登坂距離4.4km、平均4.1%、最大勾配10%の丘、トレンティがあり、周回コースに入る前にも3級山岳が2つ設定されている。アップダウンが多く、逃げ切りを狙う選手にもチャンスのあるコースレイアウトだ。

イモラサーキットで死亡したブラジル人のF1ドライバー、アイルトン・セナを追悼して国旗をあしらったヘルメットをかぶるムリーロ・フィッシャー(ブラジル、エフデジ)イモラサーキットで死亡したブラジル人のF1ドライバー、アイルトン・セナを追悼して国旗をあしらったヘルメットをかぶるムリーロ・フィッシャー(ブラジル、エフデジ)

 スタートから7.6km地点に中間スプリントポイントが設定されたため、ポイント賞の上位選手たちによるマリアロッサ争いが繰り広げられた。このスプリントではジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)が先着。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ)が続き、前日のステージ優勝でポイント賞首位に躍り出たニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF)は3番手となり、上位の差がわずかに縮まった。

 中間ポイントを狙っていたチームが目的を果たすと、今度は山岳賞を争う選手らを含む逃げ集団が形成された。メンバーは山岳賞2位のベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)、同3位のスティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)、同4位のカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)のほか、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ)、総合21位で6分16秒遅れのライダー・ヘシェダル(カナダ、チーム キャノンデール・ガーミン)ら10人。

 24km地点、71km地点に設けられた3級山岳では、インチャウスティ、クルイシュウィック、ベタンクールが山岳ポイントをめぐって争った。1つ目は余裕をもってインチャウスティが先頭通過し、2つ目はベタンクールが3人の競り合いを制した。

雨の中を走るアルベルト・コンタドール雨の中を走るアルベルト・コンタドール

 メーン集団では、リーダーチームのティンコフ・サクソだけでなくBMCレーシングがコントロールに加わり、このステージを狙う意思を示した。雨で路面が滑りやすいなか、ハイスピードで進む集団は分断され、前を行くBMCとティンコフ・サクソを、離れてしまったアスタナ プロチームやチーム スカイが追いかける場面も見られた。BMCの強烈な引きで、逃げ集団とのタイム差はあっという間に縮まり、ゴールまで残り46km、最初にサーキットを通過する際には30秒近くにまで縮まった。

 しかし、ここで戦況が変わった。トレモンティの上りを利用して逃げ集団がペースアップを図り、メンバーはこの段階で脚が残っている7人に絞られた。一方でメーン集団はペースを落とし、再び1分30秒ほどまで差が広がった。ここでBMCが牽引をやめ、代わってオリカ・グリーンエッジが集団前方に顔を出した。

イモラサーキットを走るプロトンイモラサーキットを走るプロトン

 雨脚が強まるなか、3周回目の残り23km、ここまで目立った動きのなかったザカリンが、トレモンティの上りで逃げ集団から抜け出した。全員から見える集団先頭にいたにも関わらず、するりと加速すると、そのまま独走へ。タイミング抜群の決定的なアタックで、得意のタイムトライアル(TT)のような展開に持ち込んだ。追走の6人に対して約1分のリードを奪い、イモラサーキットのゴールへ。会心のレース運びで、初のステージ優勝を飾った。

 25歳のザカリンは4月28日から6日間で行われたツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)で総合優勝を果たした成長株。上りにもTTにも強く、2014年にはロシアの世界選手権代表に選ばれている。グランツール参戦は今回のジロが初めてだが、ロマンディからの勢いに乗って、目標としていたステージ優勝を果たしてみせた。

 メーン集団は、リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)の落車や、最後の上りでコンタドールがアタックする場面もあったがタイム差はつかず集団ゴールになった。これにより総合上位に変動はなく、マリアローザはコンタドールがキープ。山岳ポイントを稼いだインチャウスティがマリアアッズーラを獲得した。

 第12ステージは、イモラからビチェンツァまでの190km。平坦区間の多いステージだが、後半に4級、3級の山岳ポイントなどアップダウンがあり、ラスト1kmは上りゴールとなる。パンチャーが力を発揮できそうなレイアウトだ。

文 平澤尚威・写真 砂田弓弦

第11ステージ結果
1 イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ) 3時間55分8秒
2 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +53秒
3 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ)
4 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)
5 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ プロチーム)
6 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)
7 ライダー・ヘシェダル(カナダ、チーム キャノンデール・ガーミン)
8 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィツェ) +58秒
9 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)
10 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター チーム) +1分2秒
82 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) +19分5秒

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 46時間54分19秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3秒
3 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +46秒
4 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分16秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +1分46秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +2分10秒
7 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +2分12秒
8 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +2分20秒
9 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +2分24秒
10 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +2分30秒
146 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +2時間5分1秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 ニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF) 101pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 85pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 84pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 52pts
2 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 50pts
3 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 43pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 46時間54分22秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +2分58秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +27分27秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 128時間15分41秒
2 BMC レーシングチーム +6分12秒
3 チーム スカイ +6分22秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ジロ・デ・イタリア2015 ジロ2015・レース詳報

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載