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ツアー・オブ・ジャパン2015 第2ステージ(いなべ)終盤に抜け出したシティウィが独走勝利 スカイダイヴドバイ勢がワン・ツーフィニッシュ

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 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は5月19日、三重県いなべ市で第2ステージ(いなべステージ)が行われ、残り10kmでアタックを成功させたラファー・シティウィ(チュニジア、スカイダイヴドバイ プロサイクリングチーム)がステージ優勝し、同時に個人総合首位のグリーンジャージも獲得した。スカイダイヴドバイ勢はフランシスコ・マンセボ(スペイン)も2位に入り、ワン・ツーフィニッシュを飾った。

残り10kmでアタックを成功させ、独走勝利を飾ったラファー・シティウィ残り10kmでアタックを成功させ、独走勝利を飾ったラファー・シティウィ

激坂とテクニカルなダウンヒル

 TOJで初開催となるいなべステージは、厳しい坂道の周回コースを中心に130.7kmで争われた。

出走サインに臨む、総合首位のグリーンジャージ着用のブレントン・ジョーンズ出走サインに臨む、総合首位のグリーンジャージ着用のブレントン・ジョーンズ

 レースは三岐鉄道北勢線の終着駅である阿下喜駅前をスタートし、2.8kmのパレード走行ののちにアクチュアル(正式)スタートが切られる。9.1km(パレード走行区間含む)を過ぎると周回コースに入り、いなべ市農業公園・梅林公園を基点とする1周15.2kmを8周回。このコースは、最初の1kmが最大勾配17%にも上る激坂区間になっている。そこから下ったのち、フィニッシュ地点までの約5kmは再び上り基調に。途中に下りのヘアピンカーブが現れるなど、気の抜けないレイアウトだ。

 前夜からの雨は午前9時のスタート時も降りやまず、ウェットコンディションでレースの幕が開けた。

スタートを前に集中力を高める選手たちスタートを前に集中力を高める選手たち
左から新人賞(繰り上げ)のトーマス・ディヴィソン、個人総合首位のブレントン・ジョーンズ、ポイント賞(繰り上げ)のニール・ヴァンデルプローグ左から新人賞(繰り上げ)のトーマス・ディヴィソン、個人総合首位のブレントン・ジョーンズ、ポイント賞(繰り上げ)のニール・ヴァンデルプローグ
選手のスタートに先立ち、日沖靖・いなべ市長(左)と鈴木英敬・三重県知事がパレード走行を行った選手のスタートに先立ち、日沖靖・いなべ市長(左)と鈴木英敬・三重県知事がパレード走行を行った

アタックと吸収を繰り返し終盤へ

 ファーストアタックは中根英登(愛三工業レーシング)と山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)。だが、すぐにメーン集団へと引き戻されてしまう。その後もたびたび数人の逃げが決まりかけてはメーン集団が追いつく展開が繰り返された。山岳ポイントは最終周回を除く偶数周回に設定され、1回目の山岳ポイントはマッティア・ポッツォ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がトップで通過した。

9人の逃げが形成されるが、4周目に入りメーン集団に吸収された9人の逃げが形成されるが、4周目に入りメーン集団に吸収された

 3周目に入り、山本や内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)らを含む9人の逃げ集団が形成された。このメンバーで争った2回目の山岳ポイントは、マリオ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が1位通過。一時はメーン集団に対し40秒ほどの差が開いたことで、レースを先行するかに思われたが、4周目に入り吸収されてしまう。

 代わって、ソーフィアン・ハディ(モロッコ、スカイダイヴドバイ プロサイクリングチーム)が単独先頭に立ち、集団もその動きを容認。6周目に設けられた3回目の山岳ポイントはハディが1位で通過した。

6周目。この日3回目の山岳ポイントを1位通過したソーフィアン・ハディ6周目。この日3回目の山岳ポイントを1位通過したソーフィアン・ハディ
メーン集団は中盤以降、ピシュガマン ジャイアントチームがコントロールしたメーン集団は中盤以降、ピシュガマン ジャイアントチームがコントロールした

 約40秒のリードで逃げ続けたハディだが、ラスト2周になったところでメーン集団がキャッチ。この頃には集団の人数も絞られ、ステージ優勝に向けて駆け引きが始まった。スタート以降も降り続いた雨はようやく上がり、気温も上昇してきた。

ラスト10kmをシティウィが独走

 大きな動きが起こったのは、ラスト2周に入った直後の上り。ブリヂストンアンカー勢のペースアップをきっかけに、メーン集団前方に位置していた14人の外国人選手がそのまま抜け出す形に。有力チームの多くが実力者を前方に送り込んだことから、後方に残された選手たちは先行グループの動きを待つ格好となる。

7周目に形成された14人の先頭集団がそのまま逃げ切ることとなった7周目に形成された14人の先頭集団がそのまま逃げ切ることとなった
14人に先行を許したメーン集団。テクニカルな下りにリスクを負うことができなかった14人に先行を許したメーン集団。テクニカルな下りにリスクを負うことができなかった

 結果的にこの動きがレースを決定づけた。ラスト1周の時点で後続との差は1分17秒と、逃げ切りが濃厚に。そして残り10kmとなったところで、先頭集団からシティウィがアタックを成功させた。

 10~20秒のリードを保って逃げ続けたシティウィは、最後までペースを緩めることなく、フィニッシュライン手前の上りも難なくクリア。優勝を確信すると大きな体を目一杯広げて勝利をアピールした。

個人総合首位のグリーンジャージを獲得し大いに喜んだシティウィ個人総合首位のグリーンジャージを獲得し大いに喜んだシティウィ

 シティウィはイタリアやフランスでプロ経験のある29歳。2012年にはチーム ヨーロッパカーで新城幸也とチームメートだったこともある。アタックや独走を得意とし、ヨーロッパでは“逃げ屋”として知られる選手だ。レース後には、「みんなが疲れている様子だった残り10kmでアタックし、最後の5kmは自分のペースに持ち込むことができた」と述べ、得意のパターンで勝ったことを強調した。TOJ初出場でステージ初勝利をつかんだが、今シーズンを通してみれば4勝目と好調だ。これにより、個人総合首位のグリーンジャージ、ポイント賞のブルージャージを獲得している。

2位争いはフランシスコ・マンセボ(右)が制し、スカイダイヴドバイ勢がワン・ツーフィニッシュを決めた2位争いはフランシスコ・マンセボ(右)が制し、スカイダイヴドバイ勢がワン・ツーフィニッシュを決めた

 シティウィから遅れること15秒、13人の集団がフィニッシュへなだれ込み、最後はシティウィのチームメートであるマンセボが2位に入った。

 マンセボは2004、2005年のブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位など、グランツールで大活躍した選手。ヨーロッパで実績のあるメンバーをそろえるスカイダイヴドバイ勢は、今大会で台風の目となる可能性は十分だ。

シティウィはポイント賞でもトップに立ったシティウィはポイント賞でもトップに立った
山岳賞のレッドジャージはマッティア・ポッツォが獲得山岳賞のレッドジャージはマッティア・ポッツォが獲得
新人賞はステージ10位のアダム・フェランが獲得新人賞はステージ10位のアダム・フェランが獲得

 ※ソニー「アクションカム」で撮影 

日本勢トップのステージ21位となった土井雪広。第3ステージ以降、攻め続けることを誓った日本勢トップのステージ21位となった土井雪広。第3ステージ以降、攻め続けることを誓った

 日本勢のトップは、21位の土井雪広(チームUKYO)。トップから55秒差の集団で多くの選手とともにゴールしている。土井はレース後の記者会見で、「上りを得意とする選手と苦手とする選手とが集団前方でひしめき合っているうちに、集団が割れ、14選手が抜け出していった。第3ステージ以降は、自分やスプリンターのパブロ・ウルタスン(スペイン)がどんどん攻めていけたらと思っている」と話した。

 第3ステージは20日、岐阜県美濃市を舞台に139.4kmで争われる。山岳ポイントが設けられているものの、全体的に高低差は少なく、スプリンターステージと位置付けられている。ラスト1kmの直線でのスプリント勝負が予想され、選手たちのスピードと駆け引きが楽しめるだろう。

(文・写真 福光俊介)

第2ステージ(いなべ)結果
1 ラファー・シティウィ(チュニジア、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) 3時間10分06秒
2 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) +15秒
3 ルカ・ピベルニク(イタリア、ランプレ・メリダ)
4 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)
5 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ ペトロケミカル チーム)
6 イリヤ・ゴロドニチェフ(ロシア、RTSサンティック レーシングチーム)
7 アミール・ザルガリ (イラン、ピシュガマン ジャイアント チーム)
8 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
9 ディディエール・シャペロ(コロンビア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
10 アダム・フェラン(オーストラリア、ドラパック プロフェッショナル)

個人総合
1 ラファー・シティウィ(チュニジア、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) 3時間13分20秒
2 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) +20秒
3 アダム・フェラン(オーストラリア、ドラパック プロフェッショナル) +21秒
4 ルカ・ピベルニク(イタリア、ランプレ・メリダ) +24秒
5 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +30秒
8 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +31秒
7 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +33秒
8 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ ペトロケミカル チーム) +34秒
9 アミール・ザルガリ (イラン、ピシュガマン ジャイアント チーム) +36秒
10 イリヤ・ゴロドニチェフ(ロシア、RTSサンティック レーシングチーム)

ポイント賞
1 ラファー・シティウィ(チュニジア、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) 25pts
2 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) 20pts
3 ルカ・ピベルニク(イタリア、ランプレ・メリダ) 16pts

山岳賞
1 マッティア・ポッツォ(コロンビア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 7pts
2 マリオ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) 5pts
3 ソーフィアン・ハディ(モロッコ、スカイダイヴ ドバイ プロサイクリング) 5pts

新人賞
1 アダム・フェラン(オーストラリア、ドラパック プロフェッショナル) 3時間13分20秒
2 ルカ・ピベルニク(イタリア、ランプレ・メリダ) +3秒
3 アントニオ・ニバリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +20秒

チーム総合
1 スカイダイヴ ドバイ プロサイクリングチーム 9時間41分38秒
2 ブリヂストンアンカー サイクリングチーム +29秒
3 NIPPO・ヴィーニファンティーニ +34秒

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