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ジロ・デ・イタリア2015 第9ステージ終盤に独走へ持ち込んだティラロンゴがジロ通算3勝目 アスタナが活躍、石橋学はリタイア

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 ジロ・デ・イタリア第9ステージは5月17日、ベネヴェントからサンジョルジョデルサンニオまでの224kmで争われ、逃げ集団から最後に独走へと持ち込んだパオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ プロチーム)がジロ通算3勝目を挙げた。総合首位のマリアローザはアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が変わらずキープ。一方、日本人出場選手2人のうちの1人、石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、この日序盤から大きく遅れてリタイアした。

37歳のベテラン、パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ プロチーム)が独走でジロ通算3勝目 <写真・砂田弓弦>37歳のベテラン、パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ プロチーム)が独走でジロ通算3勝目 <写真・砂田弓弦>

 今大会最初の休息日を前にしたステージは、200kmを超えるハードなコース設定。当初は215kmの予定だったが、途中の道路に問題があり、一部異なるルートとなったことで距離がさらに伸びた。山岳ポイントは2、1、2級の3つで、超級山岳や山頂ゴールはないものの、山岳ポイント以外にも延々とアップダウンが続き、総獲得標高は4000mを超えるという難ステージだ。

実力者がそろった逃げ集団 <写真・砂田弓弦>実力者がそろった逃げ集団 <写真・砂田弓弦>

 レース序盤のアタック合戦から、11選手の逃げが形成された。2012年ジロ覇者のライダー・ヘシェダル(カナダ、チーム キャノンデール・ガーミン)や、前日も逃げに加わったスティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)、カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)らが含まれる。

 逃げが決まるまで時間がかかり、レース最初の1時間の平均速度は、上り区間がありながら44.5km/hに達した。石橋はこのハイペースにより序盤からメーン集団から遅れ、そしてグルペットにもついていけず単独走となり、力尽きた。日本人史上最年少、22歳のグランツール初挑戦は9日目で幕を閉じた。

単独遅れてリタイアに追い込まれた石橋学 <写真・砂田弓弦>単独遅れてリタイアに追い込まれた石橋学 <写真・砂田弓弦>

 逃げ集団はメーン集団に5分程度の差をつけるが、メーン集団もリーダーチームのティンコフ・サクソが早い段階からコントロールして、大きな差を許さない。最初の1級山岳テルミニオと、続く2級山岳のモレッラ峠は、いずれもシモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)が先頭通過し、山岳賞争いで一気に首位へと躍り出た。

 モレッラ峠を越えてからも続くアップダウンの下りで、逃げ集団からトムイェルト・スラフトール(オランダ、チーム キャノンデール・ガーミン)が単独で抜け出すことに成功した。追走の動きはあるものの、チームメートのヘシェダルのチェックもあり、スラフトールは後方に1分強の差を保って逃げ続ける。

 スラフトールは50kmほどを単独で逃げ続け、この日最後の山岳ポイント、セッラ峠の上りへと突入。追走グループでは、上りに入ってティラロンゴが積極的な動きを見せ始めた。何度かチェックを受けたものの、急勾配区間でのアタックでついに集団を振り切ることに成功。単独で先頭を追いかけ、山岳ポイントを越えたところでついにスラフトールへと追いついた。

最後の山岳ポイントでアールが攻撃 © RCS Sport最後の山岳ポイントでアールが攻撃 © RCS Sport

 一方、メーン集団もセッラ峠で動きがあった。ティンコフ・サクソがペースを上げきったところで、総合2位で新人賞ジャージのファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)がアタック。すかさずコンタドールが反応し、これにミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)、リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ)が続き、総合上位4人によるグループが形成された。

 先頭のスラフトールとティラロンゴはセッラ峠からの下りを終え、ゴールへと向かう上り基調区間に突入する。上りでティラロンゴがペースを上げるとスラフトールがついに遅れ、先頭はティラロンゴの独走となった。ティラロンゴは最後まで切れ味のある走りを保ち、残り2kmで勝利を確信して笑顔。最後は両手を何度も突き上げてから、右手を高く掲げてゴールした。37歳のベテランは、ジロでは2011年の第19ステージ、2012年の第7ステージに続く勝利だ。

 総合争いの4人のグループでは、2人を揃えるアスタナ勢が積極的な動き。ランダがペースを維持して、アールがアタックを仕掛ける。これに合わせるのみのコンタドールとポートに、アールが苛立つ様子もみられた。4人の体制は最後の上りでも崩れなかったが、ゴールライン直前、アールが猛然とスプリント。ゴールではコンタドールとポートに1秒差をつけることに成功し、総合首位のコンタドールとのタイム差を3秒に縮めた。

アスタナ プロチームとしての今大会初勝利を挙げたティラロンゴ © RCS Sportアスタナ プロチームとしての今大会初勝利を挙げたティラロンゴ © RCS Sport

 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング)はこの日、23分42秒遅れのグルペットでゴール。前日のステージで体調を崩して難しい一日になったが、無事に休息日へとつなげた。

 ジロは最初の休息日を1日はさみ、5月19日の第10ステージはチヴィタノーヴァ・マルケからフォルリまでの200kmで争われる。イタリア半島東海岸沿いを進む平坦ステージで、中間に1カ所だけある4級山岳ポイントを過ぎると、後半に待ち受けるのは2つの中間スプリントとゴール。厳しい山岳ステージを耐えたスプリンターたちが覇を競うステージになるだろう。

文 米山一輝

第9ステージ結果
1 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ プロチーム) 5時間50分31秒
2 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +21秒
3 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) +23秒
4 アマエル・モワナール(フランス、BMC レーシングチーム)
5 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター チーム)
6 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
7 トムイェルト・スラフトール(オランダ、チーム キャノンデール・ガーミン)
8 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ)
9 ライダー・ヘシェダル(カナダ、チーム キャノンデール・ガーミン) +27秒
10 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +56秒
163 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) +23分42秒
- 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) DNF

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 38時間31分35秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +22秒
4 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +46秒
5 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分16秒
6 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +1分46秒
7 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +2分02秒
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +2分10秒
9 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +2分20秒
10 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +2分24秒
145 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +1時間46分48秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 78pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 75pts
3 マルコ・バンディエーラ(イタリア、アンドローニジョカットリ) 60pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 50pts
2 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 39pts
3 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 37pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 38時間31分38秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +2分58秒
3 ヤン・ポランツェ(スロベニア、ランプレ・メリダ) +20分12秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 114時間55分59秒
2 チーム スカイ +5分58秒
3 BMC レーシングチーム +6分12秒

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