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ジロ・デ・イタリア2015 第7ステージウリッシが混戦の上りスプリントで勝利 レース続行のコンタドールがマリアローザを守る

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 ジロ・デ・イタリア第7ステージは5月15日、グロッセートからフィウッジまでの264kmで争われ、上り基調のスプリントをディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が制し今大会初勝利、ジロ通算4勝目を挙げた。前日のステージで起きた、フィニッシュ直前の集団落車で左肩を脱臼したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)はレースを続行。ウリッシから3秒差の30位とまとめ、個人総合首位を守った。

混戦のスプリントをディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が制してステージ優勝混戦のスプリントをディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が制してステージ優勝

 今大会最長距離となったこのステージ。前日に引き続きイタリア半島を南下。首都ローマの東、約80kmに位置するフィウッジを目指した。主催者によって平坦ステージと設定されたが、中盤から終盤にかけてアップダウンが続き、ゴール前も上り基調とあって、スプリンター以外にもパンチャーや逃げを得意とする選手にもチャンスがあると考えられた。

 前日のスプリントで起きた落車では、マリアローザのコンタドールが左肩を脱臼するアクシデントに見舞われたが、一晩経ってレース続行を自らの意思で決定。これまでと同様にスタートラインに就いたが、その表情には硬さが見られた。また、このクラッシュで左上腕部の複雑骨折を負ったダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は未出走となっている。

序盤から逃げ続けた4人序盤から逃げ続けた4人

 序盤に形成された逃げグループは4選手。マルコ・バンディエーラ(イタリア、アンドローニジョカットリ)、ニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、CCCスプランディ・ポルコヴィツェ)、ピエルパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が協調態勢を築きながら順調にペースを刻んだ。その差は、150km地点でメーン集団に対し11分にまで広がった。

 一方のメーン集団は、「10km1分」と教科書通りのペースで逃げグループとの差を縮めていく。徐々にペースが上がったことと、前を行く4選手に疲れが見え始めたこともあって、残り30kmで45秒差と、吸収は時間の問題となった。

 そんな中、メーン集団後方で落車が発生。数選手が絡んだ中に石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)も含まれた。幸い、激しいクラッシュではなかったことからすぐに走り出すことができたものの、以降はグルペットでの走行となった。

 粘っていた先頭4選手だったが、残り20kmを切ったところでメーン集団が吸収。これを機にフィニッシュに向けて各チームのポジション争いが激しさを増す。エースを総合上位に送り込んでいるティンコフ・サクソ、アスタナ プロチーム、チーム スカイなどが主導権争いを展開する。やがて、数チームが前方に入り乱れながら、スプリント態勢へと移っていった。

ジュリアーニ監督から指示を受ける石橋学ジュリアーニ監督から指示を受ける石橋学

 終盤にかけて好ポジションを確保したのは、ティンコフ・サクソやチーム スカイに加え、バルディアーニ・CSFやランプレ・メリダのイタリアチーム。さらにラスト1kmではオリカ・グリーンエッジもトレインを形成して上がってきた。負けじとランプレ・メリダの数選手も先頭へと躍り出てスプリントタイミングを計る。

 混戦模様となったスプリント。アシストとは別のラインから加速したウリッシがトップに立った。フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター チーム)が続き、反対側からはサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も上がってくる。だがライバルの追撃を許さず、ウリッシが歓喜のポーズでフィニッシュラインを通過した。

 ウリッシは、昨年のジロ第11ステージ終了後の薬物検査でサルブタモールの陽性反応が出たため、チーム判断で2014年6月下旬以降のレース活動を自粛。9月に一度復帰したものの、再び戦列からは離れていた。国際自転車競技連合(UCI)に対し喘息の治療に用いていたことを主張したが、検出量に異常があったことから認められず、9カ月間の出場停止との裁定が下り、今年4月にレース復帰を果たしたばかりだ。復活ののろしを上げる大舞台での勝利に、自身もチームメートも全身で喜びを表現した。

 レース後の記者会見では、「朝、目覚めた時にトップ10フィニッシュを目指したいと思った。だから、9位や10位でも満足していたと思う。スプリントの作戦はサーシャ・モドロ(イタリア)で勝利を狙うというものであった。私はフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)をマークしていたが、最後はゲランスの動きに合わせた結果、良いスプリントができた」と勝利のシーンを振り返った。今後は、秋に開催される世界選手権も意識していきたいと述べた。

レース終盤のコンタドール(中央)、リッチー・ポート(右)レース終盤のコンタドール(中央)、リッチー・ポート(右)

 総合首位のマリアローザは、コンタドールがキープ。左肩の状態が心配されたが、アシスト陣による徹底したレースコントロールもあって、トラブルなくステージを終えた。記者会見では、「ハードな1日だったが、それは覚悟のうえだった。走り自体には満足している。ゴール後3時間半から4時間経った段階で、患部の状態がどうなるか見てみたい。日々改善されることを願っている。すでに明日が楽しみだし、厳しいレースになるだろうが、自分から攻撃を仕掛けていきたい。まずはしっかりと休息し、アイシングをしてから、明日以降のことを考えたい」とコメントしている。

 日本勢は、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)がトップから10分22秒差の125位。レース後半には、集団前方でチームメートのポジション確保に努める姿が見られた。また、石橋は18分56秒差の180位。総合では、別府が56分19秒差の107位、石橋が1時間49分16秒差の189位につけている。

 16日に行われる第8ステージは、フィウッジからカンピテッロ・マテーゼまでの186km。今大会最初の上級山岳ステージだ。ゴールの1級山岳カンピテッロ・マテーゼは、登坂距離13km、平均勾配6.9%、最大勾配12%。総合争いを左右する攻防が見られることだろう。今大会第1週目のヤマ場となることは必至だ。

文 福光俊介・写真 砂田弓弦

第7ステージ結果
1 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 7時間22分21秒
2 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター チーム) +0秒
3 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4 マヌエル・ベッレッティ(イタリア、サウスイースト)
5 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
7 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)
8 グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコヴィツェ)
9 ケヴィン・レザ(フランス、エフデジ)
10 セルゲイ・ラグティン(ロシア、チーム カチューシャ)
125 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) 10分22秒
180 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +18分56秒

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 27時間48分00秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +2秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +20秒
4 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +22秒
5 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +28秒
6 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +37秒
7 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +56秒
8 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +1分1秒
9 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +1分15秒
10 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +1分18秒
107 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +56分55秒
189 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1時間49分16秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 78pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 75pts
3 マルコ・バンディエーラ(イタリア、アンドローニジョカットリ) 60pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ヤン・ポランツェ(スロベニア、ランプレ・メリダ) 15pts
2 パヴェル・コチェトコフ(ロシア、チーム カチューシャ) 15pts
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) 14pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 27時間48分2秒
2 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +35秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +1分13秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 82時間46分17秒
2 BMC レーシングチーム +40秒
3 チーム スカイ +2分23秒

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