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ジロ・デ・イタリア2015 第8ステージインチャウスティがクレバーな逃げ切りで山頂ゴールを制す 総合首位はコンタドールが守る

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 ジロ・デ・イタリア第8ステージは5月16日、フィウッジからカンピテッロ・マテーセまでの186kmで争われ、山頂ゴールをベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)が制した。また、総合首位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)は他の総合上位陣と同タイムでゴールし、マリアローザを守った。

山頂ゴールを制し区間優勝を飾ったベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)山頂ゴールを制し区間優勝を飾ったベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)

 第8ステージはイタリアの中央に位置するフィウッジからカンピテッロマテーゼまでの186kmで争われた。途中、2級山岳を通過し、1級山岳の山頂ゴールを目指す。ゴール前の上りは平均勾配6.9パーセントが13km続くため、展開次第では総合上位選手にタイム差がつくことも。気温12度で雨が降りしきる不安定な天候の中、選手たちは防寒具を身につけてスタートした。
 
序盤は集団から逃げを試みる動きが幾度となく繰り返されたが、なかなか決まらない。その結果、落車のリスクを回避するために前方へ位置取る総合上位チームの働きがペースアップを生み、メーン集団は人数を大幅に減らしつつ2級山岳へと入った。

逃げた選手の一人、カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)逃げた選手の一人、カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)

 この上りでペースが緩んだ隙をついてアタックをしたのが12選手。スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)が単独先頭で、カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア・アンドローニジョカットリ)、プシェメスワフ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)、ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)、イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)、クリストフ・ヴァンデワッレ(ベルギー、トレック ファクトリーレーシング)、セバスチャン・ライヘンバッハ(スイス、イアム サイクリング)らが含まれていた。

 1人抜け出したクルイシュウィックを追いかける形で、足並みが揃わない追走集団を嫌いペッリツォッティがアタック。これをすぐにベタンクールが追い、ヴァンデワッレも合流した。残り80km地点で先頭のクルイシュウィックからベタンクールら3人まで50秒、8人の追走集団までは1分前後、その後ろのメーン集団までは9分差まで開いた。この時点でバーチャルリーダーは逃げに乗っているニエミエツとなる。

 メーン集団をコントロールするのはマリアローザを擁するティンコフ・サクソだが、これにNIPPO・ヴィーニファンティーニも加わり、石橋学も集団先頭を引く姿が見られた。しかし、先頭とのタイムは縮まらない。ティンコフ・サクソは、コンタドールが総合優勝争いのライバルたちに遅れをとらない限り、現段階でマリアローザには固執していないようだ。追走集団も前を行く3人を早く捕まえたい選手と、脚を残したい選手との思惑の違いでタイム差は縮まっては開くを繰り返しながらレースは進行した。

集団の先頭に立つ石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)集団の先頭に立つ石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)

 レースが動きを見せたのは残り25km地点で、新人賞ジャージを着るファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)を従えたアスタナがパオロ・ティラロンゴ(イタリア)を中心にメーン集団を強烈に牽引し始めた。一時は逃げ切りでマリアローザがニエミエツに渡るかと思わせた展開も変わり、1級山岳に入る前の残り15km地点では先頭までのタイム差が6分を切った。

 最後の上りが始まると追走集団内でアタックが始まり、インチャウスティとライヘンバッハが抜け出して先頭のクルイシュウィックを追った。残り5km地点では、メーン州段が追走集団を吸収。前方を走る3人とメーン集団との争いに絞られた。

レース終盤、攻撃を仕掛けるファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)レース終盤、攻撃を仕掛けるファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)

 総合上位陣が残るメーン集団からは、ここまで厚いアシスト陣に守られてきたアールが自らアタック。コンタドール、リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ)、リゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ)がこの動きに反応し、総合上位陣のせめぎ合いが始まった。この隙をついてキレのあるアタックを見せたのがミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)。有力選手が互いにけん制している間に一人抜け出し、前方の3人を追った。序盤から単独で逃げ続けたクルイシュウィックは、残り4kmライヘンバッハとインチャウスティに追いつかれた。

 残り3km手前でインチャウスティが勢いのあるアタックを見せ、単独でゴールを目指した。後方ではメーン集団から飛び出したランダが迫るも届かず、インチャウスティが2013年以来となるジロ2勝目をあげた。逃げ集団に乗りつつペースを抑え、メーン集団が合流してから飛び出すクレバーな走りが功を奏した勝利となった。

 コンタドール、アール、ウラン、ポートは集団ゴールのため同タイムとなり、総合成績に大きな変動はなく、コンタドールがマリアローザを守った。

 第9ステージは5月17日に行われるベネヴェントからサンジョルジョデルサンニオまでの215kmで争われる。主催者発表による難易度は星4つで、第8ステージと同じだ。途中、山岳を挟みながらアップダウンを繰り返すコースなので、逃げ切りを狙う選手にもチャンスがある。
 
文 松尾修作・写真 砂田弓弦

第8ステージ結果
1 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 4時間51分34秒
2 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +20秒
3 セバスチャン・ライヘンバッハ(スイス、イアム サイクリング) +31秒
4 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +35秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
6 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ)
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
8 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム)
9 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +45秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム)
164 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +28分17秒
166 別府史之(トレック ファクトリーレーシング) 

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 32時間40分07秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +4秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +22秒
4 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +30秒
5 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +42秒
6 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +1分00秒
7 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +1分16秒
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +1分24秒
9 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +1分34秒
10 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +1分38秒
127 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +1時間24分03秒
189 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +2時間17分00秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 78pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 75pts
3 マルコ・バンディエーラ(イタリア、アンドローニジョカットリ) 60pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) 39pts
2 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) 19pts
3 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 15pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 32時間40分11秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +2分11秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +7分46秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 97時間22分29秒
2 チーム スカイ +3分32秒
3 BMC レーシングチーム +4分20秒

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