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ジロ・デ・イタリア2015 第6ステージグライペルが盤石のスプリントで勝利 総合首位のコンタドールは集団落車で左肩脱臼

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 ジロ・デ・イタリア第6ステージは5月14日、モンテカティーニ・テルメからカスティリオーネ・デッラ・ペスカーイアまでの183kmで争われ、スプリント勝負をアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が制し今大会初勝利を挙げた。また、このスプリントで集団落車が発生。個人総合首位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)も巻き込まれ、マリアローザはキープしたものの、ゴール後の検査で左肩の脱臼と診断された。

万全のスプリントから今大会初勝利を挙げたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)万全のスプリントから今大会初勝利を挙げたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
スタート前、総合首位(マリアローザ)のコンタドールと、総合2位で新人賞(マリアビアンカ)のアールが握手スタート前、総合首位(マリアローザ)のコンタドールと、総合2位で新人賞(マリアビアンカ)のアールが握手

 リグリア海に沿って進んできた大会序盤を終え、このステージからはイタリア半島を南に向かって進路をとる。第6ステージの舞台はトスカーナ州。スタート地のモンテカティーニ・テルメは、西にピサ、東にフィレンツェと日本でもおなじみの街がそれぞれ約50km圏内に位置している。内陸部を進み、海沿いの街カスティリオーネ・デッラ・ペスカーイアでゴールするまでの間、中盤に4級山岳1カ所を含んだアップダウンの連続が待ち受ける。最後の約40kmは下り基調。大会主催者が発表する難易度では、最も低い星1つと設定された。

 レースは5人の逃げがしばし先行。メンバーは、マルコ・バンディエーラ(イタリア、アンドローニジョカットリ)、マレック・ルトキヴィチ(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィツェ)、エドワルドマイカル・グロス(ルーマニア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)、アレッサンドロ・マラグーティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)、アラン・マランゴーニ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン)。メーン集団との差は4分台で推移した。

 逃げ、メーン集団ともに大きな動きがないまま進んだが、残り30kmを前にメーン集団のペースが徐々に上がっていく。風向きの影響で、集団が縦長になるシーンも見られた。残り20kmでは逃げとメーン集団との差が約1分30秒にまで縮小。そして、残り14kmで逃げていた5人はメーン集団に吸収された。

序盤から逃げた5選手。先頭はNIPPO・ヴィーニファンティーニのエドワルドマイカル・グロス序盤から逃げた5選手。先頭はNIPPO・ヴィーニファンティーニのエドワルドマイカル・グロス

 集団はゴールに向かってスピードアップ。チームリーダーを総合上位に送り込んでいるティンコフ・サクソ、アスタナ プロチーム、チーム スカイがトレインを形成して前方に位置し、残り約8kmからは、ルカ・メズゲッツ(スロベニア)で勝利を狙うチーム ジャイアント・アルペシンも主導権争いに加わった。

 残り3kmとなったところで前へ上がってきたのは、ロット・ソウダルのトレイン。エースのグライペルを送り出すべく、4人のアシストがリードアウトに臨む。ランプレ・メリダのアシストもサーシャ・モドロ(イタリア)のためにポジション争いに加わる。テクニカルなコーナーが連続する中でも両チームは譲らず、互いに集団前方に位置したままラスト1kmのフラムルージュを通過した。

 いよいよ最後のスプリントへ。グレゴリー・ヘンダーソン(オーストラリア、ロット・ソウダル)が牽引すると、満を持して加速したのはグライペルだ。ライバルが追いすがるも、最高のポジションから発射されたグライペルに追いつく選手は現れず。バイク約1台分の差をつけたグライペルが、筋骨隆々の体を大きく広げてフィニッシュラインを通過した。

 グライペルは嬉しい今大会初勝利。ジロ通算では3勝目だ。5年ぶりの出場となる今回はスプリント以外にも、山岳ステージではアシストに回るなど、さまざまな働きでチームに貢献する。ゴール後の記者会見では、「大会序盤は簡単にはいかなかったが、ステージ優勝のためにここまで取り組んできた。今日はチームメートに感謝しなければならない。サンデル・アルメー(ベルギー)は1日中レースコントロールに努めてくれた。アダム・ハンセン(オーストラリア)は、ラスト1.1kmから先頭をキープしてくれた。そして、ヘンダーソンが残り600mからスプリントに向けて加速してくれた。とても長く感じたが、彼はスピードを落とすことがなかった。私たちはこの勝利に本当に満足している」と喜びを語った。この勝利でポイント賞争いの首位に立ち、マリアロッサに袖を通している。

レース終盤、チームメートに守られて走るコンタドール。ゴール前に波乱が待ち受けていたレース終盤、チームメートに守られて走るコンタドール。ゴール前に波乱が待ち受けていた

 またスプリントでは、優勝争いが繰り広げられていた後方で大クラッシュが発生した。集団前方に位置していたダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が、観客が持っていたカメラに接触し落車。それをきっかけに多くの選手が巻き込まれてしまった。特に大きな被害を受けたのがコッリとマリアローザのコンタドール。コッリは救急搬送され、左上腕骨の複雑骨折との診断。コンタドールはバイクに乗り直して自力でゴールこそしたものの、ポディウムでは左肩をかばいながら壇上へ。授与されたマリアローザを着ることができず、受け取るのみにとどめた。その後、検査のため病院へ向かい、左肩脱臼の診断が下った。第7ステージの出走については、一晩様子を見たうえで決めるとしている。

 日本勢は、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)がトップと同タイムの47位。総合では46分0秒差の97位。石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は5分36秒差の185位でフィニッシュ。総合では1時間30分23秒差の190位となっている。

 15日に行われる第7ステージは、今大会最長の264km。グロッセートからフィウッジまでのコースは、主催者によって平坦ステージと位置付けられているが、中盤から終盤にかけていくつものアップダウンが現れる。残り25kmを切ってからは急坂が登場するほか、ゴール前が若干の上り基調と、スプリンターにとっては一筋縄ではいかないレイアウトだ。各チームがどのような対策を講じてレースに臨むかが注目される。

文 福光俊介・写真 砂田弓弦

第6ステージ結果
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 4時間19分42秒
2 マッテーオ・ペルッキ(イタリア、イアム サイクリング) +0秒
3 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4 マヌエル・ベッレッティ(イタリア、サウスイースト)
5 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)
6 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、サウスイースト)
7 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ)
8 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、チーム ジャイアント・アルペシン)
9 ニコーラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
10 ダヴィデ・アッポッローニオ(イタリア、アンドローニジョカットリ)
47 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング)
185 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +5分36秒

個人総合(マリアローザ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 20時間25分36秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +2秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +20秒
4 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +22秒
5 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +28秒
6 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +37秒
7 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) +56秒
8 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) +1分01秒
9 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +1分15秒
10 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +1分18秒
97 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +46分00秒
190 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1時間30分23秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 75pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 73pts
3 マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカットリ) 40pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ヤン・ポランツェ(スロベニア、ランプレ・メリダ) 15pts
2 パヴェル・コチェトコフ(ロシア、チーム カチューシャ) 15pts
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) 14pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 20時間25分38秒
2 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +35秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +1分13秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 60時間39分05秒
2 BMC レーシングチーム +43秒
3 チーム スカイ +2分23秒

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