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別府史之に「お疲れさま!」地中海の魅力を味わい、間近に見るプロの勇姿にため息 ジロ・デ・イタリア現地観戦記

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 今年最初のグランツール(世界3大ステージレース)として熱戦が繰り広げられているジロ・デ・イタリア。5月12日に開かれた第4ステージは、今大会で初めて中級山岳が登場し、難易度も星5つ中「4つ」のコースとあって注目された。記者は「コルナゴ本社&ジロ・デ・イタリア観戦ツアー」の一行とともに現地を訪れ、この日のコースの“ハイライト”ともいえる世界文化遺産の景勝地「チンクエ・テッレ」を巡り、さらにゴール地ラ・スパツィアに移動してレースのクライマックスを体感した。(イタリア・コモ 柄沢亜希)

イタリア北西部のチンクエ・テッレは、起伏のある森と海が織りなすコントラストが美しいイタリア北西部のチンクエ・テッレは、起伏のある森と海が織りなすコントラストが美しい

美しい景色=難コース

コルニリア駅と集落はつづら折りの階段を行き来する各国からの観光客コルニリア駅と集落はつづら折りの階段を行き来する各国からの観光客

 イタリア北西部のキアーヴァリからラ・スパツィアまで、地中海に沿った150kmのコースで争われた第4ステージ。その後半に通過するチンクエ・テッレは、風光明媚なリグーリア海岸に連なる5つの村々を指し、険しい海岸に色とりどりの建物が並ぶ特徴的な景観で知られている。切り立った崖に突き出るように建ち並ぶカラフルな家屋や、起伏のある森と海が織りなすコントラストが美しい。

 ジロ・デ・イタリアを走る選手らにとっては、厳しいアップダウンが待ち受ける難所でもある。ゴール地のラ・スパツィアから電車で15分、チンクエ・テッレの村落のひとつコルニリア(Corniglia)で、その厳しさを少しでも体感しようと山道を歩いて上った。

 この日は晴天で、気温は30度近く。砂と石の交じる階段は急峻で、前にも後ろにも日陰は見当たらない。爽やかな海風が吹いているるとはいえ、照りつける太陽に汗が止めどなく流れてきた。

ラ・スパツィアから電車で15分、チンクエ・テッレまで足を伸ばしたラ・スパツィアから電車で15分、チンクエ・テッレまで足を伸ばした
照りつける太陽とアップダウンにプロ選手の強さを想った照りつける太陽とアップダウンにプロ選手の強さを想った

 イタリアのスポーツバイクブランド「コルナゴ」を輸入する日本総代理店「エヌビーエス」の岡崎和也さんは、2003年のシーズン後半から2005年前半まで、この地で選手生活を過ごした経験を持つ。岡崎さんは、「ジロ第4ステージのコースに設定されている道は、ここからさらに2本ほど内陸。トレーニングでよく走ったが、かなりきつい峠がある」と教えてくれた。

 記者ら一行が上っている坂道や階段も、すでにトレッキングと呼べる険しさ。これ以上進むには服装などの装備が適切でないと判断し、早々に折り返した。そして、厳しい山道のコースを走り終えると、また翌日にスタートを切るプロの強さに想いを馳せた。

しまなみ海道に似たレモンのある風景

 コルニリアを少し歩くと、記者が最近出会ったどこかの風景に似ていることに気付かされた。広島・しまなみ海道だ。穏やかに広がる海、そこに面した日当たりのよい斜面、そしてレモン畑。細く迷路のように続くメーンストリートでは、あちらこちらの店先で、かごに山盛りされたレモンの鮮やかなイエローが目に飛び込んできた。

コルニリアの町の路地。海につながる横道を風が通り抜けたコルニリアの町の路地。海につながる横道を風が通り抜けた
街角の置かれた山盛りのレモンとジェラテリアの看板街角の置かれた山盛りのレモンとジェラテリアの看板
レモンジェラートがおいしい! 岡崎和也さん(左)と渕上記理子さんレモンジェラートがおいしい! 岡崎和也さん(左)と渕上記理子さん
搾りたてのレモンがたっぷりのオリジナル・レモネード搾りたてのレモンがたっぷりのオリジナル・レモネード

 たっぷり汗をかき、水分が抜けきったところで「オリジナル・レモネード」の文字を見つけ、思わず店内へ駆け込んだ。エプロン姿の女性が山盛りのレモンから2つを選びとり、手早くカットして絞っていく。「本当にフレッシュなのよ」と微笑みながら出してくれたレモネードを一口飲むと、身体のすみずみまで染み渡っていくようだった。

 ほかにも、競うように店を構えるジェラテリア(アイス屋)のレモンジェラートは絶品。どこまても穏やかな地中海の水平線には、ボートがぷかぷか。こぢんまりとした教会の前の広場で休憩を取っていると、崖から上がってくる海風が気持よく吹き抜けた。

コルニリアの展望スポットから望む地中海はどこまでも穏やかコルニリアの展望スポットから望む地中海はどこまでも穏やか

間近にみる選手に感動

 ゴール予想時刻より前にラ・スパツィアの街へ戻ってくると、すでに上空にはヘリコプターが旋回していた。はやる気持ちを抑えつつコース沿道へ急ぐと、周回コースのゴールラインをいったん通過して最終周回に入る別府史之(トレック ファクトリーレーシング)の姿が見えた。

会場でさっそく観戦グッズを購入した渕上記理子さん会場でさっそく観戦グッズを購入した渕上記理子さん
最終周回へと向かう別府史之(トレック ファクトリーレーシング)最終周回へと向かう別府史之(トレック ファクトリーレーシング)
最終週回に入る選手たちがやってきた!最終週回に入る選手たちがやってきた!
「コルナゴ本社&ジロ・デ・イタリア観戦ツアー」では、ゴール地ラ・スパツィアを訪れた「コルナゴ本社&ジロ・デ・イタリア観戦ツアー」では、ゴール地ラ・スパツィアを訪れた

 ゴール会場では、みやげ物の屋台をはじめ、イタリアのビールブランド「モレッティ」のラドラー(レモン風味のビアカクテル)、ジロの主催者でもあるスポーツ新聞「ガゼッタ・デロ・スポルト」紙を配布する女性たちなどが次々に現れ、観戦ムードが高まった。この日のステージは、地元イタリアの新鋭ダヴィデ・フォルモロ(チーム キャノンデール・ガーミン)が優勝。22歳のフォルモロが挙げたプロ初勝利を祝おうと、表彰ステージの前に大勢の観衆が詰めかけて歓声を上げた。

 「本場のレースを観たのは初めて」という信濃勇介さんは、スマートフォンを動画モードにしてスタンバイ。レースを終えてチームバスに戻る選手らを熱心に撮影していた。信濃さんは、「選手との距離がほとんどなく、間近で楽しめた。ゴール後に別府選手が目の前を通った時、『お疲れさま!』と声をかけたら『ありがとう』と振り返りながら返事をしてくれた。最高の日になった」と満面の笑みで語った。

ゴール後にチームカーへ向かう選手とは、この距離ゴール後にチームカーへ向かう選手とは、この距離
ゴールを終えた選手を熱心に撮影する信濃勇介さんゴールを終えた選手を熱心に撮影する信濃勇介さん
地元イタリアの選手ダヴィデ・フォルモロ(チーム キャノンデール・ガーミン)のステージ優勝は熱狂的に祝福された地元イタリアの選手ダヴィデ・フォルモロ(チーム キャノンデール・ガーミン)のステージ優勝は熱狂的に祝福された
ゴール会場では冷えたモレッティのラドラーを無料配布ゴール会場では冷えたモレッティのラドラーを無料配布
ラ・スパツィアを訪れた「コルナゴ本社&ジロ・デ・イタリア観戦ツアー」参加者ラ・スパツィアを訪れた「コルナゴ本社&ジロ・デ・イタリア観戦ツアー」参加者

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