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ジロ・デ・イタリア2015 第3ステージマリアローザのマシューズがスプリント勝利 “上れるスプリンター”の本領発揮

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 ジロ・デ・イタリア第3ステージは5月11日、ラパッロからセストリ・レヴァンテまでの136kmで争われ、個人総合首位の証であるマリアローザを着用するマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がゴールのスプリント勝負を制した。中盤のカテゴリー山岳をメーン集団でクリアしたマシューズは、人数が絞られた中でゴール勝負という得意のパターンに持ち込んでの快勝。マリアローザを守ったほか、新人賞のマリアビアンカもキープしている。

マリアローザを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がステージ優勝を飾ったマリアローザを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がステージ優勝を飾った

 スタート地のラパッロ、ゴール地のセストリ・レヴァンテともにリグリア海を望む街だが、コースは内陸の山岳地帯をめぐる設定。スタート直後からアップダウンを繰り返すレイアウトで、24.5km地点で3級山岳、92.5km地点で2級山岳を通過する。ここからゴールまでの43kmは下りか平坦のため、上りに強いスプリンターにとっては、中盤までの山岳を無難に越えればステージ優勝のチャンスが生まれるコースだ。

 レースはスタート直後に活発な逃げがみられ、一時は逃げ集団が25人に膨れ上がるほどの大所帯に。やがて落ち着きを見せたが、それでも20人が先を急いだ。さすがにメーン集団もその動きを簡単に容認するはずはなく、優勝候補のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)を擁するティンコフ・サクソを中心に、1分から1分30秒のタイム差でレースを進行させた。

集団の先頭に立ち、積極的にコントロールするティンコフ・サクソ集団の先頭に立ち、積極的にコントロールするティンコフ・サクソ

 このステージ最大の難所、2級山岳バルバジェラータで少しずつ動きが出始める。頂上を目前に、逃げグループからパヴェル・コチェトコフ(ロシア、チーム カチューシャ)がアタック。単独で抜け出すことに成功し、山頂をトップ通過。山岳ポイント15点を獲得し、この日の山岳賞を決定させた。一方、メーン集団からはステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)が飛び出し、一度は逃げグループに合流したものの、メカトラブルによってメーン集団へ戻ることを余儀なくされた。

 コチェトコフは山頂からの下りを独走。ともに逃げていた数選手が追い上げを試みるが、20秒から30秒の間で差が推移し、追いつくには至らない。

 そして後方のメーン集団で大きなトラブルが発生。実力者のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がダウンヒル中、コーナーで前輪をスリップさせて上半身から路面に叩きつけられてしまった。顔面と頭部を強打し、全く動くことができない。沿道のファンやレース関係者が周囲の安全を確保しながら、救急隊を待った。

 ポッツォヴィーヴォは前日の第2ステージで落車に巻き込まれて総合争いから脱落。ステージ優勝に狙いを切り替えた矢先のこの日に大会を去ることになった。

終盤、単独で抜け出したパヴェル・コチェトコフ(ロシア、チーム カチューシャ)終盤、単独で抜け出したパヴェル・コチェトコフ(ロシア、チーム カチューシャ)

 快調に逃げていたコチェトコフだが、徐々に疲労の色が見え始める。追走集団からはマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィツェ)、アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)、サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が抜け出し、ゴールまでの残り距離が10kmとなったところでコチェトコフに合流。メーン集団も16秒差にまで迫ってきたが、簡単に吸収されまいと粘る。

 残り5kmを切ると、コチェトコフが再びアタック。マシューズのマリアローザを守るため、逃げメンバーで唯一先頭交代に加わっていなかったクラークがここでもしっかりとチェック。残り4kmでメーン集団に吸収されたが、クラークはそのまま集団牽引に加わってマシューズのスプリント勝負に備えた。

 最終局面に向けてティンコフ・サクソ、アスタナ プロチーム、BMCレーシングチーム、チーム スカイなどが集団前方で位置取り争いを展開。そして、アスタナがわずかに抜け出してスプリント態勢へと突入した。

 真っ先に鋭い加速を見せたのはファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)。その脇からフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)も上がってくる。しかし、残り100mを切ってグングンと伸びてきたのはマシューズだ。ひときわ輝くマリアローザ姿で先頭に立つと、勝利を確信し両手を広げてフィニッシュラインを通過。総合リーダーが見事にステージ優勝を決めた。

エスケープグループの中でも積極的に走ったディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)。山岳賞争いでは2位に付けるエスケープグループの中でも積極的に走ったディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)。山岳賞争いでは2位に付ける

 マシューズにとっては、昨年の第6ステージ以来となるジロ通算2勝目。この時と同様に、今回も上りをしっかりと走りきったうえで最後の勝負をものにした。

 日本勢は2選手とも無理せずグルペットで1日を終えた。別府史之(トレック ファクトリーレーシング)がトップから14分7秒差の102位、石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が22分12秒差の171位でそれぞれフィニッシュ。総合では、別府が17分37秒差の110位、石橋が43分45秒差の191位となっている。

 12日の第4ステージは、キアーヴァリからラ・スペツィアまでの150kmで争われる。序盤からアップダウンの連続で、3級山岳を3つ越える設定だ。最後に越えるビアッサからゴールまでは約10km。上りでアタックを成功させた選手にステージ優勝のチャンスがありそうだ。総合成績を狙う選手にとっては、取りこぼしの許されないステージといえる。

文 福光俊介・写真 砂田弓弦

第3ステージ結果
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 3時間33分53秒
2 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
3 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム)
4 セルゲイ・ラグティン(ロシア、チーム カチューシャ)
5 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ プロチーム)
6 ルーカ・パオリーニ(イタリア、チーム カチューシャ)
7 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、サウスイースト)
8 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
9 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)
10 ヨナタンアレハンドロ・モンサルベ(ベネズエラ、サウスイースト)
110 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +17分07秒
171 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +22分12秒

個人総合(マリアローザ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 8時間06分27秒
2 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +6秒
3 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +10秒
4 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +17秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
7 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
8 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ プロチーム) +23秒
9 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)
10 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ プロチーム)
126 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +17分37秒
191 石橋学(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +43分45秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 53pts
2 マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカットリ) 40pts
3 モレノ・ホフラント(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 35pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 パヴェル・コチェトコフ(ロシア、チーム カチューシャ) 15pts
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 12pts
3 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 7pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 8時間06分27秒
2 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +10秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +23秒

チーム総合
1 オリカ・グリーンエッジ 23時間40分59秒
2 ティンコフ・サクソ +7秒
3 アスタナ プロチーム +13秒

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