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鹿屋体育大学を卒業したばかりの22歳日本人最年少でグランツール出場の石橋学インタビュー 「自分の将来も見据えて走りたい」

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 プロ入り1年目でジロ・デ・イタリアのメンバーに選ばれ、日本人選手では歴代最年少となる22歳でグランツール(世界3大ステージレース)に出場している石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)。5月10日の第2ステージでは、終盤に集団から遅れてしまったが、なんとか最後まで走りきって第3ステージへとつないだ。緊張に包まれながらも初めてのビッグレースに挑む心境を聞いた。 (聞き手 田中苑子)

レース前、ホテルで朝食をとる石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ) ©NIPPO Vini Fantiniレース前、ホテルで朝食をとる石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ) ©NIPPO Vini Fantini

早くから国際大会で頭角

 石橋学は青森県南部町出身で、多くのスポーツ選手を生んでいる青森山田高校から、自転車競技の名門・鹿屋体育大学へと進み、今年の3月に卒業したばかり。脚質はオールラウンダーで、昨年のU23全日本選手権タイムトライアルの勝者でもある。

2014年のU23個人タイムトライアル王者だ ©NIPPO Vini Fantini2014年のU23個人タイムトライアル王者だ ©NIPPO Vini Fantini

 物静かな性格で、「自分は勝つ選手ではない」と話すとおり、大学時代は目立つタイプではなかったかもしれないが、彼の実力は確かなものだ。チームNIPPOの大門宏監督は、早い段階から石橋の可能性に注目し、彼が大学3年だった2013年からサポートを開始している。石橋は大学に在学しながら、長期休暇などを利用して、大門監督のチームに合流し、ヨーロッパなど世界のプロレースで経験を積んだ。

 石橋が初めて出場した海外のプロレースは、2013年のツール・ド・ランカウイ(マレーシア、UCI2.HC)。当時、NIPPOのチームメートだったジュリアン・アレドンド(現トレック ファクトリーレーシング)が、予想をはるかに上回る好成績を連発し、中盤のステージで総合リーダーに立った。このとき、右も左もわからない状態だった石橋も、必死になってチームメートと共にアレドンドをアシストし、アレドンドの個人総合優勝に貢献した経験をもつ。2014年も同じようにNIPPOで活動し、アジアトップのステージレースであるツアー・オブ・チンハイレイク(中国、UCI2.HC)では逃げを打つシーンもあった。

2014年のツアー・オブ・チンハイレイク、第8ステージで逃げに乗った ©tanakasonoko2014年のツアー・オブ・チンハイレイク、第8ステージで逃げに乗った ©tanakasonoko
第2ステージのスタート地点に現れた石橋。いよいよロードレースのスタート ©NIPPO Vini Fantini第2ステージのスタート地点に現れた石橋。いよいよロードレースのスタート ©NIPPO Vini Fantini

「クネゴの近くにいて、必要なときに動く」

 そして2015年、新しくプロコンチネンタルチーム登録となったNIPPO・ヴィーニファンティーニと契約を結び、プロ選手としての第一歩を踏み出した。NIPPOはシーズンの初めにジロ・デ・イタリアの出場枠を獲得。その頃から、ジロに出場する可能性があることは石橋に伝えられていた。ジロでの絶対的エースとなるダミアーノ・クネゴ(イタリア)と同じレースを走ることが多く、ジロに向けてのカウントダウンが始まっていた。

 しかし、実際に出場が決まったのは、大会開幕まで1週間を切ってから。チームが出場選手を発表すると「ツイッターのフォロー数が一気に増えたり、日本で大きな反響があることを感じています」と石橋は苦笑いする。そして「若い選手が多いこのチームで、将来を期待されて選ばれたメンバーだと思う。自分の将来も見据えて走りたい」と抱負を語る。

NIPPO・ヴィーニファンティーニはダミアーノ・クネゴ(手前左)をリーダーに、若手が多いメンバーで臨む ©NIPPO Vini FantiniNIPPO・ヴィーニファンティーニはダミアーノ・クネゴ(手前左)をリーダーに、若手が多いメンバーで臨む ©NIPPO Vini Fantini

 ジロ出場については、「未体験のことなので、不安もあるけれど、頑張ろうという気持ちがとても強い。なかなか巡ってくるチャンスではないので、今後につながるよう自分自身に生かしていきたい」と話す。目標は「1日でも長くレースに残り、チームのために仕事をする」こと。具体的に与えられる役割については、「クネゴの近くにいて、何か彼が必要なときに動くのが自分の仕事になると思う」と語る。

果てしなく長く、大きな挑戦

第2ステージは単騎で遅れ、苦しいレースになった第2ステージは単騎で遅れ、苦しいレースになった

 エリートカテゴリー1年目、22歳という若さについては、「ヨーロッパのレースでは同年代の選手が多く、チームメートにも多いので、特別なことだとは思わない」と話す。今後については、「いまのチームにいるのは、日本のスポンサーのおかげ。将来的には自分の実力だけで、トップチームに入れるようになりたい」と夢を語る。年齢的に2020年の東京五輪も大きな目標となるだろう。

 今大会で街から街へ走るラインレースの初日となった第2ステージ、石橋は山岳で大きく遅れてタイムアウト寸前でゴール。本調子には遠く、厳しいステージになってしまった。最終日まで残り19ステージ。果てしなく長く、大きな挑戦が始まっている。

ゴールすれば、すぐに明日のレースが待っている ©NIPPO Vini Fantiniゴールすれば、すぐに明日のレースが待っている ©NIPPO Vini Fantini

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