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悲願のグランツール・ステージ優勝を狙う4回目のジロに挑む別府史之インタビュー 「これまでのすべてをかけて勝利をつかみたい」

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 5月9~31日に開催されるイタリア一周自転車レース「ジロ・デ・イタリア」。日本の別府史之(トレック ファクトリーレーシング)は、自身4回目の出場を迎える。今回は、チームのエースを助ける仕事だけでなく、自身が好成績を挙げることをチームから期待され、ステージによっては勝利を狙うエースとして走る可能性が大きい。別府本人も「これまでのすべてをかけて勝利をつかみたい」と意気込んでいる。 (聞き手 田中苑子)

「ピンクのカーペット」を通り、チームプレゼンテーションの会場に入る別府史之(トレック ファクトリーレーシング) <田中苑子撮影>「ピンクのカーペット」を通り、チームプレゼンテーションの会場に入る別府史之(トレック ファクトリーレーシング) <田中苑子撮影>

チーム最年長で挑む

チームメートやスタッフと談笑。ベテランとしてチームをまとめる立場だ <田中苑子撮影>チームメートやスタッフと談笑。ベテランとしてチームをまとめる立場だ <田中苑子撮影>

 昨年に続き2年連続4回目のジロ・デ・イタリア出場を迎えた別府史之。32歳となり、チーム内では今回のジロの出場メンバーの中で最年長。ツール・ド・フランスを含めたグランツール(世界3大ステージレース)への出場経験も豊富で、すでにベテラン選手の域に差し掛かりつつある。

 「グランツールの場合、チームのまとまりがとても大事で、たとえばレース後に選手同士で励まし合ったり、食事のときに楽しい雰囲気を作ったり…。真剣に戦う場所ではあるけれど、3週間という長丁場、チームみんなで楽しく過ごすことも大切なこと」と話す別府。信頼、尊敬、友情などで結ばれたチームの絆が、結果にも大きくつながっていく。

2週目に勝利のチャンス

今年は自身の結果も狙っていくという <田中苑子撮影>今年は自身の結果も狙っていくという <田中苑子撮影>

 昨年も同じトレック ファクトリーレーシングで出場したが、「総合成績を狙う選手、山岳賞を狙う選手、ゴールスプリントで勝ちたい選手…すべてのタイプの選手が揃っていたので、どんなステージでもアシストとしての仕事があり、チームのために走ったジロだった。チームの成績は良かったものの、自分の成績を狙う機会はなかったのが残念」と振り返る。

 今大会でチームの絶対的エースは、スプリンターのジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)。別府にとって、彼をゴールスプリントで勝たせることが大きな使命となるが、昨年とは異なる展開となることも強く意識している。

 「昨年のコースは平坦か、厳しい山岳かのどちらかということが多かったけれど、今年はアップダウンのあるステージが多く、(チームの選手編成を含めて)レースの形が変わると思う。逃げ切りの展開となれば、自分にチャンスが回ってくる。今年は大きなチャンスのある年だと思う」と分析する別府は、自身の勝負どころも思い描いている。

 「逃げ切れるステージや、逃げの動きを見極めて(勝利を)狙っていきたい。とくに2週目にチャンスがあると思っている」

コンディションは「ベスト」

アムステルゴールドレースでの別府。春のクラシックレースを多く走り、調子が上がっている <砂田弓弦撮影>アムステルゴールドレースでの別府。春のクラシックレースを多く走り、調子が上がっている <砂田弓弦撮影>

 今シーズンは当初からジロを大きな目標に掲げ、コンディションを合わせてきた。これまで以上に引き締まった脚が印象的で「昨年のジロよりも2kg軽く、最後の出場レースとなったアルデンヌクラシックから1kg落してきた」と話す。体脂肪はわずか6%だ。春のレーススケジュールは、いくつかのワールドツアーのステージレースが予定されていたものの急きょ変更され、ツール・ド・フランドルやアルデンヌクラシックといった重要なワンデーレースを転戦した。

 「大きなレースに選んでもらい、チームのための仕事をしていくなかで、調子はあがり、いいコンディションで(ジロのスタートのために)サンレモに入ることができた。体重も軽いので、身体がよく動くし、力も入る。脚がよく回って、チームタイムトライアルの試走では思いがけずチームメートを置き去りにしてしまったくらい。ベストなコンディション」

 ジロに入る前は、自宅で芝刈りをするなどリラックスして過ごし、心身ともにとてもいい状態でスタートを切る。

第1ステージのチームタイムトライアルに向け、メカニックがTTバイクを準備する <田中苑子撮影>第1ステージのチームタイムトライアルに向け、メカニックがTTバイクを準備する <田中苑子撮影>

「ジロは本当に美しく、大好き」

 別府は以前からジロを好きなレースの一つとして挙げている。その理由はいくつもあるという。

 「(イタリアの)食事が美味しいことと、気持ちのいい気候、人懐っこいイタリア人の人柄。ドロミテなどの山岳にしても、きついけど、その風景は美しく、そこを自転車で走れるのは気持ちがいい。ジロは本当に美しく、大好きなレース」

 ちなみにイタリアでは、転戦する各地で提供される食事が美味しく、また栄養バランスも選手食に近いため、他の国ではチームに帯同するシェフが、ジロには帯同しないのだとか。

 最後に、今年、ジロに初出場する22歳の石橋学(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)について、「日本人の若い選手がグランツールに出て、一緒に走れるのは嬉しいこと。自分の可能性を信じて、思い切って走ってほしい」とエールを送った。

屈託のない笑顔はヨーロッパに渡った頃と同じ、希望に満ちた少年のようだ <田中苑子撮影>屈託のない笑顔はヨーロッパに渡った頃と同じ、希望に満ちた少年のようだ <田中苑子撮影>

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