新たなニーズを獲得街の自転車屋さんが車いすも整備 専門の「安全整備士」資格者が増加中

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車いす安全整備士の資格を取得した石本雅映さん。店内には販売用の自転車が並ぶ =兵庫県尼崎市(平田雄介撮影)車いす安全整備士の資格を取得した石本雅映さん。店内には販売用の自転車が並ぶ =兵庫県尼崎市(平田雄介撮影)

 街の自転車屋さんが車いすを整備するケースが増えている。購入者の「近所で修理を頼める場所がない」という悩みに応えるためだ。業界団体によると、専門資格の「車いす安全整備士」の取得者も増加中という。車いす整備も手がける自転車販売店主は「『修理のために製造業者へ送らなくても済んだ』などと喜んでもらえ、こちらも励みになる」と話している。

出張での修理も

 キュッ、キュッ、キュッ-。店頭販売している自転車を背に、慣れた手つきで車いすをひっくり返し、不具合がないかどうか目をこらす。自転車販売店「石本自転車」(兵庫県尼崎市)の経営者、石本雅映(まさてる)さん(57)は昨年9月、福祉用具の安全性を評価する一般社団法人「日本福祉用具評価センター」(JASPEC、神戸市)が認定する車いす安全整備士の資格を取得した。

 公表されている取得者の中で、自転車店の経営者としては関西初。「車いすのタイヤに空気を入れに来たお客さんが、保守点検を頼める場所がないと悩んでいたので、何かできないかと思った」と話す。今では近所の福祉施設に出張修理に出向くこともあるという。

整備士はメーカーや施設職員が大半

 JASPECによると、車いすは、介護保険に基づいてレンタルで利用している人は貸出業者が保守点検を行う。だが、身体障害者らが市町村の助成を受けて購入する場合は自ら整備する必要があり、身近な自転車店に依頼するケースが多い。

 だが、車輪が座席の前後に並ぶ自転車と、座席の左右に並ぶ車いすでは構造上の特性が異なる。さらに、車いすは安全や衛生面で留意すべき点も多い。自転車店の自転車整備経験は分解や組み立て作業に役立つが、車いすの整備には専門的な知識や技術を習得する必要があるという。

 現在の認定登録者は約800人。車いすメーカーの営業担当者や福祉施設の職員らが大半を占め、自転車店経営者らで登録名簿を公開しているのは全国で7人にとどまるが、有資格者は着実に増えているという。

量販店ではできない取り組みを

 自転車店にとっては、福祉への貢献とともに、新たなニーズを獲得できる面もある。石本さんは「量販店ではできない、かゆいところに手が届く、街の自転車屋さんならではの取り組みとして続けていきたい」と話す。

 車いすが故障すれば利用者は即座に生活に困ることになるだけに、JASPECの西山輝之管理部長(44)は「暮らしに身近な街の自転車屋さんの手で保守点検が広く適切に行われるようになるのは良いことだ」と歓迎している。

産経ニュースWESTより)

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