デリアックが一時総合3位にキナンが「ツール・ド・ロワール・エ・シェール」で総合上位争い チームの成長を実感

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 3月から欧州遠征に臨んできたUCIコンチネンタルチーム「キナン サイクリングチーム」が、4月15〜19日にフランスで行われたステージレース「ツール・ド・ロワール・エ・シェール(UCI2.2)」に出場した。今回の遠征で最後となるレースだけに、それまで参加した3レースを上回る成績を求め、より実践的な走りを目指しての参戦となった。
 (レポート キナン サイクリングチーム)

欧州遠征最終戦となる5日間のステージレース「ツール・ド・ロワール・エ・シェール」に出場欧州遠征最終戦となる5日間のステージレース「ツール・ド・ロワール・エ・シェール」に出場

激しい主導権争いが続いた序盤戦

スタート前のチーム紹介。多くの観客が集まるスタート前のチーム紹介。多くの観客が集まる

 4月15日に行われた第1ステージは175km。快晴で気温は30℃を超えた。初日とあって、スタート直後から時速50km/h超でのアタック合戦が続いた。いくつかの単発の逃げと吸収が繰り返されたが、ハイスピードのため長続きしない。スタートから32㎞地点を過ぎたところで、ついに9選手が逃げを成功させ、最大5分まで差を広げた。

 しかし今回のレース、各チーム6人ずつ30チーム、計180選手が参加しており、9チームが逃げ集団を形成しても、21チームが追いかける計算となる。逃げ集団に加わらなかったチームが徐々にタイム差を詰め、残り40kmを切ったところで先行する9人を吸収。その後は細かなアタックが繰り返された。

 レース終盤には、一度ゴール地点を通過してから15kmの周回コースを3周する。残り1周を切ったところで、集団前方で大きな落車が発生。コースが狭く大勢の選手が足止めとなり、キナンチームも影響を受けた。チームに大きなケガ人はいなかったものの、集団が2つに分かれたことで、水野恭兵、ジャイ・クロフォード、伊丹健治、グレゴー・ガズボダが後方のグループに取り残され、若干のタイム差が付いた状態でゴールした。ガズボダは落車に巻きこまれた際にフレームを破損。急遽ニュートラルサービスからスペアバイクを借り、翌日からのステージを走ることになった。

第2ステージでスタートを待つロイック・デリアック第2ステージでスタートを待つロイック・デリアック

 16日の第2ステージは196km。スタート直後からアタックが繰り返されるものの、60km地点までは、逃げては捕まりを繰り返すハイスピードの展開が続く。ようやく2人が抜け出して最大5分まで差を広げ、メーン集団は落ち着きをみせた。

 このまま終盤まで落ち着いた状態で進むかと思われたが、86km地点の補給所を過ぎたころ、まだ100km以上の距離を残すなかで、チーム ヴァンデUが勝負に出た。道が細くなるポイントを利用して、6人全員でスピードを上げ始める。ここに他チームも加わり、集団が長く伸びた。

 集団が割れ、総合首位のドイツナショナルチームの選手が後方に取り残されたことで、ヴァンデU対ドイツナショナルの構図となり、双方の我慢比べが続く。しかし徐々に差が開きはじめ、ドイツチームが崩れたところで、後方集団は追いかける術を失った。18人の先頭集団のゴール争いは、前日3位だったヴァンデUのカルディスが制し、同時に総合首位をもぎ取った。

 この日、前の集団にデリアックが残り、ゴールスプリントで落車したものの16位でゴール。野中が第2集団、ガズボダ、クロフォード、水野が第3集団でゴールした。しかし、伊丹は完走したもののタイムアウトとなってしまった。

デリアックが逃げて総合3位に浮上

第3ステージでデリアックが逃げを決めた第3ステージでデリアックが逃げを決めた

 17日の第3ステージは209km。スタート直後からアタック合戦が続き、25㎞を過ぎたところで11人が逃げに成功した。リーダーチームのヴァンデUが容認したことで、みるみる差が開いたが、この逃げ集団に総合でわずか16秒遅れのデリアックが入っていた。タイム差を得たデリアックがバーチャルリーダーとなり、あわてたヴァンデUが追い始めるものの、逃げる人数が多くどんどん差が開いて最大6分差となった。

 個人総合2位のチームも追走に加わったことで、徐々に逃げとの差は縮まったが、ラスト10kmで1分20秒差と、吸収するにはギリギリ。11人で逃げ始めたグループは6人まで減り、駆け引きのなかから2人が抜け出して先行ゴール。デリアックを含む4人も何とか吸収は免れ、メーン集団の7秒前でゴールした。その結果、デリアックは総合2位に2秒差の総合3位へとジャンプアップした。

 18日の第4ステージは171km。スタート直後から始まる上りでのアタック合戦から4人が抜け出した。すぐにリーダーチームのヴァンデUがコントロールを開始。逃げる4人のうち、総合上位の選手は1人。55㎞過ぎで最大5分差が付いたが、その後確実に差を詰めていく。

細かなアップダウンが続く[/caption]
狭い石畳の市街地狭い石畳の市街地

 ハードなコースで遅れる選手が出てくるなか、ヴァンデUは攻撃を緩めずペースアップ。ラスト10㎞を過ぎて逃げグループを吸収し、その後リーダーのカルディス自らアタックする場面も見られた。レースは集団のままゴールへ向かい、ゴールスプリントでカルディスがステージ優勝。ヴァンデUがチーム力を見せつけるステージとなった。

 デリアックは総合3位をキープ。野中は先頭集団からやや遅れたグループで、クロフォード、ガズボダ、水野はグルッペットでゴールした。最終日は市街地の周回コース。デリアックが2秒差の総合2位を逆転するため、ボーナスタイムを狙って全員で攻撃する作戦だ。ボーナスタイムを得られるのは、中間スプリントとゴールの計4回。

悔しい結果も大きな経験に

総合2位を狙ったデリアックだったが…総合2位を狙ったデリアックだったが…

 大会最終日の19日、第5ステージは、1周7.5㎞を13周する97.5kmで争われた。スタートから総合下位の8人が飛び出し、最大50秒の差を付けた。逃げグループはメンバーを減らしながら逃げ続けたものの、ラスト2周を切ったところで吸収。集団はヴァンデUとロット・ソウダルU23が高速でコントロールする。デリアックは集団内で前方をキープ。チームメートが近くでサポートし、また一時はクロフォードと野中が先頭ローテーションに加わりながら周回を重ねた。

 逃げ集団が先行しているため中間ボーナスは獲得できず。デリアックはゴールで上位を狙ったが、狭いコースで位置を下げてしまい、集団後方でゴール。さらに長く伸びた同一集団内で、わずかにタイム差が生じ、順位の入れ替わりが発生してしまった。デリアックは総合3位の座を、最後のゴールラインで逃すことになり、総合9位でレースを終えた。

石田哲也監督のコメント

 ロイック・デリアックが攻めた結果、暫定で総合3位となり、その中でチームは選手により緻密な走りを求めたことで、大きな経験が積めたと感じています。残念ながら最終日に総合9位へと順位を落としてしまったことも、発展途上なので仕方がありません。ツール・ド・ノルマンディーではヨーロッパの厳しい洗礼を受け、ルート・アデリではレベルの高いレースで自信を付け、グランプリ・アドリアモビルではチームとしての動きを実践。 今回のツール・ド・ロワール・エ・シェールでは、リーダーに迫る走りができました。 クリアできた課題、新たにレベルの高い課題が見えてきたことにチームの成長を実感しています。 日本のレースにはいいコンディションで挑めることをうれしく思います。 今回の遠征で大きな落車、ケガによる離脱者が出なかったことも成果だと感じます。

◇      ◇

 最後は悔しい結果となったが、今回の欧州遠征でチームは大きな実戦経験を積むことができた。チームはすぐに日本に戻り、4月25、26日のJプロツアー・群馬CSCロードレースに参加。5月はツアー・オブ・ジャパン、そしてツール・ド・熊野と日本での大きなレースが控えている。

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