工具はともだち<71>家族や恋人のように大切な日々のケア 丁寧に使ってトルクレンチの精度をキープ

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工具を長く使い続けるための保管方法や日頃のケアが今回のテーマ工具を長く使い続けるための保管方法や日頃のケアが今回のテーマ

 4月も終盤になり、そろそろゴールデンウィーク中のライドの計画に頭を悩ませている方もいらっしゃるのでは?春夏秋冬いつでも自転車生活なサイクリストの方、寒い時期に愛車を眠らせたままだった方などさまざまだと思いますが、いざ乗る前には、安全のための点検が必要ですよね。ボルトやナットの締め付け、パーツ取り付けに必要な、みなさんの“ともだち”である工具も全く同じなんです。

プレセット型は最小トルクにして保管

 雨のなかのライドの後は、濡れた自転車をふきとらないと、パーツが錆びて劣化してしまいますよね。工具も同じで、濡れたまま放置してしまうと、一部から錆が発生して、それが内部に浸透していきます。最終的には脆くなり、使い物にならなくなってしまいます。水分をふき取る、軽く油で拭いてあげる、といった簡単なケアが必要なんです。

 サイクリストの皆さまに、確実なメンテナンスをするためにオススメしている「トルクレンチ」は、もっとシビアなケアが必要です。トルクレンチは、「計測機器」と呼ばれる工具に属します。雑な扱いは測定の精度が落ちていく原因になるため、スパナやレンチ類以上に注意深く取り扱う必要があります。使用前には異常がないかを点検し、使う時も常に丁寧に取り扱って下さい。家族や恋人をケアするのと同じように、日頃から大切にしてくださいね。

「プレセット型」のトルクレンチは、測定範囲の最低値にトルクをセットして保管「プレセット型」のトルクレンチは、測定範囲の最低値にトルクをセットして保管

 また保管にも注意が必要なので、大半のトルクレンチは樹脂製などの専用ケースに入れて販売されています。保管するときはそのケースに入れて、高温・多湿やほこりの多い場所を避けるようにしてくださいね。また、自分でトルクを設定できる「プレセット型」のトルクレンチは、内部構造の一部にスプリングを採用しています。スプリングのへたりを最小限に抑えられるよう、設定トルクを測定範囲の最低値にセットして保管するのが理想的です。

工具の修理作業を見学できる「匠工房」

 それでも、使用していくにつれて測定精度に狂いが生じてくる可能性があります。地面への落下なども、精度を狂わせる一つの原因です。だからといって、落としてしまった時に「もう、このトルクレンチはおしまい!?」なんて思わないでくださいね。皆さんに精度の高いトルクレンチを使い続けていただけるよう、各工具メーカーが修理や点検、測定精度の調整などのサービスを提供しています。

 ビジネスで使用されている場合は、お使いの計測機器が国際基準に適合しているものであるという校正証明書の発行も有償で行ってくれます。もちろん、我々KTC(京都機械工具)も、品質保証やアフターサービスを京都府久御山町の本社で行っています。

「KTCものづくり技術館 匠工房」「KTCものづくり技術館 匠工房」

 現在、KTCではお買い上げいただいたお店経由でのご依頼となりますが、本社に併設された「KTCものづくり技術館 匠工房」では、この春から工具の修理作業をご見学いただけるようになりました(要予約です)。この連載をこれまで担当してきた私が、お越しいただいた方をご案内させていただきます。

 さて、次回からの「工具はともだち」は新しい担当者が執筆することになりました。さらにバージョンアップしていくと思いますので、ご期待下さいね。

小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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