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つれづれイタリア~ノ<ジロ2015グルメ・前編>パスタ、肉、そしてワイン ジロ・デ・イタリアのコースに沿ってご当地グルメツアー

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ジロ・デ・イタリア2015ルートマップ ©RCS SPORTジロ・デ・イタリア2015ルートマップ ©RCS SPORT

 パリ~ルーベなどの“北のクラシック”が終わって、イタリア最大の自転車の祭典「ジロ・デ・イタリア」が近づいてきました。これからアルデンヌクラシックが始まりますが、イタリアのマスメディアも私も、心の中はすでに(ジロのテーマカラー)ピンク一色。私は通勤時に、どこかにピンクを取り入れるようにしています。

 さて、2015年のジロ・デ・イタリア各ステージの魅力を“味わって”もらうため、昨年に続いて各地の郷土料理や観光地をご紹介していきます。イタリア料理はあまりにも種類が多いので、ステージごとに一品か二品に限定します。それでは、イタリアの旅に出かけましょう。

第10ステージのゴール地点、フォルリのB級グルメ的な名物、ピアディナ © giallozafferano第10ステージのゴール地点、フォルリのB級グルメ的な名物、ピアディナ © giallozafferano

第1ステージ(5月9日)サン・ロレンツォ・アル・マーレ~サンレーモ

 今年は珍しく1つの州に4つのステージが集中しています。コンパクト開催を目指しているのでしょうか。というわけで、第1~4ステージまでの舞台はリグリア州。第1ステージのゴールはサンレモです。

サンレモのフォカッチャは、アンチョビと合わせるとさらにおいしい © giallozafferanoサンレモのフォカッチャは、アンチョビと合わせるとさらにおいしい © giallozafferano

 サンレモといえば、イタリアカンツォーネの祭典「サンレモ、イタリアカンツォーネ音楽祭」、春のクラシック「ミラノ~サンレモ」が開催される都市。気候の良さと景色の美しさが特徴で、イタリア屈指の海のリゾートでもあります。

 サンレモでは海の幸とふかふかのフォカッチャが有名。そのフォカッチャに特産のアンチョビを乗せれば、最高のごちそうを味わえます。塩気を流すには、地元のフレッシュな白ワイン、ヴェルメンティーノがおすすめ。5月はちょうど飲み頃です。

第2ステージ(5月10日)アルベンバ~ジェノヴァ

 ジェノヴァと言えば『母をたずねて三千里』の主人公であるマルコくんの住む街、そしてアメリカ大陸を発見したクリストフォロ・コロンボ(英語名:クリストファー・コロンブス)が生誕したとされる街。海と深い縁のある場所です。

 私が高校1年生の修学旅行でこの街を訪れた時の、あの衝撃はいまだに忘れられません。緑色が特徴的なソース、ジェノヴェーゼとの初めての出会い。当時は色からすると「食べものじゃない!」と勝手に思っていましたが、予想を裏切る柔らかくて深みのある味に圧倒されました。

イタリアでも全国的に知られたのは近年のことだというジェノヴェーゼ。スイートバジルと松の実が深い味を生み出す © giallozafferanoイタリアでも全国的に知られたのは近年のことだというジェノヴェーゼ。スイートバジルと松の実が深い味を生み出す © giallozafferano

 実は、イタリアでもジェノヴェーゼが全国的に知れ渡ったのは、1990年代前半でした。ぜひ特産のスイートバジルと松の実のクリーミーな感動を味わってください。

第3ステージ(5月11日)ラパッロ~セストリ・レヴァンテ

 海のリゾート、ラパッロを出たグルッポ(プロトン)が山に向かいます。リグリア州の山は、小ぶりな黒トリュフが有名です。さらに野ウサギ料理も特徴的で、地元の松の実とオリーブと一緒に調理すると、さっぱりしたおいしい郷土料理ができあがります。ジビエの臭みはありません。

第4ステージ(5月12日)キャヴァリ~ラ・スペツィア

 世界遺産の地区、チンクエ・テッレを走るステージです。リグリア州特有の温暖な気候を利用して、オリーブとレモンの栽培が昔から盛んに行われています。さらに「チンクエ・テッレ」という良質な白ワインが採れます。最近は自転車競技だけでなく、激しい起伏を利用したトレイルランニングが流行っています。

野ウサギを使った郷土料理 © giallozafferano野ウサギを使った郷土料理 © giallozafferano
起伏の激しいリグリア州の山間部は、オリーブとレモン、白ワインが名産 © enitイタリア観光協会起伏の激しいリグリア州の山間部は、オリーブとレモン、白ワインが名産 © enitイタリア観光協会

第5ステージ(5月13日)ラ・スペツィア~アベトネ

牛の内臓を煮込んでパンにのせたブルスケッタ © giallozafferano牛の内臓を煮込んでパンにのせたブルスケッタ © giallozafferano

 海を離れ、トスカーナ州に入るステージです。ルネッサンスの巨匠、ミケランジェロが愛したカッラーラ大理石の採掘場の北側を通って、冬のリゾート地であるアベトネに到着。

 この地域はフィレンツェ料理の影響を受けていて、肉料理が多い。特に牛の内臓をトマトで煮込んだ料理が有名。ホルモン、モツの苦手な人も、甘く煮込んだ肉を食べればこの味の虜になるでしょう。

第6ステージ(5月14日)モンテカティニ・テルメ~カスティリーネ・デッラ・ペスカヤ

 これぞトスカーナ!! ようやく、日本のテレビ番組でもよく放送されるような、イタリアらしい景色が広がります。スタートのモンテカティニ・テルメは有名な温泉地なので、選手たちはここまでの疲れを癒すことでしょう。ゴールはトスカーナの“ディープ”な世界、マレンマ地方にゴール。この地域は海岸沿いにあるため、海風がミネラルを運び、豊かな牧草地が広がります。盛んなのは肉牛の生産。パスタなら、トルテッリという大型の詰め物パスタとイノシシとウサギ料理。

イノシシとウサギが名産のマレンマ地方。じっくりと煮込んだ肉は絶品 © giallozafferanoイノシシとウサギが名産のマレンマ地方。じっくりと煮込んだ肉は絶品 © giallozafferano

 え?肉牛で有名なのにイノシシとウサギ料理? はい。肉牛は売り物で、畑を荒らすイノシシとウサギが特産となっています。駆除できて、肉も食べられる。まさに一石二鳥。じっくり煮込んだイノシシ肉は口の中で溶けるほど柔らかく、噛めば噛むほど味が深みを増します。現地のトラットリアでぜひ注文してください。ワインは、キャンティでしょう。

第7ステージ(5月15日)グロッセート~フィウッジ

 トスカーナを離れ、首都のあるラツィオ州に入ります。ローマを通過せず、その東側にある温泉地、フィウッジ市に到着。実はこのフィウッジ市はイタリアでよく飲まれているミネラルウォーターで有名です。肝臓病に苦しんでいた歴代のローマ法王やミケランジェロも、治療のためにフィウッジの温泉水を飲んでいました。

豚の頬肉、トマト、ペコリーノチーズがハーモニーを奏でるブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナ © giallozafferano豚の頬肉、トマト、ペコリーノチーズがハーモニーを奏でるブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナ © giallozafferano

 フィウッジと言えば、ローマ料理の影響が強い!カルボナーラがもっとも代表的なパスタ料理ですが、ブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナもおすすめ。ブカティーニとは、穴の開いている太めのスパゲッティに豚の頬肉、トマト、たっぷりのペコリーノチーズのソースがかかっています。何回もおかわりしたい一品です。ここで飲むならカステッリ・ロマーニという、価格が安くて飲みやすいワインです。白も赤もありますよ。

第8ステージ(5月16日)フィウッジ~カンピテッロ・マルテーゼ

モリーゼ州で作られるチーズ、カチョカヴァッロ © giallozafferanoモリーゼ州で作られるチーズ、カチョカヴァッロ © giallozafferano

 フィウッジを離れ、モリーゼ州に入ります。「モリーゼはどこですか」「モリーゼ州の主要な都市は?」とイタリア人に聞いても、おそらくほとんどの人は答えられないでしょう。それくらい、かなり知名度が低い土地です。

 山が多いので放牧が盛んに行われ、チーズ類がよく作られます。お勧めできるのが、カチョカヴァッロというチーズです。てるてる坊主に似ていますが、甘みのある味が好まれます。

第9ステージ(5月17日)ベネヴェント~サン・ジョルジョ・デル・サンニオ

なんでもおいしいカンパニア州。特に赤ワインの産地として有名 © giallozafferanoなんでもおいしいカンパニア州。特に赤ワインの産地として有名 © giallozafferano

 ローマ料理はイタリアを代表する料理の一つですが、カンパニア州に入ると、まさに“イタリアの胃袋”に入ります。もっともイタリアらしい料理がここにあります。

 パスタ、ピッツァ、お菓子、そしてワイン! ゴールのサンニオ地区はローマ時代から赤ワインの生産で有名で、ここで作られたワインは古代都市のポンペイまで運ばれていました。サンニオへ行くなら、まずワインとそれに合った料理をウェイターに頼みましょう。

第10ステージ(5月19日)チヴィタノヴァ・マルケ~フォルリ

 美食家として知られているオペラの偉人、ジョアキーノ・ロッシーニの生まれたマルケ州からスタートするこのステージ。ここで1回目の休息日をはさむのですが、おいしい食べ物がたくさんあっても、選手たちが口にできるのがたくさんの野菜だけ。ロードレース選手のつらいところですね。

 ゴールの地は、サッカー日本代表の長友佑都選手が活躍したチェゼナの隣街、フォルリです。長友選手はこの地方の料理は素晴らしいと絶賛していました。その通り、フォルリのあるエミリア・ロマーニア州は生パスタ、パルメザンチーズ、サラミとワインで有名です。

カペッレッティという詰め物パスタもオススメ © giallozafferanoカペッレッティという詰め物パスタもオススメ © giallozafferano

 フォルリの市民の味と言えば、ピアディナ。ピッツァとお焼きの間のような食べ物で、どちらかというとB級グルメっぽい。パスタにはカペッレッティという詰め物パスタがオススメです。地元民が通うトラットリアへ行くと、一人前でも鍋ごと出てきます。食べきれないサイズに思えますが、それでも食べちゃいます。ワインはフレッシュな赤のサンジョヴェーゼに決まり!

 さて、今回のグルメツアーはここまでにします。ちなみに5月はイタリアへの航空券がとても安いので、ぜひ現地でジロを見ながらおいしい料理を堪能してください。それでは、後編もお楽しみに。

文 マルコ・ファヴァロ

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

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