駐日大使夫妻も快走「オランダ~ベルギー・フランダース in 東京散走」で約300人が国際交流ライド

by 上野嘉之 / Yoshiyuki KOZUKE
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 駐日オランダ王国大使館(東京都港区)からベルギー王国大使館(千代田区)へと走り、両国の文化やフードに親しむサイクリングイベント「オランダ~ベルギー・フランダース in 東京散走」が4月12日(日)、東京都心で開催され、約300人が13kmほどの道のりをのんびりと楽しんだ。スタート&ゴール地点には、普段入ることのできない駐日大使館が開放されたほか、2つの国の大使夫妻も参加。春の東京の風情を味わいながら国際交流を深めるサイクリングとなった。

スタート地点のオランダ大使館では満開のチューリップが参加者たちを出迎えた =東京都港区スタート地点のオランダ大使館では満開のチューリップが参加者たちを出迎えた =東京都港区

チューリップが満開のオランダ大使館をスタート

 今年で3回目を迎えるイベントは、オランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局、KLMオランダ航空が主催した。国土のほとんどが平坦な低地で、自転車の活用が極めて盛んな“自転車大国”オランダと、ツール・デ・フランドルに代表される自転車レースの本場・ベルギー。その両国の自転車文化を東京で感じる貴重な機会となった。

さすがオランダ大使館、美しいチューリップがズラリ。ここだけで半日は楽しめそうさすがオランダ大使館、美しいチューリップがズラリ。ここだけで半日は楽しめそう
オランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局、KLMオランダ航空が主催。国際色豊かなサイクリングイベントだオランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局、KLMオランダ航空が主催。国際色豊かなサイクリングイベントだ

 関東地方が絶好のサイクリング日和となったこの日、スタート地点のオランダ大使館では色とりどりの、さまざまな品種のチューリップが満開に。朝から参加者が続々と集まり、大使館前の広場にはロードバイクに限らず様々な種類の自転車が並んだ。また、オランダ名物のバンホーテン社製ココアとサンドイッチが振る舞われ、和やかな雰囲気に包まれた。

オランダ・バンムーフ社製のシティサイクルは近未来的デザインが特徴だが、これは珍しいカーゴバイク。自転車がライフスタイルに密着したオランダらしさを感じさせるオランダ・バンムーフ社製のシティサイクルは近未来的デザインが特徴だが、これは珍しいカーゴバイク。自転車がライフスタイルに密着したオランダらしさを感じさせる
東京都千代田区とNTTドコモが展開するシェアサイクル「ちよくる」で参加する人も多かった東京都千代田区とNTTドコモが展開するシェアサイクル「ちよくる」で参加する人も多かった
スタート地点では、オランダ名物のバンホーテン社製ココアが振る舞われたスタート地点では、オランダ名物のバンホーテン社製ココアが振る舞われた
軽食としてサンドイッチも提供され、参加者はライド前にお腹を満たして出発した軽食としてサンドイッチも提供され、参加者はライド前にお腹を満たして出発した
オランダを代表するスポーツバイクブランド「KOGA」がオランダ大使館で特別展示されたオランダを代表するスポーツバイクブランド「KOGA」がオランダ大使館で特別展示された

 イベントにはオランダのラーディンク・ファン・フォレンホーヴェン駐日大使夫妻、ベルギーのリュック・リーバウト駐日大使夫妻、それに両国の大使館関係者も多数参加した。

オランダのラーディンク・ファン・フォレンホーヴェン駐日大使(左端)、ベルギーのリュック・リーバウト駐日大使(右から2番目)もサイクリングを楽しんだオランダのラーディンク・ファン・フォレンホーヴェン駐日大使(左端)、ベルギーのリュック・リーバウト駐日大使(右から2番目)もサイクリングを楽しんだ
オランダ、ベルギー両国の大使館関係者も多数出場し、春の東京の風情を楽しんだオランダ、ベルギー両国の大使館関係者も多数出場し、春の東京の風情を楽しんだ

そびえ立つ高層ビルの間をライド

 一般参加者は約10人ずつ、1分おきに時差スタート。受付でもらったこの日のサイクリングマップをポケットに入れ、心地よい日差しを浴びながらオランダ大使館を出発していった。

オランダ大使館を出発。シティサイクルでの参加者も多く、思い思いの服装や装備でサイクリングを楽しんだオランダ大使館を出発。シティサイクルでの参加者も多く、思い思いの服装や装備でサイクリングを楽しんだ
スタートしてまもなく現れた東京タワー。その勇姿を見上げずにはいられないスタートしてまもなく現れた東京タワー。その勇姿を見上げずにはいられない

 スタートしてまもなく、最初の観光スポットといえる東京タワーが左手に現れた。参加者らは信号待ちなどの時間に、澄み渡った青空をバックにそびえる東京タワーを見上げたり、写真を撮ったりしていた。また、日曜日のためクルマの少ない東京都心で、そびえ立つ高層ビルの間を走り抜ける体験を楽しんだ。

 イベントのための交通規制は行われず、コースの要所要所で揃いの黄色いTシャツを着た係員が旗を振って誘導した。参加者らは、クルマの多い大通りは特に慎重に走行した。

クルマの多い大通りは、整列して慎重に走行したクルマの多い大通りは、整列して慎重に走行した
ヨーロッパでときどき見られる形式のカーゴバイクでサイクリングを楽しむ人もヨーロッパでときどき見られる形式のカーゴバイクでサイクリングを楽しむ人も
KLMオランダ航空が提供した途中のチェックポイントでスタンプを押してもらう参加者たちKLMオランダ航空が提供した途中のチェックポイントでスタンプを押してもらう参加者たち

 ちょうどコースの中ほどにあたる日比谷公園では、KLMオランダ航空によるチェックポイントが設けられ、参加者は制服姿の客室乗務員にスタンプを押してもらった。ここでしばし休憩した後に、再スタート。さらに北上して丸の内や皇居の方面を目指した。

丸の内仲通り、そしてパレスサイクリングへ

 おしゃれなブティックやカフェが並ぶ丸の内仲通りは、石畳のような路面がヨーロッパの街並みのような雰囲気を感じさせる。そこから、毎週日曜日に皇居前の内堀通りを交通規制して“自転車天国”とする「パレスサイクリング」のコースへ。幅広い道路を目いっぱい使って走れるとあって、参加者は思い思いのペースで自由なライドを楽しんだ。

丸の内仲通りでは、石畳のような路面がヨーロッパの風情を感じさせる丸の内仲通りでは、石畳のような路面がヨーロッパの風情を感じさせる
内堀通りの「パレスサイクリング」のコースへ。ここではクルマが交通規制され、自転車で思う存分に走れる内堀通りの「パレスサイクリング」のコースへ。ここではクルマが交通規制され、自転車で思う存分に走れる
「パレスサイクリング」のコースでは、思い思いのペースで自由に走ることができる「パレスサイクリング」のコースでは、思い思いのペースで自由に走ることができる

 続いて、コースは北の丸公園内へ。美しい公園の景観や、日本武道館といった名所を眺めながらゴールを目指した。国指定重要文化財の田安門を抜けると、美しい桜並木が現れた。すでに花は半分以上散り、若葉が芽吹く葉桜になっていたものの、ピンクと緑が入り混じった光景が春の深まりを感じさせた。

北の丸公園内を進む参加者たち北の丸公園内を進む参加者たち
国指定重要文化財の「田安門」をくぐる参加者たち国指定重要文化財の「田安門」をくぐる参加者たち
田安門を抜けると、桜並木が現れた田安門を抜けると、桜並木が現れた

駐日大使が自らベルギーワッフルを提供

ゴールのベルギー大使館では、リュック・リーバウト駐日大使らが完走者にベルギーワッフルを振る舞ったゴールのベルギー大使館では、リュック・リーバウト駐日大使らが完走者にベルギーワッフルを振る舞った

 ゴール地点のベルギー大使館では、先にゴールしていたリーバウト大使が自らサイクリストを出迎えてねぎらい、ベルギーワッフルを提供。完走証を受け取ったばかりの参加者らは長い列を作り、とっておきのスイーツを受け取った。また、大使館の中庭が開放され、参加者らは庭園でスイーツやコーヒーを楽しみながら疲れを癒した。

2カ月前にスポーツサイクルを始めたばかりの夫妻は、この日が初めてのサイクリングイベント。デザイナーの夫が描いたというタイツが決まってます。次はクリテリウム・レースに参加するそうです2カ月前にスポーツサイクルを始めたばかりの夫妻は、この日が初めてのサイクリングイベント。デザイナーの夫が描いたというタイツが決まってます。次はクリテリウム・レースに参加するそうです

 過去2回の大会はいずれも雨に降られ、今回初めて好天に恵まれたオランダ~ベルギー・フランダース in 東京散走。参加者は、2年前に開かれた第1回大会の約120人から、今回は300人超へと大幅に増え、春の都心のライドイベントとして定着しつつある。

 走り終えた参加者らは、一様に満足そうな様子。特に、大使館の庭でくつろいだり、オランダ、ベルギー両国の文化に触れたりした特別な体験が、強く印象に残ったという。

 また、東京タワーや日比谷公園、丸の内、北の丸公園など東京の中枢部の有名スポットをギュッと凝縮したようなコースも好評だった。「東京のど真ん中を自転車で走る機会なんて普段はないので、新鮮だった」「誘導や案内がしっかりしていたので、ゆっくり安全に走ることができた」という声も聞かれた。

来週、オランダへ旅行するという母が娘を誘って親子で参加。大使館に入ったり、都心を自転車で走れたりして大満足だそうです来週、オランダへ旅行するという母が娘を誘って親子で参加。大使館に入ったり、都心を自転車で走れたりして大満足だそうです
9歳の長男(前列左)と一緒に参加できるライドイベントを探してこの大会へ参加した家族。6歳の次男は二人乗りで都心のサイクリングを楽しみました9歳の長男(前列左)と一緒に参加できるライドイベントを探してこの大会へ参加した家族。6歳の次男は二人乗りで都心のサイクリングを楽しみました

 参加者らが一息ついた後に、オランダ、ベルギー両国の駐日大使があいさつ。ベルギーのリーバウト大使は、自転車レースが盛んなことを紹介し、オランダのフォレンホーヴェン大使は、自転車が生活に密着する形で活用されていることをアピールした。また、オランダで3万5000km、ベルギーで1万kmと、両国で計4万5000kmもの自転車道が整備されていることが紹介され、「ぜひ自転車で旅をしてほしい」と呼びかけられた。

リーバウト駐日ベルギー大使リーバウト駐日ベルギー大使
フォレンホーヴェン駐日オランダ大使フォレンホーヴェン駐日オランダ大使
抽選の当選者には、KLMオランダ航空からアムステルダムへの往復航空券がプレゼントされた抽選の当選者には、KLMオランダ航空からアムステルダムへの往復航空券がプレゼントされた

 そしてKLMオランダ航空の提供により、参加者の中から1人にアムステルダムへのペア往復航空券がプレゼントされる抽選が行われ、当選者にその場で目録が贈られた。最後はオランダ、ベルギー両国の大使や参加者、スタッフらが一緒に記念写真に収まり、来年のイベント開催や参加を誓っていた。

最後は参加者や大使館関係者、大会スタッフが集まって記念撮影。心温まる国際交流ライドとなった最後は参加者や大使館関係者、大会スタッフが集まって記念撮影。心温まる国際交流ライドとなった ※クリックして写真ページへジャンプすれば、拡大画像をダウンロードできます

■サイクリストなら一度は訪れたい自転車大国

生活の中に自転車が密着しているオランダ。子どもや動物、荷物を運べるカーゴ車もとても多い ©Yoko Aoki生活の中に自転車が密着しているオランダ。子どもや動物、荷物を運べるカーゴ車もとても多い ©Yoko Aoki

 「オランダ人は自転車に乗って生まれてきた」と言われるほど、オランダでは生活に自転車が密着している。自転車保有率は世界一で、1人あたり1台以上を所有。国内には全長3万5000kmもの自転道が整備されているほか、コンパクトに設計された町、平らな国土、優れたインフラ、車の代替交通手段として政府の助成制度などが自転車の生活利用を後押ししている。また、2015年のツール・ド・フランスは、オランダのユトレヒトがグランデパール(出発地)となる。ユトレヒト生まれの人気キャラクター、ミッフィーも大会マスコットとして活躍している。

ツール・デ・フランドル2015のワンシーン。選手たちは世界最高峰の栄誉をかけて戦い、沿道は熱狂に包まれる ©Yuzuru SUNADAツール・デ・フランドル2015のワンシーン。選手たちは世界最高峰の栄誉をかけて戦い、沿道は熱狂に包まれる ©Yuzuru SUNADA

 ベルギーはスポーツとしての自転車人気が非常に高く、世界最高と称される伝説のロードレーサー、エディ・メルクスを筆頭に、現役選手のトム・ボーネン(エティックス・クイックステップ)ら強豪ロードレーサーを数多く輩出してきた。100年を超える歴史を誇るロードレース「ツール・デ・フランドル」(ロンド・ファン・フラーンデレン)は毎年、世界で最も格式の高いワンデーレースとして盛り上がっている。
 
両国では、トラックレースやシクロクロスも含めて自転車競技が広く親しまれ、また生活の中でも自転車を楽しむ環境が整っている。鉄道に自転車を持ち込むことができ、その鉄道網も発達しているので、気ままに自転車旅行を楽しむことができる。サイクリストなら一度は訪れて旅してみたい国だ。

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