3〜4月にUCIヨーロッパツアー4レースへ参戦キナンが「ツール・ド・ノルマンディー」に出場 手痛いレースも今後への手応えつかむ

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 欧州に遠征中のUCIコンチネンタルチーム「キナン サイクリングチーム」が、フランスで3月23〜29日に開催された「ツール・ド・ノルマンディー(UCI2.2)」に出場した。天候不順とハイレベルなヨーロッパツアーの洗礼を受けながら、チームの選手・スタッフが実力を磨いた。 (レポート キナン サイクリングチーム)

チーム紹介のステージに上がった、キナン サイクリングチームのメンバー。(左から)グレゴー・ガズボダ、ジャイ・クロフォード、ロイック・デリアック、伊丹健二、野中竜馬、水野恭兵チーム紹介のステージに上がった、キナン サイクリングチームのメンバー。(左から)グレゴー・ガズボダ、ジャイ・クロフォード、ロイック・デリアック、伊丹健二、野中竜馬、水野恭兵

 ツール・ド・ノルマンディーは、フランスの中でも自転車が盛んなノルマンディー地方で、トッププロを目指す若手選手がしのぎを削り戦うレース。参加チームはフランス、オランダ、ベルギー、ドイツ、デンマーク、ロシアなど体格的に大柄な国が多く、平坦のスピードレースと風に強い選手が多いことが特徴だ。

 レースはプロローグの個人タイムトライアルと、6ステージのロードレースからなる7日間。キナンからは伊丹健二、野中竜馬、水野恭兵、ロイック・デリアック、グレゴー・ガズボダ、ジャイ・クロフォードの6選手が出場した。

早くもノルマンディーの“洗礼”

プロローグの個人タイムトライアルをスタートしていく伊丹健治プロローグの個人タイムトライアルをスタートしていく伊丹健治

 初日のプロローグは3.6kmという距離の短さもあり、参加143選手の全員が1分以内の差に収まった。キナンはトップから19秒差の74位に入ったデリアックが最高位。会場には熱狂的なファンが大勢詰め掛け、選手はスタート前からサインや写真攻めにあって大忙しだ。

 207kmの第1ステージは雨。気温3〜6℃の厳しいレースとなった。スタートから逃げを狙うチームが攻撃を繰り返し、数人の逃げをリーダーチームのBMCがコントロールして追うという展開に。100kmを過ぎてから横風区間でBMCが先頭でスピードを上げて攻撃し、逃げ集団を捕まえて最終局面へと入る。集団の分裂にのまれ、デリアックを除く5人が遅れてしまい、デリアックもゴール前で落車にふさがれ、先頭から少し遅れてゴールした。

一進一退の中盤戦

出走サインをする野中竜馬出走サインをする野中竜馬

 第2ステージは162km。天候に恵まれ、気温も12℃まで上がった。序盤のアタック合戦から50km地点でようやく抜け出した4人を、前日同様にBMCなどが集団をコントロールして追う展開。ラスト10kmを切ったところで逃げを吸収すると同時に、今度は丘を利用して2人が飛び出し、一気に集団と20秒の差をつけた。2人はそのまま10秒差で逃げ切り、総合リーダーがチェンジ。キナンはデリアックとクロフォードがメーン集団、ガズボダと野中は第2集団、水野はその後ろでゴールした。伊丹がこの日、100km地点の入り組んだ下りで落車。出血が激しく、そこでリタイアとなった。

 第3ステージは再び冷たい雨のなか、162kmのレース。前半はいくつもの逃げグループが先行を試みたが、レース中盤には集団が一つになって進み、後半は雨も止んでスピードアップ。最後に3周する周回コースに入ると、横風区間で集団が分裂した。キナンはデリアックのみがメーン集団に残って集団後方でゴール。野中は第2集団、クロフォードは第3集団、水野は第4集団でゴールした。ガズボダは体調不良でリタイアとなった。

狭い田舎道にも観客がつめかける狭い田舎道にも観客がつめかける
にぎわいを見せるスタート地点にぎわいを見せるスタート地点

 第4ステージは168km。天候に恵まれて気温が上がった…とはいえ9℃である。レースはスタート直後からスピードが上がる。23km地点で5人の逃げが決まったが、総合で29秒差の上位選手が含まれたことで逃げは容認されず、34km地点で入れ替わるように新たな6人の逃げが形成された。最大5分まで差は開いたが、130km地点から始まるアップダウン区間で逃げは吸収。ゴール地点を3回通過する周回コースに入ると、集団はハイスピードで突き進み、仕事を終えた選手と付いていけない選手が入り混じって大勢が遅れていった。登り基調のゴールではメーン集団が55人にまで減り、長く伸びたままゴールになだれ込んだ。キナンはデリアックとクロフォードがメーン集団で、野中は1分半、水野は11分遅れの集団でゴールした。

最後の2ステージは大サバイバルレースに

スタートを待つ水野恭兵スタートを待つ水野恭兵

 第5ステージは170km。土曜日とあってスタート会場はまるでお祭りの様相だ。レースはスタート直後に7人の逃げが決まり、その後14㎞地点から始まる海岸線の横風区間で、集団はいくつものグループに分断されサバイバルレースとなった。25km地点を過ぎて横風区間が終了し、集団は再びまとまり始めるが、この一時的なスローペースでメーン集団に戻れなかった選手たちは、そのままリタイアに追い込まれた。逃げは最大4分半まで差を広げたものの吸収。その後も繰り返される横風とアップダウンで集団は壊れ、ゴールではほとんどバラバラの状態に。キナンは総合最上位につけていたデリアックが、他の選手との接触でマシントラブルに見舞われリタイア、野中と水野は横風区間で遅れてリタイアとなってしまった。最終日前日に20人のリタイアが出るサバイバルレースとなった。

 最終第6ステージは155kmの平坦基調。この日もスタートから強風と雨で、集団はいくつにも分かれる厳しいレースとなった。先頭は常に少人数のグループが逃げる一方で、集団後方では横風に耐え切れず遅れる選手が続出。冷たい雨に加え、最終日という事もあって、早々にレースを降りる選手が目立った。集団は分かれてはまとまる展開が繰り返され、最後はBMCの選手が僅差で一人逃げ切りを決めた。33人がリタイア、最終完走者はわずか66人にとどまった。キナンからは最終日にただ1人出走したクロフォードが総合63位でフィニッシュした。

キナンからは唯一、最終ステージに残ったジャイ・クロフォードキナンからは唯一、最終ステージに残ったジャイ・クロフォード
雨と風で最終ステージもサバイバルレースになった雨と風で最終ステージもサバイバルレースになった

手探り状態から着実にステップアップ

 チームの完走者はわずか1人と厳しい結果になったが、加藤康則ゼネラルマネジャーは「想定内」だと話す。全てが手探り状態からスタートし、選手とスタッフがコミュニケーションを深めながらトライ&エラーを続け、課題と改善点を洗い出していった。また、チームの取り組みの中に、今後も続けるべき良い点も見つけられたという。

 チームは続いて4月3日の「ルート・アデリ(フランス、UCI1.1)」、5日の「グランプリ・アドリアモビル(スロベニア、UCI1.2)」に出場。今後は15〜19日の「ツール・ド・ロワール・エ・シェール(フランス、UCI2.2)」に臨む予定だ。帰国後の「ツアー・オブ・ジャパン」(5月17~24日)、そしてチーム最大の目標となる地元開催の「ツール・ド・熊野」(5月28~31日)に向けて着実なステップを踏みつつある。

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