昨年総合優勝の中島康晴は5位に順位アップ酷暑が続くツアー・オブ・タイランド 内間康平が第3ステージでも総合首位を守る

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 “微笑みの国”タイ王国で開催されているる6日間のステージレース「ツアー・オブ・タイランド」(UCI2.2)。4月3日には第3ステージまで終了し、大会はいよいよ後半戦を迎える。初日にステージ優勝を挙げ、総合リーダーとなった内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)は、その後もチーム一丸となった走りでリーダージャージを守っている。 (文 田中苑子・写真 Peloton Images Asia

第3ステージで総合リーダーを守った内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)第3ステージで総合リーダーを守った内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)

第1ステージで内間康平が優勝 リーダージャージを獲得

紫に彩られる“王女杯”レース

 大会の正式名称は「マハー・チャクリ・シリントーン王女杯ツアー・オブ・タイランド」。タイ王室の次女、シリントーン王女の名前を冠して開催されている。第2ステージが行われた4月2日は王女の60歳の誕生日だったため、祝賀ムードに包まれた。ゴールゲートや車両のステッカー、表彰式で渡される花などさまざまな場所には王女のイメージカラーの紫色があしらわれ、沿道には紫色の服を着て応援する観客が多く見られた。

紫色に統一された表彰台紫色に統一された表彰台
沿道のあちこちに王女の誕生日を祝う写真が置かれている沿道のあちこちに王女の誕生日を祝う写真が置かれている
ディフェンディングチャンピオンの中島康晴擁する愛三工業レーシングディフェンディングチャンピオンの中島康晴擁する愛三工業レーシング
原付バイクがレースでは大活躍。ヨーロッパのレースで主流の大型バイクは1台もない原付バイクがレースでは大活躍。ヨーロッパのレースで主流の大型バイクは1台もない

 大会の国際的な露出は多くないため、タイの国外ではよく知られていない部分もあるが、2006年から開催されており、初代チャンピオンは当時マルコポーロチームに所属していたリー・フーユー(中国)だ。彼はその後、ディスカバリーチャンネルと契約を結び、中国人として初めてトップカテゴリーのチームに所属した。そして現在はゼネラルマネジャーとして中国のヘンシャンサイクリングチームを運営し、第2ステージでは、所属するマー・グアントン(中国)が単独で逃げ切ってステージ優勝を挙げている。

第2ステージで優勝したマー・グアントン(ヘンシャンサイクリング)第2ステージで優勝したマー・グアントン(ヘンシャンサイクリング)
沿道には水牛も沿道には水牛も
選手たちはラオス国境に近いタイの郊外を進んでいく選手たちはラオス国境に近いタイの郊外を進んでいく

暑さと長距離の過酷なレース

チームカーから補給を受ける入部正太朗(シマノレーシング)チームカーから補給を受ける入部正太朗(シマノレーシング)

 大会の特徴を挙げるなら、連日35℃を超える酷暑と、毎日のレース距離が長いこと。全6ステージ中、第4ステージだけは100kmのショートステージだが、それ以外は150kmを超え、中でも第5、6ステージは200km超のロングステージとなる。

 とくに今年はタイのなかでも気温の高いエリアでの開催となり、選手たちは日々、暑さとの戦いを強いられている。163kmで開催された第3ステージで、ブリヂストンアンカーの5選手は約60リットルもの水を消費したという。1選手あたり12リットルの計算となるが、飲用としてはもちろん、選手たちは冷たい水を何度も何度も頭からかぶって戦っている。

 日本からは出場している4チームは、ディフェンディングチャンピオンの中島康晴を擁する愛三工業レーシングを筆頭に、今季すでにツール・ド・フィリピン(UCI2.2)で総合優勝を挙げているブリヂストンアンカー、そしてシマノレーシングとマトリックスパワータグだ。

チームカーはピックアップトラック。毎朝、チームスタッフが積み込みを行うチームカーはピックアップトラック。毎朝、チームスタッフが積み込みを行う
毎朝たくさんの氷が主催者から配られ、それをチームカーまで運ぶ毎朝たくさんの氷が主催者から配られ、それをチームカーまで運ぶ
頭に氷を乗せて、レーススタートを待つ入部正太朗(シマノレーシング)頭に氷を乗せて、レーススタートを待つ入部正太朗(シマノレーシング)
韓国人のセオ・ジュンヨン(KSPO)はヘルメットのなかに氷を入れてスタート!?韓国人のセオ・ジュンヨン(KSPO)はヘルメットのなかに氷を入れてスタート!?
沿道でレースを参戦する子どもたち沿道でレースを参戦する子どもたち

 連日、たび重なるアタックと追い風の影響から、レースは驚くようなハイペースで進んでいる。そして、4月1日の第1ステージを制した内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)が、最後までリーダージャージを守れるかが、後半戦のカギとなってくる。ブリヂストンアンカーは、今大会に参加しているチームのなかで間違いなくトップクラスのチーム力を誇っている。しかし厳しい暑さと長いレース距離が、選手たちを大きく消耗させている。

内間康平のリーダージャージを守るブリヂストンアンカー サイクリングチーム内間康平のリーダージャージを守るブリヂストンアンカー サイクリングチーム
ピックアップトラックの荷台に乗るチームスタッフ。作業のしやすさから、レース中ずっと荷台に乗るスタッフもいるピックアップトラックの荷台に乗るチームスタッフ。作業のしやすさから、レース中ずっと荷台に乗るスタッフもいる
タイ寺院の前を通り抜けるタイ寺院の前を通り抜ける
チームメートに守られて走るレースリーダーの内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)チームメートに守られて走るレースリーダーの内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)
レースを終えて、放水車の水を被った吉田隼人(マトリックスパワータグ)レースを終えて、放水車の水を被った吉田隼人(マトリックスパワータグ)

内間を守れ! アンカーがリーダージャージを死守

 第3ステージは中盤で12選手による逃げができた。総合2位につけているソウルサイクリングがそこに選手を送り込んだため、メーン集団のコントロールに協力するチームは現れず、ブリヂストンアンカーは内間を除く4選手で集団をコントロールし続けた。本来ならステージ優勝を狙うスプリンターチームがコントロールに参加するシナリオだが、「アジアのレースは読めない!」とブリヂストンアンカーの水谷壮宏監督がこぼすとおり、なぜか他のチームは積極的に加わらなかった。

第3ステージのスタート地点に到着した内間康平とブリヂストンアンカーのチームメート第3ステージのスタート地点に到着した内間康平とブリヂストンアンカーのチームメート
スタートラインに並んだ3人のレースリーダー。平坦ステージのみのため山岳賞の設定はないスタートラインに並んだ3人のレースリーダー。平坦ステージのみのため山岳賞の設定はない
第3ステージ、渾身のアシストをしたブリヂストンアンカー サイクリングチーム第3ステージ、渾身のアシストをしたブリヂストンアンカー サイクリングチーム

 「きついっすね。やれるだけやるしかない」と話すのは、チームをまとめる井上和郎。第3ステージは素晴らしいチームワークで、無事に内間のリーダージャージを守ったが、レースを終えたチームには疲労の色がにじんでいる。残り3ステージ、厳しい戦いとなるが、総合リーダーを守り切ってほしい。

のどかな農村部を駆け抜ける選手たちのどかな農村部を駆け抜ける選手たち
「チョー・ツカレタ!」と話すトマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)「チョー・ツカレタ!」と話すトマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)

順位を上げた前回王者の中島

 一方、第3ステージを終えて、中島康晴は総合順位を1つ上げ、4位と同タイム、内間とは49秒差の5位となった。絶妙なレース勘で中盤の逃げに飛び乗り、中間スプリントは惜しくも逃したものの、トップグループから4秒差でゴールした。「中間スプリントでのボーナスタイムと、最後タイム差を付けてゴールすることを狙って逃げに乗った。ゴールを狙えば良かったかな、とも思うが、まずはタイムを稼げて良かった」と振り返る。

中島康晴(愛三工業レーシング)が逃げに乗り積極的に走る中島康晴(愛三工業レーシング)が逃げに乗り積極的に走る

 第4ステージはメコン川(ラオス国境)沿いに北上する102km。そして一行は炎天下のなかで最終目的地となる、かつてベトナム戦争時代にアメリカ軍が作った街というウドーンターニをめざしていく。


第3ステージ終了時の個人総合成績
1 内間康平(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) 10時間25分42秒
2 キム・オクチョル(韓国、ソウルサイクリングチーム) +3秒
3 アレクサンドル・シュシェモイン(カザフスタン、ヴィノフォーエバー) +6秒
5 中島康晴(愛三工業レーシング) +49秒
25 井上和郎(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +3分18秒
53 綾部勇成(愛三工業レーシング) +6分30秒
55 伊藤雅和(愛三工業レーシング)
66 早川朋宏(愛三工業レーシング)
70 木村圭佑(シマノレーシング)
73 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
76 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
85 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
89 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +7分32秒
90 秋丸湧哉(シマノレーシング) +7分37秒
91 椿大志(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +7分42秒
94 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +9分35秒
95 入部正太朗(シマノレーシング) +11分39秒
101 平塚吉光(愛三工業レーシング) +14分20秒
103 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)
109 横山航太(シマノレーシング) +16分14秒

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