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布袋田沙織のパワートレーニングで速くなる!<5>何かとお世話になるサイクルコンピューター 故障からの復活にも役立つパワートレーニング

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近くには丁度いい長さの登りもあり、練習環境は悪くない。土地勘さえ身につけば、いいトレーニングが積めそうです近くには丁度いい長さの登りもあり、練習環境は悪くない。土地勘さえ身につけば、いいトレーニングが積めそうです

 今年より心機一転、奈良県に生活の拠点を移してトレーニングをしている私。盆地特有の寒さが堪え、鼻水垂らしながら自転車に乗っています。

 そして、全く知らない地で生活するというのは何かと大変。スーパーやドラッグストアはどこにあるだろう…。そして聞きなれない関西弁にもドキドキ…。ご経験のある方ならきっと共感してもらえますよね。何より、プロサイクリストとしては一刻も早い練習ルートの確保は最重要事項と言ってもいいかもしれません。

 今回は、右も左も分からない見知らぬ街での練習に最適なサイクルコンピューター「ジュールGPS+(プラス)」。そして、新しい生活にもだんだんと慣れてきて「さぁこれから!!」というところで起こってしまったハプニング ― アスリートにとっては悪夢であり、しかし誰にでも訪れるであろう「怪我」という試練について書いてみます。

何かとお世話になってます 「ジュールGPS+」

『ジュールGPS+』は、高精度GPS機能で、見知らぬ土地での練習も地元ガイドが先導してくれているかのような安心感『ジュールGPS+』は、高精度GPS機能で、見知らぬ土地での練習も地元ガイドが先導してくれているかのような安心感

 地元のサイクリストやチームの方々からお勧めコースを教えてもらい、時には一緒に走りながら、奈良の持て余してしまいそうなくらい無数にある良いコースにうっとり。ですが方向音痴の私は、せっかく案内してもらった場所もいざ一人で行くと迷子…( ̄ω ̄、) 正しい道を正しい方向に進んでいるのかどうかに確証が持てず、それだけでも練習への集中力は削がれます。

 そんな時に真剣に重宝してしまっているのが去年より愛用しているサイクルコンピューター「ジュールGPS+」です。モデル名から分かる通り、GPS情報に基づいたナビなどの機能が頼もしい相棒なんです。奈良ではとにかく土地勘がないので、あてもなく練習に走りだそうものなら迷う迷う…。そこで、あらかじめその日のトレーニングコースをパソコンからジュールGPS+に転送しておき、表示されるルート案内に従って走るのです。道を外れるとちゃんと教えてくれるし、車のナビみたい。迷って貴重な時間をロスすることもありません。

 そして、ルート以上に使用頻度が高いのがワークアウト機能。パワートレーニングは強度と時間が細かく決まっています。そのワークアウトメニューをパソコンからジュールGPS+に転送し、あとは走り出す準備ができたら、ジュールGPS+上でワークアウトを呼び出して、画面の指示通りの時間と強度で走るだけ。ステムに貼りつけたメニュー表や時計をチラチラ見たりせずに済むので集中できます。

パソコンからジュールGPS+に、ワークアウトメニューを転送。あとはトレーニング中に呼び出すだけ!パソコンからジュールGPS+に、ワークアウトメニューを転送。あとはトレーニング中に呼び出すだけ!
練習のあと、地図上で走った道を確認するのも楽しみのひとつ! Stravaへはパワータップ純正ソフト『PowerAgent』からのほか、Joule GPS+からもiPhone経由でアップロード可能です練習のあと、地図上で走った道を確認するのも楽しみのひとつ! Stravaへはパワータップ純正ソフト『PowerAgent』からのほか、Joule GPS+からもiPhone経由でアップロード可能です

 その他にも周回レースなどで便利なGPSオートラップ機能や、走り終わったその場でパーソナルベストや平均など過去データとの比較ができるHISTORY機能、本格的な気圧計やコンパスを積んでいるなど、何かと優れモノのジュールGPS+。特にストレスが軽減されたのが、練習終了と同時にiPhone経由で「TrainingPeaks」にデータをワイヤレスアップロードできる点です。練習回数の多い人は特に、パソコンとケーブルを用いたデータ取り込み作業の煩わしさから解放されるメリットは大きいと思います。

 その先はPeaks Coaching Group(PCG)の中田コーチの出番! 毎回リモートで的確なデータ分析とアドバイスをくださります。世界のトッププロ選手たちだって、普段の練習を行う自分の街にコーチが住んでいるわけではなく、練習メニューや走行データはインターネットで共有しているのが普通。そう考えると、遠く離れたヴァージニアと奈良の間でパワートレーニングを進める中田コーチと私もとてもプロフェッショナル~。これで強くならないワケがない!!(←と自分に言い聞かせてます^^;))

今シーズンは「BHアスティーフォ」のメンバーとしてロードレースにも挑戦します。もちろんパワータップ搭載のホイールを履いてレースを走ります今シーズンは「BHアスティーフォ」のメンバーとしてロードレースにも挑戦します。もちろんパワータップ搭載のホイールを履いてレースを走ります

“最終試験”のFTPテストの結果は?

 さて、パワートレーニングの主たる目的は、サイクリストの基本能力レベルを示すFTP値を伸ばすこと。夏にPCGのコーチングによるトレーニングを開始し、6カ月で達成しようと定めた目標はかなりアグレッシブな180w! これが高いのか低いのか…FTPは人との競争では無いので、私の中でという事で考えるとチャレンジングな数値でした。

 しかし、ここまでの3回のテストでは比較的スケジュールに沿ったトレーニングができていたこともあり、順調にFTP値を伸ばしてこれました。

初回FTPテスト実施日: 2014年7月27日
平均ワット: 163w
平均心拍: 161bpm
FTP: 163w x 0.95 = 約155w

第2回FTPテスト実施日: 2014年9月25日
平均ワット: 169w
平均心拍: 162bpm
FTP: 169w x 0.95 = 約161w

第3回FTPテスト実施日: 2014年11月10日
平均ワット: 179w
平均心拍: 164bpm
FTP: 179w x 0.95 = 約170w

 ですが今回は、年末の引っ越しなどで練習の時間がとれない日々が続いて迎えてしまいました。かなり不安ではありましたが、最終試験のつもりで気合い十二分で臨みましたよ~。その結果はこちら!!

第4回FTPテスト実施日: 2014年2月2日
平均ワット:167w
平均心拍:155bpm
FTP:167w × 0.95 = 約159w

 え…Σ(・∀・|||)

 なんと、第2回目よりも低い数値を出してしまいました。

ショックに追い討ち…故障

 なんでだろう…と本気で落ち込みました。確かに練習はなかなかできていなかったけど、せめて前回と同程度の数値は記録できるのではないかと踏んでいたのですが(まあそれだと目標未達には変わりないのでアウトですけど…)。ですがテスト中、腰への違和感があり、脚にもなかなか力が入らずもどかしい思いがあったのも事実。前回までのテストで味わった「出し切った」感じもありませんでした。

 FTPテストを行うにあたって、コンディションを整えておくのは必須ですから「体調管理が行き届いていなかったのか…」と深く反省。2月5日より石垣島でのトレーニング合宿に参加することになっていたので、合宿から戻ったら再テストに臨むことを決め、とりあえず石垣島へ。すると翌日の夜に突然体が動かなくなりました。腰に激痛が走り、立つことも座ることもできない…。それどころか寝ているだけでも耐えがたい痛み。

MRIの結果、腰骨の一番下である腰椎L5、S1の椎間板ヘルニアと診断されました。神経の3分の2は圧迫されている大きなヘルニアだとの診断に、ショックを隠しきれませんでしたMRIの結果、腰骨の一番下である腰椎L5、S1の椎間板ヘルニアと診断されました。神経の3分の2は圧迫されている大きなヘルニアだとの診断に、ショックを隠しきれませんでした
座ることも痛くて出来ない、寝ているのも痛くて辛い…日常生活もまともに送れない自分へ情けない気持ちと、周りへの感謝の気持ちがこみ上げました。この時点で開幕戦まであと1カ月。間に合うのか!?座ることも痛くて出来ない、寝ているのも痛くて辛い…日常生活もまともに送れない自分へ情けない気持ちと、周りへの感謝の気持ちがこみ上げました。この時点で開幕戦まであと1カ月。間に合うのか!?

 気合をいれて乗り込んだ合宿ですが、期間のほとんどをベッドの上で過ごし、食事もベッドまで運んできてもらう有り様。結局「入院」しただけでトレーニングらしきことは何もできず、車椅子と担架を乗り継いでなんとか帰還した奈良で下された診断結果はまさかのヘルニア…。疲れが蓄積していたのか、乗り方が悪かったのか、何が原因かは分かりませんが、もうため息と涙しか出ませんでした。その時、FTPテストをしている時の違和感が予兆だったのだと気付きました。

リハビリにもパワートレーニング、そして再テストへ

 約1カ月の時間を治療に費やすことになり、ロードレースのシーズンインまでにある程度のコンディションまで持っていけるかどうかは微妙なタイミングになってしまいましたが、トレーニングに怪我や予定変更は付き物。そして私にはパワートレーニングがついている! 調整が遅れるとどうしても焦って無理なトレーニングをしてしまい、事態をより悪化させてしまうケースも聞きますが、データを基に合理的に身体と向き合えるパワートレーニングではそのリスクを最小に抑えることができます。今はパワーとコーチを信じて、元のスケジュールへの復帰を目指します。

 思わぬアクシデントに遭ってしまいましたが、2月下旬からはようやく自転車に乗れるようになってきたので、3月中に今度こそ当連載最後のFTPテストに挑戦したいと思います。

布袋田沙織 布袋田沙織(ほていだ・さおり)

大学を卒業後、IT企業に務め2010年に独立。2012年に表参道にてパーソナルスタジオmiao(ミャオ)を開始。モデル、アナウンサー、スポーツ選手、一般の方々にトレーニングを指導。MTBは2013年より始め、初年度で表彰台を獲得。BH RACING MTB TEAM所属、バイシクルアドバイザー、ボディメイクトレーナー、パーソナルスタジオmiao 代表。ブログ:http://ameblo.jp/saoringo825/

【PowerTap Column<5>】ペダリング解析で横道にそれる人が続出しているが…

 パワーメーター市場が活況を呈しているが、ユーザーの多くが興味を寄せるのが、一部の製品で計測可能なペダル踏力の左右バランスやペダルストロークの各角度ごとの出力ベクトルといった、ペダリングに伴って発生する現象を仔細に捉えたデータだろう。

 インターネット上では熱心なユーザーらによるペダリンググラフについての議論やペダリング改善のためのトレーニングメソッドの公開などが盛んだ。しかし現時点では、最先端の運動生理学をもってしても、ペダリング分析はおろか、そもそも「理想的なペダリング」がどのようなものかということさえ判明していないという事実を知らない人は多い。将来、科学や医学の進歩により、ペダリングに関するミステリーが解き明かされる日が到来することは間違いないが、少なくとも現時点で専門外の人間が思いつきであれこれ行う分析や練習は、無駄な時間に終わる可能性が高い。パワートレーニングのメリットは「高効率」だが、「無駄」はその反対だ。

 人間の運動能力が向上するのはトレーニングで身体に負荷(ダメージ)を掛けている時ではなく、身体がそのダメージを克服するべく回復する時である。したがって、身体にすでに備わっているダメージ耐性を超える負荷を与えることがトレーニングの鉄則であり、すなわちパワートレーニングで取り組むべきは、各ゾーンごとに必要とされる強度を把握し、一定時間その強度をキープすることで能力向上を図るゾーントレーニングとなる。

 ゾーントレーニングは選手のレベルにかかわらず、誰にでも確実にパフォーマンス向上をもたらしてくれる。実際に、トレーニングスタジオ『Astuto Continental』の会員たちが軒並み成果を出しているのも、パワータップ(ハブ)を用いたゾーン強化という基本にフォーカスして取り組んでいる結果である。

 パワーベースのペダリング解析は、現時点では未確立の理論だ。強くなるためにパワーメーターを導入したのなら、シンプルかつ確実なゾーントレーニングをお勧めしたい。

(文 GS Astutoオーナー&USAC(全米自転車競技連盟)Level 2認定コーチ Tim Smith)

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