工具はともだち<69>ドライバーを上手に使うための“極意”は「押し回し」 トルク管理できるタイプも豊富

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 「KTC」(京都機械工具)と「Cyclist」のコラボイベント「自転車メンテナンス講習」を3月14日に東京都墨田区で開催しました。会場のショールーム「48HQ」からすぐ近くにある東京スカイツリーを眺めながら、参加者を待っていましたが、開始10分前になっても参加者が誰も来る気配がない。「ひょっとして、今日のイベントには誰も来ないの…?」なんて冷や汗が出そうな5分前、次々に参加者が来場しました。はじめはかなり焦りましたが、無事にイベントは終了しました。

「自転車メンテナンス講習」で、ドライバーの正しい使い方を真剣な表情で見つめる参加者たち「自転車メンテナンス講習」で、ドライバーの正しい使い方を真剣な表情で見つめる参加者たち

 参加者のみなさまからイベントの感想をうかがったなかで、一番印象に残ったキーワードは「工具アレルギー」。予想もしていない言葉でしたが、女性の方の工具に対する印象を象徴していますね。これからも工具アレルギーを解消して、少しでも「やってみよう」「触れてみよう」と思っていただける催しものを実施したいと考えています。

力加減は「押す70%」「回す30%」

 イベントでは、工具アレルギーな女性でも安心して工具を使えて、お友達にも少し自慢していただけるくらいの“極意”を伝授しました。それはご家庭でも一般的な工具、ドライバーの使い方。ネジの穴を傷つけないように、サイズにあったドライバーを選ぶのは大事な基本です。さらに、固く締まっているからといって、ハンマーなどで衝撃を加えて使ってはいけないという禁止事項もあります。

 そしてポイントとなるのは「押し回し」です。自転車のハンドルを握るような持ち方ではなく、グリップエンドに手のひらを当てます。そして、ネジの方向にドライバーを押しながら回転させます。理想的な比率は、押す力が70%、回す力が30%。そうすることによって、プラスドライバでよく発生する、先端がネジの外に逃げようとする現象「カムアウト」を抑制できます。

 こういったテクニックを知っていただくことが、女性サイクリストの工具アレルギー解消につながるのでは、と期待しております。

非常に小さなトルクも管理

 ドライバーはその形状から、大きな力で締め付けることは困難ですが、奥まった場所や、小さいネジを回すことができます。なかでも電子機器の組み立てや配線のコネクタなどのネジは、スポーツ自転車と同じように、決まったトルクでの締め付けが必要とされています。しかも非常に小さなトルクであり、これまで紹介してきたようなタイプでは、対応が困難なんです。

KTCの「プレセット型トルクドライバ」KTCの「プレセット型トルクドライバ」

 そのため、ドライバーにもしっかりとトルク管理できるトルクドライバーというタイプがあります。トルクドライバーにもシグナル式と直読式があり、直読式にはアナログ型とデジタル型があります。それぞれの特徴はラチェットタイプなどと同様で、オーバートルクを確実に回避するにはデジタル型がおすすめです。

小さなトルクも管理できる「デジタル型トルクドライバ」小さなトルクも管理できる「デジタル型トルクドライバ」

 トルクのレンジからすると、自転車のメンテナンスシーンでの登場はほとんどないかとは思われますが、電子部品の組み付けに携わるお知り合いにがいらっしゃったら、紹介してあげて下さい。さて、次回は少し変わり種のアイテムをご紹介しますね。

小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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