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RENの「自転車のススメ」<14>パウダースノーをかっ飛ばせ! 会津高原たかつえスキー場でMTB雪上ダウンヒルを絶叫体験

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 朝晩の冷え込みも和らぎ、すっかり春の訪れを感じられるようになってきました。私は頭がボーっとしてしまう程の花粉症で、春をひしひしと感じています(泣)。今回の「自転車のススメ」は、少しだけ季節を戻して、まだ雪がたっぷり残る福島県南会津町の「会津高原たかつえスキー場」からのライドレポートです。

 「え!? スキー場?」

 自転車のサイトなのに? …そう思われることでしょう。

福島県会津高原たかつえスキー場。ここで開催されたMTBスノーダウンヒル(!)をレポート。リフトのスキーヤーも興味津々福島県会津高原たかつえスキー場。ここで開催されたMTBスノーダウンヒル(!)をレポート。リフトのスキーヤーも興味津々

 こっ、これは!!

 そうなんです。2月22日、たかつえスキー場で開催された「雪上ダウンヒル!下ってみっぺたかつえMTB大会」に参加してきました!

やってみっぺ!スノーダウンヒル!

スキー場へのアクセスは、渋滞や雪道といった障害があるので、アクセスしやすい方法を吟味して出掛けたい。たかつえスキー場へは東武線がとても便利スキー場へのアクセスは、渋滞や雪道といった障害があるので、アクセスしやすい方法を吟味して出掛けたい。たかつえスキー場へは東武線がとても便利

 早朝、東武線の浅草駅を出発して南会津町へと向かいました。日光方面へ散策に向かうハイキングスタイルの乗客や、大きなトランクケースで温泉に向かう外国人観光客に交ざり、輪行袋を持って乗り込みます。

 6両編成の快速列車は、途中で分割されて2両にまで短くなり、山間部をどんどん走って標高を稼いでいきます。2月後半はまだまだ寒く、ドアが開く度に冷たい空気が車内に入ってきます。線路の脇には高く積もった雪の壁…。

 そして終点、会津高原尾瀬口駅に到着しました。

 駅前からスキー場行きのバスに乗り込みます。それにしても自転車が不似合いな景色ですね。本当に走れるのでしょうか?

たくさんのスキー&スノーボードに囲まれた我が愛車。ミスマッチ!(笑) 輪行バッグに入れた姿は電車内だと自転車とわかって貰えるが、ゲレンデではどうだったのだろうか?たくさんのスキー&スノーボードに囲まれた我が愛車。ミスマッチ!(笑) 輪行バッグに入れた姿は電車内だと自転車とわかって貰えるが、ゲレンデではどうだったのだろうか?

 スノーダウンヒルは、文字通りマウンテンバイクを使って雪上を駆け下ります。海外ではメジャーな大会があるほど有名なジャンルになっていますが、国内で開催しているスキー場はほかにありません。

 一体なぜたかつえスキー場はスノーダウンヒルを開催することにしたのか? スキー場の責任者である菊池さんにお話をお伺いしました。

会津高原リゾート株式会社の菊池さん。今回のイベントに尽力してくれた方だ。「夏のMTBにも是非きてください」とのこと!会津高原リゾート株式会社の菊池さん。今回のイベントに尽力してくれた方だ。「夏のMTBにも是非きてください」とのこと!

 菊池さん「夏季にゲレンデの一部を使用し『会津高原たかつえMTBリゾート』という営業をしています。スノーダウンヒルを始めたきっかけは、率直に言うと『やったら楽しそうだから』で、通年でMTBを楽しんでもらおうと企画しました」

 REN「ええー!よく許可が出ましたね。ずいぶんアメリカンなノリですね(笑)」

 驚かされましたが、レース当日に会場で観戦していた、たかつえリゾートの社長さんのノリノリぶりを見て納得。ここはもはや福島ではなく、アメリカだぁ!

スノーボードでコースを“下見”

 今回は前日入りで、大会は次の日…となると滑らない訳にはいきません!

 スキー場のレンタルボードを借りて、レースに使用するコースの下見もしつつ楽しんじゃおうという、一石二鳥の作戦です。

KABUTOのフルフェイスヘルメットを被ってのライド。久々に滑るにはこの位の安心感が欲しかった…KABUTOのフルフェイスヘルメットを被ってのライド。久々に滑るにはこの位の安心感が欲しかった…

 会津高原に広がるたかつえスキー場は、パウダースノーの雪質を楽しめることで知られています。

 中級&初級コースを滑ったのですが、ゲレンデは綺麗に手入れされていて、とても気持ち良かったです。久々のスノーボードでしたが、意外に身体が滑り方を覚えていて感動! たっぷりと上質な雪を楽しめたのでした。

 もちろん、上級者のために滑りごたえのあるコースだって何本もあります。今回はビビってパスしてしまいましたが、頂上からの景色は絶景とのこと! 次回は山頂まで行きたいですね!

リゾート!バカンス!スキー場では楽しい出会いがたくさん。撮影に協力してくれたノリのイイ若者たちリゾート!バカンス!スキー場では楽しい出会いがたくさん。撮影に協力してくれたノリのイイ若者たち
たかつえスキー場にはレンタルスキー&スノーボードが用意されている。「手ぶらでスキー!」(古い?)たかつえスキー場にはレンタルスキー&スノーボードが用意されている。「手ぶらでスキー!」(古い?)

 ちなみに首都圏からのアクセスは、自動車より東武鉄道がオススメ。車だと高速道路を降りてからが少し遠いそうです。全国を見渡してもココだけという私鉄夜行列車「スノーパル」で、寝ながら移動なんてのもできますよ。

 さて、肝心のスノーダウンヒルのコースはというと、スノーボードクロスやスキークロスで使用されるものをそのまま使用しています。斜度は中級コースに相当し、途中、ウェーブやテーブルトップ(ジャンプ台)が配置されています。

 どのセクションも大きなサイズ。スピードが出そうなコースにタジタジです。絶対にけがをしないようにと思いつつ、早めに寝ることにしました。

雄大な景色の中を駆け下りる。山に囲まれた場所のスキー場は雪質が良いことが多い。特にたかつえはパウダースノーで有名だ雄大な景色の中を駆け下りる。山に囲まれた場所のスキー場は雪質が良いことが多い。特にたかつえはパウダースノーで有名だ

試走…MTBでの攻略法は?

 いよいよレース当日の朝を迎えました。ピンと張り詰めた空気。雪面コンディションは安定していて、一番怖い状態「ツルツルのアイスバーン」ではなさそうです。柔らかさがほどほどに残っていて、これならタイヤは何とかグリップしそう。

 昨日のスノーボードのように、良いイメージで走れるか? 相手は雪。MTBだとどう違うのか?

 バイクはスノーモービルにつないだソリで運搬し、私はリフトへ。KABUTOのフルフェイスヘルメットや、ダイネーゼのプロテクターのストラップを締め直します。これはおまじない。

バイクはリフトに載せるのではなく、スノーモービルでピストン輸送。どうやって固定するのかというと…バイクはリフトに載せるのではなく、スノーモービルでピストン輸送。どうやって固定するのかというと…
専用の木枠を作製。溝にタイヤをポンポンと叩いて嵌めます。普通のタイヤ幅からファットタイヤまで対応。お見事!専用の木枠を作製。溝にタイヤをポンポンと叩いて嵌めます。普通のタイヤ幅からファットタイヤまで対応。お見事!

 まずは試走。

 コースにはスキーやスノーボードが残した轍(わだち)が縦横無尽に広がっています。スノーボードでは全く気にならない段差ですが、自転車ではそうはいかず、微妙にハンドルを取られ続けます。

 この挙動は、慣れていないと恐怖。身体を柔らかく使って、自分が進む方向とバイクの挙動を修正しながら走らなければなりません。恐怖に負けてハンドルをギュっと握りすぎてしまうとアウト! すぐにバランスを崩してしまうでしょう。

この難易度! コースはシンプルなレイアウトだが、一筋縄ではいかない。スリッピーな路面に転倒するライダーもこの難易度! コースはシンプルなレイアウトだが、一筋縄ではいかない。スリッピーな路面に転倒するライダーも
スキー場での案内によると中級コースというが、それ以上の難易度ではなかろうか? 刺激的なコースであるスキー場での案内によると中級コースというが、それ以上の難易度ではなかろうか? 刺激的なコースである
石や岩が転がっていないコースはライン取りだけに集中できる。転倒しても怪我のリスクが低く、その部分では安心できる石や岩が転がっていないコースはライン取りだけに集中できる。転倒しても怪我のリスクが低く、その部分では安心できる

 とても滑りやすい路面でしたが、幸いな事に石や岩は転がっていません。パンクのリスクが低いので、タイヤの空気圧を思いきって低圧にしました。タイヤをベコベコに潰してグリップさせる作戦です。

 スノーボードと比較して圧倒的に少ない接地面積。走行路面が柔らかいと、雪に前輪が突き刺さって大転倒してしまうことに注意しなければなりません。実際、圧雪していないコーナーの外側へふくらみ、柔らかい部分に前輪を取られて転倒するライダーもいました。

ゴール付近のテーブルトップ(ジャンプ台)。人の背を優に超える大きさだ。その大きさでコースの先が見えなくなるので、試走が必須となるゴール付近のテーブルトップ(ジャンプ台)。人の背を優に超える大きさだ。その大きさでコースの先が見えなくなるので、試走が必須となる
試走を重ねると轍が目立つようになる。この轍を跨ぐときにハンドルが振られる。それに備えるには挙動を知っておく事が重要だ試走を重ねると轍が目立つようになる。この轍を跨ぐときにハンドルが振られる。それに備えるには挙動を知っておく事が重要だ
ファットタイヤを履いたバイクが目立った。サスペンション等のメカニカルな機能より、もっとシンプルなタイヤチョイスで走りやすさが劇的に変わるファットタイヤを履いたバイクが目立った。サスペンション等のメカニカルな機能より、もっとシンプルなタイヤチョイスで走りやすさが劇的に変わる
雪上なので怪我のリスクは減るがヘルメットとプロテクターは必須だ雪上なので怪我のリスクは減るがヘルメットとプロテクターは必須だ

想像を超えるスピードに絶叫!

 試走を2回して、いよいよ本番。写真を撮らなければならないこともあり、1番目の出走です。とっても緊張します。

 皆さんからの大声援を受け、スタートゲートから勢い良く飛び出す! 迫る右コーナー。早めに減速。右の脚をペダルから離し、バランスを取る。滑りやすいコーナーではリアタイアを滑り具合に神経を尖らせる。

 複雑に角度が変わる斜面を右、左と抜けると、ストレートだ。轍にハンドルを取られ続けるが、ハンドルを軽く握ることを意識する。

 どんどんとスピードが増す! スキー場は広いのでスピード感覚が鈍るが、ヘルメットが風を切る音は、聞いたことのない大きさだ。

 そしてテーブルトップが迫る!

ビックジャンプ!! 自転車の走破性を邪魔しないように体重移動しよう。恐怖心は自転車の走破性を著しく低下させるビックジャンプ!! 自転車の走破性を邪魔しないように体重移動しよう。恐怖心は自転車の走破性を著しく低下させる

 だが、落ち着いて飛び出した自分がいる。ふわりと着地。腰が引ける事なく自転車の重心上に身を置くことができた。飛ぶことは、自分のコントロール下では恐怖を感じない。

 試走の時よりもスピードが出ており、ハンドルを取られる恐怖が増す。これは…ジャンプより怖いかもしれない。「イヤーーーッッ!」大声を出して自分を鼓舞してゴールへ突き進む。

 スノーボーダー&スキーヤーを載せたリフトの下を駆け抜けて無事にゴール!

 やったぜという爽快感が凄い!

 非現実的なことにチャレンジしているという実感。スノーダウンヒルという競技が生まれた理由がわかりました。

夏はMTBリゾートで楽しもう

 嬉しいことに、ビギナークラスで3位の成績を収めることができました。賞状をもらうなんて何年ぶりだろう。これも落ち着いて走ることができた結果です。素直に嬉しいものですね。

 このドキドキな大会、今後も続けていきたいとのことですので、来シーズンのチャレンジに向けて、バイクを用意してみてはいかがでしょう? 今大会では極太のタイヤを装着した、いわゆるファットバイクの姿が多かったです。

表彰されたのは何年ぶりだろう…(サイクリスト編集部から去年の忘年会でもらった「鉄分濃いで賞」を除く)。素直に嬉しいものです表彰されたのは何年ぶりだろう…(サイクリスト編集部から去年の忘年会でもらった「鉄分濃いで賞」を除く)。素直に嬉しいものです
キッズクラスもある。何度も転びながら無事にゴール。「速さ」というより「転ばないバイクコントロール」ができる子が優勝した。奥が深い!キッズクラスもある。何度も転びながら無事にゴール。「速さ」というより「転ばないバイクコントロール」ができる子が優勝した。奥が深い!

 今シーズンのスキーの営業は3月31日まで。雪解け、そしてコースの整備が終了すると、夏季営業の「たかつえMTBリゾート」がスタートします。エンデュランスイベントやダウンヒルレースが開催されるそうなので、ホームページでチェックしてみてください。私も参加する予定です!

小林 廉(こばやし・れん)/REN小林 廉(こばやし・れん)/REN

数々のCM・雑誌・ファッションショーで活躍するトップモデル。08年より本格的にスポーツサイクルに乗り始める。自転車媒体で見ない日はないというほどの“乗れるモデル”。アイアンマン北海道完走。特技はウィリー(映像を見る)。身長188cm、体重74kg。千葉県在住。オフィシャルブログ「REN’s World」。取材のお問い合わせはStudioREN(http://studio-ren.jimdo.com)まで

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