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栗村修の“輪”生相談<45>30代男性「将来、U23の若者を育てるサイクルロードレースチームを作りたいです」

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 私は、サラリーマンをしている30代の男性です。将来、茨城県の筑波山周辺で浅田さんが運営しているようなU23の若者を育てるサイクルロードレースチームを作りたいと考えています。

 そこでご質問です。

 Q1 選手の最低年俸は300万円と決められているのでしょうか?
 Q2 スポンサーを見つけるのに参考になることは何かありますか?
 Q3 チーム運営をする母体として、NPO法人がいいのでしょうか? それとも、株式会社にした方がいいのでしょうか?
 Q4 監督の年収は、どのくらいにすればよいのでしょうか?
 Q5 自転車チームを運営して、幸せな事とは何ですか?

 よろしくお願いいたします。

(30代男性)

 近年、地域密着型チームや、企業の傘下に入らない独立型チームを作る動きが活発化しています。私も、宇都宮ブリッツェンと言う形で、その動きを後押ししてきた立場ですから、こういう具体的なご質問を頂けるのは嬉しいですね。

 ただ、チームは華やかに見えるかもしれませんが、正直大変ですし、もしかすると後悔することもあるかもしれません。しかし、チーム運営というのは間違いなく素晴らしい仕事です。それは、保証します。

 さて、ご質問への答えです。まずQ1ですが、現在、国内チームはコンチネンタルチームまたはクラブチームともに、基本的に最低年俸の規定はありません。実際、Jプロツアーも半分以上のチームは給与がない選手で構成されていると思います。U23ならば、給与よりも活動環境にお金をかけたほうがいいかもしれません。

 スポンサーについてですが、自転車関連企業の数は限られていますし、一方でチームは増えています。先行したチームからスポンサーを奪うのは簡単ではないでしょう。しかし、質問者さんは茨城県の筑波山周辺とおっしゃっていますね。ブリッツェンや那須ブラーゼンのように地域密着を謳うことで、自転車とは関係のない人たちを巻き込んではどうでしょう。ただ、今の日本では自転車競技そのものに広告価値があまりないので、地域貢献など「価値づくり」の工夫が必要です。競技活動だけでは難しいかもしれません。

「宇都宮ブリッツェン」は設立から6シーズンを経て、日本国内での地域密着型自転車ロードレースチームのビジネスモデルを作り上げた。運営会社は栃木県内で自転車レース・イベントの企画運営、自転車関連施設の運営なども手がける「宇都宮ブリッツェン」は設立から6シーズンを経て、日本国内での地域密着型自転車ロードレースチームのビジネスモデルを作り上げた。運営会社は栃木県内で自転車レース・イベントの企画運営、自転車関連施設の運営なども手がける

 母体は、公的な補助金などを申請するならNPO、利益を追求するなら株式会社がいいでしょう。後者のメリットは、利益について制限がなく、決算も楽な点にあります。しかし、補助金などは受けづらいかもしれません。そして監督(マネジャー)の年収は、理想を言えば、生活を送れるだけ払ってほしいと思います。というのも、片手間の監督は、やはり仕事も片手間になってしまうからです。決して豊かな世界ではないので、同年代のサラリーマン並みの給与は難しいかもしれませんが、寮を提供して生活費を浮かすなど、工夫してなんとかしていただきたいのが本音です。

 幸せ…ずっと感じてたんですが、夢のある若者たちと時間を共有できるのは、本当に幸せなことでしたね。もちろん、楽しいことばかりじゃありません。しかし、とくに自分のチームの選手が勝った時は嬉しかったですね。今の僕は監督業を離れてしまったので、そういうキラキラした時間はほとんどなくなってしまいました。だから、今でも思い出します。僕が監督をするチームの選手たちが、1位でゴールに入ってきたときの喜びを。一生、忘れることはないでしょう。

(編集 佐藤喬・写真 米山一輝)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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