産経新聞【ひょうごのチカラ】より若手を育て自身もツアー初優勝目指す コラッジョ川西チーム代表・栂尾大知さん(30)

  • 一覧
「若い選手を育てたい」と意気込む栂尾大知さん(竹内一紘撮影)「若い選手を育てたい」と意気込む栂尾大知さん(竹内一紘撮影)

 自転車で長距離を走り、総合タイムなどを競う「ロードレース」のプロ選手になり、今年の元日、川西市を拠点とする「コラッジョ川西サイクリングチーム」を立ち上げた。プロ選手として、活動を続けながら若手選手の育成にも取り組む。

 「川西からツール・ド・フランスへ」を旗印に若い仲間とトレーニングに励んでいる。

◇      ◇

 両親はともにマラソンが好きだったが、幼稚園児のころに離婚。母の久子さん(56)に引き取られた。「水道を止められるなど貧乏のどん底も、母は『キャンプ』と言って楽しんだ。前向きに希望を持って生きてきた経験が今につながっている」と笑う。

 目立ちたい、という思いから中学生活では一時、非行に走った。母の言うことに耳を貸さなかったが、中学3年の6月、「私にトライアスロンで勝てたら、自由にしていい」と言われた。

 夏休み中に母とともに出場した大会では、スタートと同時に引き離され惨敗。しかし、「風の爽快感、体力を越えて進むことができる機動力」という自転車の楽しさを知り、のめり込んだ。

 進学した高校には自転車部がなかったため、陸上部に所属。トレーニングも兼ねて片道30キロを自転車通学した。しかし、高校2年の夏、「自分はヨーロッパで活躍したい。ここは人生に必要な場所ではない」と、プロのロードレーサーになると決断して退学した。

 新聞配達のアルバイトをしながら練習を重ね、平成16年の全日本選手権大会U23カテゴリーで7位に入賞。平成17年1月、19歳で国内のプロチームと契約し、プロのロードレーサーとしての一歩を踏み出した。

◇      ◇

初の優勝を目指し、日々練習に励む栂尾大知さん(竹内一紘撮影)初の優勝を目指し、日々練習に励む栂尾大知さん(竹内一紘撮影)

 同年5月に行われた国内最大の大会では、峠の頂上付近の通過順位などを争う山岳部門賞で、全出場者のうち日本人2位に入るなど結果を出した。私生活でも19年11月に結婚。23年には出場した約40レースをすべて完走し、年間の国内ランキング10位に入った。

 この年にアルバイト先を解雇されたこともあり、東京から、妻の実家がある兵庫県への移住を決め、川西市に引っ越した。

 25年にはチームのキャプテンに就任。若い選手の育成にも力を入れたが、結果を重視するチームの経営方針の違いに悩んだ。経済的な事情で、若いうちに競技から離れる選手が多く、ベテランが育たないことも悔しかった。

 そこで選手を地域の企業に人材として派遣する「里親制度」を取り入れたチームを川西市に設立し、自ら代表に就任した。ロードレースでこの制度を持ち込んだチームは初めてだった。

 「いつかはヨーロッパで活躍する選手を育てたい」と話す一方、「自分自身、国内ツアーでの優勝はまだない。表彰台の頂上を目指し、まだまだ現役を続けたい」と日々、練習に取り組んでいる。

産経新聞・兵庫版より)

始動した「コラッジョ川西サイクリングチーム」は、メンバーの多くが若手選手となる(コラッジョ川西提供)始動した「コラッジョ川西サイクリングチーム」は、メンバーの多くが若手選手となる(コラッジョ川西提供)

 とがお・たいち 昭和60年2月生まれ。川崎市多摩区出身。身長173センチ、体重60キロ。ロードレーサーを目指して神奈川県立商工高校を中退し、平成17年1月、プロ選手に。今年1月、川西市を拠点とする「コラッジョ川西サイクリングチーム」を設立し、選手兼代表を務める。

【編集後記】

 チーム名のコラッジョはイタリア語で「勇気、度胸」の意味。「芽が出ていない選手の夢を実現する環境を作りたい」という使命感からチームを立ち上げるなど、その名の通り、並々ならぬ度胸を感じました。選手たちが「コラッジョ」を受け継ぎ、フランスで行われる伝統あるレースのツール・ド・フランスで活躍する日が来ることや、若きプレーイングマネジャーである栂尾さんの活躍が楽しみです。

(産経新聞阪神支局 竹内一紘)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

コラッジョ川西 ロードレース

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載