title banner

福光俊介の「週刊サイクルワールド」<100>連載100回記念「週刊サイクルワールド」イチオシ記事でサイクルロードレースをプレイバック

  • 一覧

 2013年3月の連載開始から丸2年、「週刊サイクルワールド」はおかげさまで第100回目を迎えることができました。これもひとえに、みなさまのご愛読と応援の賜物だと心から感謝しております。読んでくださる方々に支えられ、育てていただいていることを実感しています。そこで今回は100回記念として、過去の記事をプレイバック。筆者の思い入れの強い回を、当時のロードレースシーンを振り返りながらピックアップしていきます。

第1回 サイクルワールドへようこそ!(2013年3月7日)

筆者イチオシのオールラウンダーとして紹介したトーマス・ロヴクヴィスト<砂田弓弦撮影>筆者イチオシのオールラウンダーとして紹介したトーマス・ロヴクヴィスト<砂田弓弦撮影>

 記念すべき連載第1回目。この頃は何もかもが本当に手探りだった…。たしか初稿(最初に提出した原稿)がボツになったと記憶している。

 イアム サイクリングや、MTN・クベカといった新興チームにエースとして移籍した選手を紹介した。この回で触れたトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン)は昨年、30歳で引退。実のところ、筆者がイチオシのオールラウンダーでもあった。

→第1回の記事を読む


第3回 雪の「ミラノ~サンレモ」を終えて(2013年3月20日)

2013年のミラノ~サンレモを制したゲラルト・ツィオレク(中央)。週刊サイクルワールドで取り上げた選手がさっそくビッグタイトルを獲得した<砂田弓弦撮影>2013年のミラノ~サンレモを制したゲラルト・ツィオレク(中央)。週刊サイクルワールドで取り上げた選手がさっそくビッグタイトルを獲得した<砂田弓弦撮影>

 手探りだった「週刊サイクルワールド」の方向性を決めたがこの回だ。第1回で期待のスプリンターとして挙げたゲラルト・ツィオレク(ドイツ、MTN・キュベカ)が直後のミラノ~サンレモで優勝。「サイクルワールドで取り上げた選手は、その後活躍する」とのジンクスが生まれたとか生まれなかったとか…。いずれにせよ、選手を見る目に狂いはなかったことを確信した。

 ちなみに今年のミラノ~サンレモは、数々の名場面が生まれたサンレモ・ローマ通りのゴールが復活。結果的に“本来の姿”に限りなく近くなったことは、個人的にはうれしい。

→第3回の記事を読む

第13回 ジロ・デ・イタリアを勝手に総括(2013年5月29日)

雪の中で行われたジロ・デ・イタリア2013の第20ステージは、マリア・ローザのヴィンチェンツォ・ニバリがステージ優勝<砂田弓弦撮影>雪の中で行われたジロ・デ・イタリア2013の第20ステージは、マリア・ローザのヴィンチェンツォ・ニバリがステージ優勝<砂田弓弦撮影>

 グランツールをはじめとするビッグレースの本格的な総括は、この年のジロからスタート。総括系記事は筆者の得意とするところでもある。この大会は総合優勝候補が多く、見どころ満載だった。

 総合優勝のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が見せた雪のトレ・チーメ・ディ・ラヴァレード(第20ステージ)での激走、そして総合表彰台での涙は、ジロ史に残る名場面だ。

→第13回の記事を読む

第21回 ツール・ド・フランス 本命の揺るぎない強さ(2013年7月24日)

 この年のツールはクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が総合初優勝。若い選手の台頭が目覚ましく、今をときめくスターたちが飛躍した大会でもあった。

 個人的には、第1ステージで起きたチームバスのゴールゲート衝突をきっかけに、抜群のチームワークを見せたオリカ・グリーンエッジによる大会前半の活躍がハイライトだ。

→第21回の記事を読む

ツール・ド・フランス2013第20ステージで、初の総合優勝を確実なものにしたクリストファー・フルーム<砂田弓弦撮影>ツール・ド・フランス2013第20ステージで、初の総合優勝を確実なものにしたクリストファー・フルーム<砂田弓弦撮影>

第24回 この秋は3人のベテランに注目せよ!(2013年8月14日)

週刊サイクルワールドで活躍を予見した41歳のクリストファー・ホーナーが、2013年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾った<砂田弓弦撮影>週刊サイクルワールドで活躍を予見した41歳のクリストファー・ホーナーが、2013年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾った<砂田弓弦撮影>

 ここでまたもやピックアップ選手が大当たり。シーズン後半の活躍が期待されたベテランとして挙げた3選手のうち、クリストファー・ホーナー(アメリカ、当時レイディオシャック・レオパード)が、その後のブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝。41歳という史上最年長でのグランツール制覇を成し遂げたのだ。故障でシーズン前半を休んでおり、ライバルより脚が残っていると見ていたが、まさにその通りとなった。

→第24回の記事を読む

第51回 “マイヨ・アルカンシエルの呪い”を跳ね返せるか!?(2014年2月26日)

“都市伝説”として「マイヨアルカンシエルの呪い」を特集。写真は2013年に世界選手権王者として来日し「さいたまクリテリウム」を走ったルイ・コスタ<砂田弓弦撮影>“都市伝説”として「マイヨアルカンシエルの呪い」を特集。写真は2013年に世界選手権王者として来日し「さいたまクリテリウム」を走ったルイ・コスタ<砂田弓弦撮影>

 この頃からレース結果だけでなく、その外的要因やジンクスといった面にも目を向けるようになった。ファンなら一度は耳にしたことのあるだろう“マイヨ・アルカンシエルの呪い”についてもピックアップした。

 話は変わるが、現在開催中のパリ~ニース第1ステージ(3月9日)では、現アルカンシエルのミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)が総合首位のマイヨジョーヌを着用。一方で、元アルカンシエルのトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)は落車し左肩脱臼。同じくルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)も落車負傷するなど、新旧王者が明暗を分けているのは、呪いと関係があるのだろうか…。

→第51回の記事を読む

第60回 危惧される鎮痛剤「トラマドール」の乱用(2014年4月30日)

鎮痛剤「トラマドール」の使用により、落車が多発しているのでは、という話題を取り上げた<砂田弓弦撮影>鎮痛剤「トラマドール」の使用により、落車が多発しているのでは、という話題を取り上げた<砂田弓弦撮影>

 大きな反響を呼んだ記事の1つ。日本の自転車メディアでは薬物使用やドーピングに関する報道が海外に比べると少ないが、一方でレースファンの関心はとても高いことを強く感じる機会となった。なお、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)による2015年禁止表にはトラマドールが掲載されておらず、未だ使用可能な状況にある。

→第60回の記事を読む

第81回 ジャパンカップで見た海外トップ選手の素顔(2014年10月22日)

 昨年のジャパンカップは取材が充実し、レポートを書いていて本当に楽しかった。取材方法は、選手が宿泊するホテルに行き、姿を現した選手たちに片っ端から声をかけていく“ミーハースタイル”。シーズンオフ目前とあって、ノリの良い選手ばかりだ。

 今になって心残りなのが、スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、当時ガーミン・シャープ)の洗濯依頼を断ったこと。今年のツアー・ダウンアンダーでステージ優勝するくらいの選手だというのに、なんてことをしてしまったのだ…。ジャージに付いた匂いを嗅いでおくべきだった(笑)。

→第81回の記事を読む

2014のジャパンカップクリテリウムで2位に入ったスティール・ヴォンホフ。レース外での、筆者との気さくなやり取りを紹介した<福光俊介撮影>2014のジャパンカップクリテリウムで2位に入ったスティール・ヴォンホフ。レース外での、筆者との気さくなやり取りを紹介した<福光俊介撮影>

第95回 引退レースを終えたカデル・エヴァンスの足跡と功績(2015年2月4日)

自身の名を冠した「カデル・エヴァンス グレートオーシャンロードレース」で引退したカデル・エヴァンス ©Tim De Waele自身の名を冠した「カデル・エヴァンス グレートオーシャンロードレース」で引退したカデル・エヴァンス ©Tim De Waele

 選手のエピソードについて書いていると、こみ上げてくるものがついつい抑えられなくなってしまうことがある。恥ずかしながら、自らが書く文章に酔ってしまっているのだ。

 引退レースを終えたエヴァンスのキャリアを振り返り、人物像に迫ったこの回は最たる例。反響も大きく、熱心なファンからはSNSを通じてお礼まで届いた。それだけエヴァンスが愛され、日本にも多くのファンがいたことを実感した。

→第95回の記事を読む

第98回 カンチェッラーラが見せたリーダーシップ(2015年2月25日)

 これもまた反響が大きかった。ツアー・オブ・オマーンの主催者に対し、過酷なコンディションでのレースを中止するよう訴えたファビアン・カンチェッラーラのエピソードを紹介し、プロトンの在り方や、リーダーシップを執る人物に迫った。

 この記事について興味深かったのは、読者から届いた反響が「ファビアン・カンチェッラーラの人物像」「レースの安全性」の2つに分かれたこと。筆者としても思わぬ発見であった。

→第98回の記事を読む

危険な環境でのレースを中にするため、主催者に抗議するファビアン・カンチェッラーラ(ツアー・オブ・オマーン2015)<砂田弓弦撮影>危険な環境でのレースを中にするため、主催者に抗議するファビアン・カンチェッラーラ(ツアー・オブ・オマーン2015)<砂田弓弦撮影>

◇         ◇

 「週刊サイクルワールド」では、今後も国内外のレースシーンを追い、その分析やレポートを詳しくお届けしていきます。200回、300回と連載していけるよう邁進していく所存です。これからもどうぞご期待ください!

今週の爆走ライダー-ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレック ファクトリーレーシング)

「爆走ライダー」とは…

1週間のレースの中から、印象的な走りを見せた選手を「爆走ライダー」として大々的に紹介! 優勝した選手以外にも、アシストや逃げなどでインパクトを残した選手を積極的に選んでいきたい。

 父のジャンポール氏は、ツールでステージ通算22勝を挙げ、1987年にはポイント賞も獲得した名スプリンター。兄でチームメートのボーイをはじめ、家族全員がライダーという自転車一家に育ったサラブレッドだ。父譲りのスプリント力で、ヴァカンソレイユ・DCM所属だった2013年には19歳でツール出場を果たすなど、将来を嘱望されてきた。

 3月8日に閉幕した西フランドル3日間(UCI2.1)では、第2ステージで今季初勝利。プロローグでの出遅れが響き総合では6位に終わったが、昨年に続くステージ勝利に喜びもひとしおだ。

ダニー・ファンポッペルが、兄であるボーイのリードアウトからスプリント勝利(西フランドル3日間 第2ステージ)©Trek Factory Racingダニー・ファンポッペルが、兄であるボーイのリードアウトからスプリント勝利(西フランドル3日間 第2ステージ)©Trek Factory Racing

 それもそのはず、兄のボーイとのホットラインが完成しての勝利だったのだ。ボーイのリードアウトにラスト200mで応えたダニー。これが決まるようになっていけば、今後の勝利量産にも期待ができそうだ。

 勝負強いスプリントとともに、そのスピードを生かし短い距離のTTにも強さを発揮する。若くしてプロの世界に身を投じたが、育成環境にも恵まれ、無理のないプログラムを組みながらレースに出場できている。現在21歳だが、同年代のライバルたちもエリートカテゴリーへ上がってくる2~3年後から本当の勝負がスタートすることだろう。

 偉大な父を超える日はいつやってくるか。ボーイとの二人三脚のプロキャリアには、明るい未来が待っている。

文 福光俊介

福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)

自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて十数年、気がつけばテレビやインターネットを介して観戦できるロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。2011年、ツール・ド・フランス観戦へ実際に赴いた際の興奮が忘れられず、自身もロードバイク乗りになる。自転車情報のFacebookページ「suke’s cycling world」も充実。本業は「ワイヤーママ徳島版」編集長。

関連記事

この記事のタグ

週刊サイクルワールド

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載