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はらぺこサイクルキッチン<32>アンチエイジングのカギは彩り野菜と良質な油 池田祐樹選手がつくる“おうちごはん”

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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祐樹さんが調理からテーブルコーディネートまでした食事。生卵は平飼いで飼育されたもの。右下は、とろろ昆布にお湯と醤油をかけた簡易お吸い物。小さじ1/2程度の味噌を入れるといいよとアドバイスしました祐樹さんが調理からテーブルコーディネートまでした食事。生卵は平飼いで飼育されたもの。右下は、とろろ昆布にお湯と醤油をかけた簡易お吸い物。小さじ1/2程度の味噌を入れるといいよとアドバイスしました

 先日、夫でMTBプロアスリートの池田祐樹が、私の代わりに夕食を作ってくれました。ごく簡単なものでしたが、手際よく作ってくれた上に彩りもよく、とてもおいしかったです。数年前から比べると、その変化と進歩にビックリ。思わず「いつ間にこんなにできるようになったの。すごい!」と褒めちぎりました。今回はそんな、アスリートによるアスリートフードと、初公開(!?)のエプロン姿をお披露目します。

細胞レベルの若々しさを

 いつの間にか料理の腕を上げていた祐樹さん。私が家を空けた数日間も毎食「今日はこんなものを作った」と写真を送ってくれて、買い物から調理、盛り付け、テーブルコーディネートと全て一人でこなし、ますます腕を上げながら結構楽しくやっていたようです。

祐樹さんがMTBで昼食用のパンを買いに行った時の写真。なんだかうれしそうなのが伝わってきます祐樹さんがMTBで昼食用のパンを買いに行った時の写真。なんだかうれしそうなのが伝わってきます

 食事を作るにあたって「何を食べたいか」を自分に問うと同時に「この先、どんな身体にしたいか」を意識している日々ですが、祐樹さんは「30代半ばになって『身体の細胞を若く保つこと』を特に意識し始めた」と言います。属に言う“アンチエイジング”ですが、アスリートにとってはそれが「パフォーマンスをキープする、もしくは向上させる」ことにつながるとても大事なキーワード。先々に目を向ければ、選手生命を延ばすことにもつながります。

 外から若さを作るのは、小手先の若さ。身体をスキャンしたときにも細胞レベルで若々しくいるためには、身体を作る食がやはりカギとなります。そのために食で工夫していることはいくつもありますが、中でも大きく二つのことが挙げられます。

野菜の色は「多く」「濃く」

有機栽培でない野菜には、農薬除去作用があると言われている重層を水に入れ、少し浸けてから調理。私が不在の間もやっていました有機栽培でない野菜には、農薬除去作用があると言われている重層を水に入れ、少し浸けてから調理。私が不在の間もやっていました

 まず一つは「激しい運動によって身体の中に発生した活性酸素(老化の原因!)を除去すること」です。そのために欠かせないのが、抗酸化作用のある生の葉野菜。サラダは昼・夜とたくさん食べています。祐樹さんの自炊でも、サラダは山盛り。私が教えた簡単ドレッシング(野菜にすし酢、醤油、亜麻仁油、ほんの少しのごま油を掛けるだけ)もマメに作っていました。

 そして、彩りにも変化が。「以前は単に“野菜を食べていればいい”と思っていたけれど、清子の影響で野菜の色をなるべく多く、そして色の濃いものを入れるよう意識し始めた。色の数だけ、違う栄養素を摂れるし、見た目もいいからテンションが上がる。目でも楽しめて満足感が増す」と祐樹さん。日頃の習慣が染み付いているんだなぁと、感慨深くなりました。

紫色のものは、ドラゴンレッドという芋。活性酸素を除去したり、抗インフルエンザウイルス活性があると言われています。蒸して塩とココナッツオイルでシンプルに調理しています。納豆にシソが敷いてあるのも工夫が見られます紫色のものは、ドラゴンレッドという芋。活性酸素を除去したり、抗インフルエンザウイルス活性があると言われています。蒸して塩とココナッツオイルでシンプルに調理しています。納豆にシソが敷いてあるのも工夫が見られます

 そしてもう一つが、良質な油を摂ること。アンチエイジングにつながる大切なことです。「いま使っている中でも特に気に入っているのがココナッツオイル、ヘンプオイル、亜麻仁油。加熱してもいいものとそうでないものを分けて、自炊の中でも適量を積極的に使った。特に加熱しないで使う油は、良質な血管を作るためにも重要で効果的」と、使い分けもグッドです。

エプロン姿の祐樹さん。若々しい身体を作るための食材選び、調理方法もバッチリエプロン姿の祐樹さん。若々しい身体を作るための食材選び、調理方法もバッチリ
左からココナッツオイル、亜麻仁油、ヘンプオイル左からココナッツオイル、亜麻仁油、ヘンプオイル

楽しみながら目指す「永遠の20歳」

 トレーニングで疲れていても自炊することのメリットは「自分のコンディションに合わせて作れること」だと祐樹さんは言います。「その日のトレーニング強度に合わせて炭水化物の量とたんぱく質の量を調整した。買い物の段階から、食材の栄養素を余すことなく得るために、なるべくホールフーズ(丸ごと)で食べるということも意識したり、自分の身体の中に入れて、血となり筋肉になるということを考えたりして食材を選んだ」

右上は動物性タンパク質のなかで最も吸収率が高いと言われているラム肉。塩コショウをして、ピーマンとグリル。余計な油も落としながら、シンプル調理。安全なものが手に入った時は、動物性も適宜取り入れています右上は動物性タンパク質のなかで最も吸収率が高いと言われているラム肉。塩コショウをして、ピーマンとグリル。余計な油も落としながら、シンプル調理。安全なものが手に入った時は、動物性も適宜取り入れています

 そんな祐樹さんから「放牧でグラスフェドの(草を食べて育った)ラム肉を見つけて買った」とうれしそうな連絡がありました。安心して身体に入れられるものを選択していく習慣がしっかりできてきています。

買ってきたパンにココナッツオイルを塗ってトーストし、スプラウトやオクラ、豆腐など具沢山のサラダ、アボカド。栄養面もばっちり。野菜も自分で選んで買ってきたのかと思うと、全てを褒めたくなります(笑)買ってきたパンにココナッツオイルを塗ってトーストし、スプラウトやオクラ、豆腐など具沢山のサラダ、アボカド。栄養面もばっちり。野菜も自分で選んで買ってきたのかと思うと、全てを褒めたくなります(笑)

 料理する上では「素材本来の味を引き立たせるために、調理をし過ぎないようシンプルにしている。だからこそ、素材にこだわりたい。野菜がメーンで、周りから“我慢している”と思われがちだけれど、ものすごく楽しんでいるから今の食事のスタイルは全く苦にならない。デメリットは、一人だとどうしても食べ過ぎてしまうこと」と言います。良質なものを食べるのと同じくらい、適量を食べるということも大事ですよ。

 毎朝計測している体組成では、体内年齢なるものが表示されるのですが、祐樹さんの数値は20歳。参考程度に指針にしているのですが、祐樹さんの目標は「永遠の20歳!」だそうです。

私が忙しくしていたときにさっと作ってくれたフォー。パクチーやレモンが効いています私が忙しくしていたときにさっと作ってくれたフォー。パクチーやレモンが効いています
体組成も大公開。シーズン開幕に向けて、いい感じに仕上がってきています。体内年齢は19か20歳で落ち着いています。実年齢マイナス15歳!体組成も大公開。シーズン開幕に向けて、いい感じに仕上がってきています。体内年齢は19か20歳で落ち着いています。実年齢マイナス15歳!

◇         ◇

 パフォーマンスを上げるため、細胞レベルで美しく健康でいるため、選手生命を延ばすため、ぜんそくを治すため―などなど。食について研究し、実践し、結果を検証し、夫婦でとことん話し合うのは日常茶飯事。ですが、今回は完全に祐樹さんに“お任せ状態”だったお陰で、見た目だけでなく、身体のことを考慮した献立、祐樹さんが気を付けていることやこだわり、食への変化を私も改めて知る機会になりました。完成した食事を見て、正直「いつの間に、こんなにうまくなったの!?」という感じで「私も負けてはいられない」と刺激になりました。夫婦で永遠の20歳を目指して、頑張らなくては。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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