工具はともだち<67>「デジタル型トルクレンチ」は扱いやすくて柔軟に活躍できる“万能選手”

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 中国の旧正月「春節」で、多くの観光客が来日されましたね。たまたま秋葉原に行った時に、おみやげを“爆買い”されている方を多くお見かけしました。経済効果は1000億円以上にも及んだとか。なかなか自転車を“爆買い”することはなかったようですが、工具はどうなんでしょうか?

 前回から引き続き、「直読式」に分類されるデジタル型トルクレンチのお話を進めていきます。

作業姿勢はトルク値を左右する

 みなさん、メンテナンス時の作業姿勢を意識されてますか? 無理な姿勢だと、体に余計な負荷をかけるだけでなく、締め付けトルクにも影響する場合があります。特にシグナル式トルクレンチに関しては、支点と力点の距離が変われば、ダイレクトに締め付けトルクに影響がでます。グリップエンドを持ってしまった場合は、支点までの距離が長くなっているため、設定トルクよりも強く締まってしまう場合があります。できるだけ作業しやすい姿勢で、締め付けや測定をしていただくことをおすすめします。

力点がずれればトルクに影響が出るため、持ち手の位置は重要力点がずれればトルクに影響が出るため、持ち手の位置は重要
デジタル型トルクレンチの力点はグリップ中央部。ここに中指を当てるのが理想的デジタル型トルクレンチの力点はグリップ中央部。ここに中指を当てるのが理想的

 その点、デジタル型は安心です。レンチをお持ちの方は、グリップ部をご覧ください。グリップの中央部に、盛り上がっているラインがありますよね。そのラインが、正確に測定するのに適した持ち手のポイントを示しています。コツは、その部分に中指をあてて作業することです。使い方がわかりやすく、不安を省いてくれるのもデジタル型のいいところだといえます。

 デジタル型のほかの特徴として、測定結果を自分仕様にカスタマイズできることが挙げられます。シグナル式は、締め付けトルクの設定が簡単な反面、測定する最も大きいトルク値(ピークホールド)での締め付けしかできないのが弱点です。反面、デジタル型はピークホールドを行えるだけでなく、ダイヤル型と同様にリアルタイムでトルク値を測定でき、しかもデジタル表示。百点満点とは言い切れませんが優秀な“万能選手”です。デジタル化されたことで、よりさまざまなメンテナンス現場に柔軟に対応できるように発展したといえるでしょうね。

モンキレンチタイプもデジタル型の代表格

 設定したトルクに達した場合、シグナル式の代表であるプレセットタイプは、「カチッ」というショックが手に伝わる方法が一般的でした。デジタル型の場合は音と光、振動などでお知らせします。目視できるのでわかりやすいですが「カチッ」に慣れていらっしゃる方だと、最初は少々戸惑うかもしれませんね。

モンキレンチがヘッド部についたデジタル型トルクレンチモンキレンチがヘッド部についたデジタル型トルクレンチ

 デジタル型トルクレンチは、ラチェットタイプのほかにもさまざまなタイプがあります。代表的なのはクルマ、オートバイだけでなく、電気工事や配管工事で使われるケースが多いモンキレンチをヘッド部に使用したもの。ラチェットタイプとは違って、先端に接続する工具が必要ないので、さまざまなサイズのボルトの締め付けに対応できます。しかしながら、自転車メンテナンスでの登場は少ないようですね。

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小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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