title banner

Peloton Images Asia「アジアを撮る」<1>アジアのレースを盛り上げたい! 若手フォトグラファーたちの新しい挑戦

  • 一覧

 サイクルフォトグラファーとして活躍する田中苑子さんが今年、アジアのフォトグラファー仲間と共に、イメージバンク『Peloton Images Asia』(プロトンイメージスアジア)をスタートしました。新連載「アジアを撮る」では、レース撮影のちょっとした裏話やアジアのレースの現状を、美しい写真と共にお届けします。

◇      ◇

マレーシアのレースで大きな国旗をもって沿道に駆けつけた子どもたち。観客の多さは、東南アジアにおけるレースの大きな魅力の1つマレーシアのレースで大きな国旗をもって沿道に駆けつけた子どもたち。観客の多さは、東南アジアにおけるレースの大きな魅力の1つ
インドネシアのレース風景。観客の多さとその好奇心にオーストラリア人選手が苦笑いインドネシアのレース風景。観客の多さとその好奇心にオーストラリア人選手が苦笑い
レース前にサンダルからレースシューズに履き替える。このようなサンダルがアジアらしい風景レース前にサンダルからレースシューズに履き替える。このようなサンダルがアジアらしい風景

 この連載をお届けする『Peloton Images Asia』は、2015年に運営を始めたばかりの、アジアのレース写真を中心としたイメージバンクです。日本人である私、田中苑子と、シンガポール人のダニエル(Danial Hakim)、そしてマレーシア人のジィ(Zie Haqqin)が立ち上げました。活動のベースは、写真の販売を行うウェブサイトですが、ただ単に写真の販売を行うだけでなく、いくつかのミッションを持った1つのプロジェクトでもあります。

アジア各地のレース写真を集約

 まず1つ目のミッションは、アジアのレースシーンと欧米メディアや企業との橋渡しをすること。よく欧米のチームがアジアのレースの写真を探している状況を目にします。また、ヨーロッパのメディアから「ツール・ド・韓国の写真を探しているんだけど、誰か韓国に知り合いはいない?」なんて連絡を受けることも。なので、欧米やアジア各国で写真を必要とするメディアや企業が、簡単に写真を探すことができるように、アジア各地のレース写真を1カ所にまとめ、すべて英語で情報発信を行っていきたいと思っています。

 また近年、不景気の影響でヨーロッパのレースが年々減っており、逆にプロチームをスポンサードするアジアの企業が増えているため、トップチームがアジアのレースを走る機会がこれまで以上に多くなってきています。そんな流れもあり、この橋渡しがうまく機能すると、世界中のより多くの人々にアジアのレースを知ってもらえる可能性が広がります。

スタートラインで談笑するアンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)。トッププロがアジアのレースに来ることも珍しくはないスタートラインで談笑するアンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)。トッププロがアジアのレースに来ることも珍しくはない
レースのスタートをチームバンの荷台で待つ。ツール・ド・ランカウイよりレースのスタートをチームバンの荷台で待つ。ツール・ド・ランカウイより
熱帯マレーシアで開催されるツール・ド・ランカウイ。レース後には放水車からの冷水シャワーで選手たちはクールダウン熱帯マレーシアで開催されるツール・ド・ランカウイ。レース後には放水車からの冷水シャワーで選手たちはクールダウン

アジア人フォトグラファーをつなげる

 そして2つ目のミッションは、このイメージバンクは単に私たちの営利を目的とするだけではありません。できるだけ多くの国のレースをカバーするために、たくさんのコントリビューター(協力関係にあるフォトグラファー)を起用する予定です。そこで『Peloton Images Asia』は写真を売る場所を提供し、もし売れたなら、他のイメージバンク同様、撮影者にペイバックします。そのような関係を通じて、私たちアジア人フォトグラファー同士のネットワークの強化を図りたいと考えています。

中国で新しいメディアを立ち上げたアンナ(右)と。中国で開催されているレースは多く、今後の『Peloton Images Asia』には彼女たちの協力が不可欠となる中国で新しいメディアを立ち上げたアンナ(右)と。中国で開催されているレースは多く、今後の『Peloton Images Asia』には彼女たちの協力が不可欠となる

 現在、アジア各国には若くて有望なフォトグラファーが大勢いますし、私たちの親睦は年々深まっています。連携を深めることで様々な情報交換を行えるし、自分たちの技量の向上にもつながると考えています。また、イメージバンクを媒介にしてメディアのネットワークが強力になれば、アジアのレースシーンをより盛り上げることに貢献できるのではないかと考えています。

 そのような背景から生まれた『Peloton Images Asia』。欧米のトップレースと比較してしまうと、アジアのレースシーンは規模が小さく、スター選手もいません。ただ、アジアの一国である日本にとって、アジアのレースは決して無視できる存在ではありません。素晴らしいレースがたくさん開催されていますし、自転車ロードレースの頂点であるUCIワールドツアーをめざすチャレンジの場としても大切です。また現在のUCI規定では、UCIアジアツアーで獲得するポイントが、世界選手権やオリンピックの出場枠につながります。

2014年のツール・ド・台湾、公式メディアチーム。海外からビデオグラファーや実況など各分野のプロフェッショナルを招待する大会も多く、このような機会からメディア同士のネットワークは広がっていく2014年のツール・ド・台湾、公式メディアチーム。海外からビデオグラファーや実況など各分野のプロフェッショナルを招待する大会も多く、このような機会からメディア同士のネットワークは広がっていく
インドネシアのレースにて、地元のメディアや主催者たちと。アジア特有のフレンドリーな雰囲気は、忙しい業務のなかでの癒しとなるインドネシアのレースにて、地元のメディアや主催者たちと。アジア特有のフレンドリーな雰囲気は、忙しい業務のなかでの癒しとなる

アジアのレースの魅力を伝えたい

 ヨーロッパと比較すると歴史は浅く、レース運営も危なっかしいことが多々ありますが、アジアのレースにはアジアにしかない魅力があります。チームやレースの数も少なく、レース会場に行くといつも同じ顔が揃い、そこにはアットホームな家族のような関係があり、そのなかには個性豊かな人たちがいっぱいいます。この連載では、私たちの取材環境や、そこで出会う様々な人々、出来事を紹介することで、“誰が勝った、負けた”というのではなく、ちょっと違った視点から、アジアのレースを紹介していきたいと思っています。

(文 田中苑子・写真 Peloton Images Asia

アジアのレースは熱帯地方で開催されるものが多い。とにかく暑いのが代名詞でもあるアジアのレースは熱帯地方で開催されるものが多い。とにかく暑いのが代名詞でもある
インドネシアの小さな街を通り抜ける選手たち。このような場所では、娯楽が少なく、子どもたちは目を輝かせて選手たちに声援を送るインドネシアの小さな街を通り抜ける選手たち。このような場所では、娯楽が少なく、子どもたちは目を輝かせて選手たちに声援を送る
レースに合わせて交通規制が行われ、足止めされたバスの観客たちがレース観戦を楽しむレースに合わせて交通規制が行われ、足止めされたバスの観客たちがレース観戦を楽しむ

■Peloton Images Asia(プロトンイメージスアジア)

 自転車レース写真等を配信するアジア発のイメージバンク。UCIアジアツアーの主要レースをカバーしながらも、ヨーロッパで走るアジア人選手にもフォーカス。イメージバンクとしての機能だけでなく、アジアの自転車競技界に精通する1つのメディアとして情報発信も行っていく予定。サイトでは誰でも写真の閲覧、購入(クレジットカードを利用したPayPal決済)が可能。 www.pelotonimages.asia

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

Peloton Images Asia「アジアを撮る」 田中苑子

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載