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栗村修の“輪”生相談<43>30代男性「走るとお尻に痛みが残ります。サドルの選び方、乗り方など教えてください」

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ロードバイクに乗り始めてかれこれ3年目。月に200~300kmは走るのですが、それでも一度走るとお尻に痛みが残ります。サドルの選び方、乗り方、それ以外の方法など工夫できることがあったらお教えください。

 当方は85kgの、いわゆる「でぶ」です。1回当たり60~100kmほど走ります。平均速度は25~27kmほどなので休憩を入れて2~5時間ほど走ります。3時間越えになると、痛みがきつくなりますね。

 サドル交換も考えてますが、相性があるので他に方法はないかと思い相談させていただいた次第です。よろしくお願いします。

(30代男性)

 お尻の痛みは、サイクリストとは切っても切り離せない悩みです。プロ選手でも、サプライヤーとの関係により好きにサドルを選べませんから、やっぱりお尻の悩みがつきまといます。

 お尻の痛みには、大きく分けて2つあります。今回のご質問だけでは、そのいずれかは判断ができないので、両方についてお伝えします。

 まずは、お尻の尾てい骨周辺、つまりサドルに座っている部分が痛くなるケース。これは初心者の方に多いパターンです。プロではまずないでしょう。

 初心者の方ほど、ハンドルが高いアップライトなポジションが多いですよね。これは確かに腰は楽になるんですが、そのかわりに、サドルにどっかりと座ることになります。すると、体重がサドルとお尻が接している面にかかり、尾てい骨周辺を圧迫。結果痛みが出るというわけです。

ハンドルが高すぎると、お尻に圧が集中してしまいますハンドルが高すぎると、お尻に圧が集中してしまいます

 ポジションとお尻にどういう関係があるの? と思われるかもしれません。プロがこの痛みに悩まされないのは、極端に言えば、彼らが「サドルに座っていない」ためです。ハンドルが低く、高い出力で走る彼らは、体重をハンドル、ペダルに分散させています。あともちろん、体重も軽い。だから、サドルにかかる圧が小さいんですね。アップライトなポジションだと、どうしてもこの圧が大きくなってしまう。

 また、初心者の方ほど、ダンシング(立ちこぎ)を避ける傾向がありますが、これも痛みの一因です。ツール・ド・フランスなどプロのレースを見て頂くとわかると思いますが、プロは、平地でもしょっちゅうサドルから腰を上げています。これにはストレッチなどの意味もありますが、お尻を圧から解放する効果もあります。

 この手の痛みは、サドルとの相性以前の問題です。どんなサドル、たとえママチャリのような広くて柔らかいサドルを使っても、圧がかかる以上痛みが出ます。したがって対策としてはまず、お尻が痛くなる前に腰を上げてダンシングする習慣をつけること。次には、アップライトなポジションを変えてみること。そして、ペダリングをするときの出力を挙げること。最後に、ダイエットとなります。

これなら絶対お尻は痛くならない…けど?これなら絶対お尻は痛くならない…けど?

 もう一つは、これは男性固有かもしれませんが、尿道付近の痛みです。これはプロでも悩まされる場合がありますが、サドルを選ぶことで改善・解消が可能です。今は科学的にサドルを設計するメーカーも増えてきています。溝があったり、穴が開いているサドルを見たことはありませんか? あれこそ、この手の悩みを解消すべく登場したものです。ネットなどで評判をチェックしつつ、合うものを探してみてください。ご友人のサドルに試乗してみるのもいいかもしれませんね。
 
ついでに、お尻の痛みじゃありませんが、股ずれについても言及しておきましょう。僕はこれにずっと悩まされてきました。これも、プロでも発生することがある痛みです。ツールを股ずれのせいでリタイアする選手もいるくらいです。

 これは、バイクパンツとの相性もありますが、ワセリンやクリームで解消できます。あと、現役時代の僕は、ポジションとの関係に気付きました。サドルが高いと、股に食い込むせいか、股ずれが発生しやすいんです。だから、サドルを低くするか、前に出すかして膝に余裕を生むと解消する場合が多かったですね。

(編集 佐藤喬・写真 砂田弓弦)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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