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子育て満点バイク in アジア<12>アドバイザーとして見守った5歳の少女の台湾自転車旅 はらはらドキドキの4日間227km

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台湾の自転車旅にチャレンジした十川みのりちゃん(左)と好信さん台湾の自転車旅にチャレンジした十川みのりちゃん(左)と好信さん

 「みのりと台湾を自転車で走ろうと思うんやけど」――ある日、友人から突然の問い合わせがありました。私はちょうど2014年10月の台湾自転車ツアー「台湾ディスカバリーライド」からシンガポールへ帰国したところだったので、「台湾はいいですよー」と返信しかけて気づきました。「みのり」って…5歳のみっちゃん? 後ろのチャイルドシートに乗るんじゃなくて、え、走るの!?

“大阪のお節介おばちゃん”になりきってアドバイス

 その友人、十川(そがわ)好信さんは、私が代表を務めるコグウェイ主催のイベント「四国ディスカバリーライド」の際、高松市のホテルで参加者の受け入れをしてくれている方です。私は、「自転車旅といっても泊まるところが毎日違うだけで、普段自転車に乗るのとそう変わらないですよ」と常々言ってはきたけれど、そして「台湾は世界有数の自転車大国で、自転車旅がしやすい」と勧めてきたけれど…なんと言ってもみのりちゃんは5歳児なのです。

台湾・高雄でもサイクリングを楽しんだ十川さん親子台湾・高雄でもサイクリングを楽しんだ十川さん親子

 十川さん一家は、毎年夏休みに1カ月ほど辺境をバックパッカーをして回ったり、子連れでお遍路さんに出かけ1日20kmほど歩いたりと、旅慣れているのは知っていました。だから行けないこともないかなぁ…と、記憶に新しい台湾の風景を思い描きながら、私も決心しました。「自転車旅のことならなんでも聞いてください!」

 これまでどのくらい走ったことがあるのか、自転車はどうやって持っていくのかといった質問はもとより、トレーニングが欠かせないことなどもしっかりとアドバイス。私がシンガポールから日本へ一時帰国をしたときには、一緒に輪行の練習をしました。さらに台湾の友人にも手伝ってもらえるよう連絡を入れ――まるで大阪のお節介おばちゃん(実際大阪出身ですし)。

自転車2台を台湾に輪行。やはり乗りなれた自転車を…ということで持参しました自転車2台を台湾に輪行。やはり乗りなれた自転車を…ということで持参しました
台北市内で友人と合流して食事を楽しみました台北市内で友人と合流して食事を楽しみました

台湾の東部の街から街を走った自転車移動

 ついに出発の1月8日、みっちゃんは十川さんとともに台湾へ旅立ちました。写真やレポートは十川さんのFacebookへ次々にアップされ、私もハラハラどきどきしながら見守ったのです。

 旅のスケジュールはおよそ2週間。途中、無理をしないよう電車やバスでの移動を取り入れながら、台湾東部の天祥から台東まで数日間かけて移動する自転車旅と、各地で台湾のサイクリストたちとサイクリングを楽しめるようなプランを立てました。自転車旅の1日目は台北から電車で花蓮へ行き、そこからバスに乗って天祥へ。

花蓮から天祥へ向かうバスに自転車を積み込みました花蓮から天祥へ向かうバスに自転車を積み込みました
サイクリングのスタート地点天祥で自転車を組み立てる十川みのりちゃんサイクリングのスタート地点天祥で自転車を組み立てる十川みのりちゃん

 天祥は、大理石でできた太魯閣渓谷があることで有名です。サイクリングはここからスタート。景色がよくて下り基調の、とても気持ちがいい30kmほどの道のりが続きます。私も台湾自転車ツアーで同じルートを走ったことがあります。

 一方で道幅が狭いところがあったり、道路工事をしていたり、観光バスが通ったりと危険な場所もあります。「砂がたまっているところがあるのでブレーキは気をつけてくださいね」「断崖絶壁なので気をつけて」と事前のアドバイスはお節介全開。「見事、52km走り花蓮に到着!」のレポートを見たときにはホッとしました。十川さん自身は、みっちゃんのフォローで景色を楽しむ余裕もなかったのだとか。

細心の注意を払いながら太魯閣峡谷の壮大な風景の中を走りました細心の注意を払いながら太魯閣峡谷の壮大な風景の中を走りました

2日連続で60km以上の距離をクリア

海沿いを快適に走る2日目のルート。クルマも少なく側道も広くて走りやすい海沿いを快適に走る2日目のルート。クルマも少なく側道も広くて走りやすい

 翌日は光復を目指すルート。出発したなぁと思ってレポートを見ていたら「お昼ごはんにおにぎりを食べました」…「おにぎりだけ!? もっと食べて!」と心配になってきました。またゴールかと思えば、「まだ時間が早いから」となんと翌日の目的地、瑞穂まで走ってしまいました。この日の走行距離は67km!

 3日目は、廃線跡のサイクリングロードを快走。自転車専用道路なので安全です。お昼には、この日の目的地、池上に到着をしていました。地産の池上米を使った「池上弁当」は台湾でもよく知られていて、わざわざクルマで食べにくる人もいるくらい。そのお弁当でエネルギーチャージを済ませると、翌日の目的地である関山まで走ってしまいました。一日の走行距離64kmは、予定の1.5倍のペース! 2日連続で60km以上走るなんて、すごい5歳児です。

瑞穂の民宿を出発する十川みのりちゃん瑞穂の民宿を出発する十川みのりちゃん
元鉄道線路を利用したサイクリングロードを走りました。ここは、安心安全元鉄道線路を利用したサイクリングロードを走りました。ここは、安心安全

 というわけで、あっという間に最終日。朝からあいにくの雨で、出発前に「天気予報ではずっと雨なんやけどどうしよう」と相談を受けていました。私は、「雨の時は危ないので走らないでヒッチハイクしてください」とアドバイス。でもどうやら雨は出発の時間にやんだそうで、自転車でしっかりと走り始めました。46kmのこの日の行程のうち大きな峠では、ヒッチハイクにチャレンジ。待ち始めて10秒で小型トラックが止まってくれたとか。

 お昼過ぎ、無事にゴールの台東に到着! その後は、台湾サイクリストの知り合いに、リゾート地である日月潭へ連れて行ってもらったり、大好きな餃子をごちそうになったりと台湾を満喫することができたそうです。自転車がご縁でおもてなしをしてくれる、嬉しいことです。

地元での人気がある池上弁当をランチにいただきました地元での人気がある池上弁当をランチにいただきました
瑞穂~池上間の橋の上で小休止瑞穂~池上間の橋の上で小休止
台湾のリゾート地、日月潭もサイクリング台湾のリゾート地、日月潭もサイクリング
台湾・高雄の街中を走る十川みのりちゃん台湾・高雄の街中を走る十川みのりちゃん

◇         ◇

 鼻歌混じりにサイクリングを楽しんだというみっちゃん。「少し疲れたけどまた行きたい」と旅を振り返っています。何よりみっちゃん、天祥から台東への4日間自転車旅おめでとう! いつかうちの息子たちも、みっちゃんと一緒に走らせたいなぁと密かに野望を抱いたのでした。

山田美緒山田美緒(やまだ・みお)

サイクリストとして世界中を旅した経験から一般社団法人コグウェイを設立し、「四国ディスカバリーライド」「コグウェイin台湾」などを主催。著書に、アフリカ大陸縦断記をまとめた『マンゴーと丸坊主』、女性サイクリストたちとの旅や交流の体験記『満点バイク』がある。2014年3月よりシンガポール在住。ブログ「満点バイク」を掲載。

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