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新設の「いなべステージ」は集団ゴールを想定プロ復帰の西薗良太が「ツアー・オブ・ジャパン」総合上位に意欲 NIPPOも出場交渉中

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今年の大会概要を説明する、栗村修大会副ディレクター今年の大会概要を説明する、栗村修大会副ディレクター

 国内最大のステージレース「第18回ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」(5月17~24日開催)で、今季プロに復帰した西薗良太(ブリヂストンアンカー)が再び日本人最高位を目指す。2月18日に開かれた大会公式記者発表会のトークショーで、西薗はヒルクライムステージでの日本人最速記録の更新に意欲を見せ、大会を通じての活躍を誓った。記者発表会では、今年新設される「いなべステージ」(三重県いなべ市)の詳細が明らかになるなど、大会の見どころが多数紹介された。(文・写真 米山一輝)

「けじめの1年間」を経て再挑戦

1年のブランクを経て現役復帰した西薗良太(中央)を招いてのトークショー1年のブランクを経て現役復帰した西薗良太(中央)を招いてのトークショー

 トークショーでは、2013年大会で日本人最高の総合6位に入った西薗がゲストとして登場した。2013年シーズンを終えて一度は現役を退いた西薗。その時は、ヨーロッパで戦う道が一旦閉ざされたことで、けじめを付ける気持ちがあったという。ブランクの1年間は自転車に乗っていないと落ち着かず、「思ったより自分は自転車が好きだったんだな」という再発見もあったという。

 所属するブリヂストンアンカーは外国人選手がエースを務めることも多いが、西薗は「彼らをアシストにできないと世界では通用しない」と語る。TOJで得意なステージは伊豆ステージ。大会では南信州、富士山、伊豆と続く山岳3連戦がキーポイントになるとの見方を示した。

 ヒルクライムレースとなる富士山ステージでは、現在42分台にとどまっている日本人最高タイムを破りたいとし、南信州ステージでもライバルからタイムを稼ぐことが、総合上位を狙う上では重要になる―と語った。

 また、レース中に選手のメカトラブルなどに対応するマヴィックとシマノのニュートラルサポート担当者を交えてのトークも行われ、刻一刻と動き続けるレース現場でのエピソードが披露された。

マヴィックとシマノのニュートラルサポートスタッフを招いてのトークでは、プロ1年目の西薗がレース中にサポートを受けた際に、誤って走行中のマヴィックカーのドアを開けてしまったという、びっくりエピソードも披露されたマヴィックとシマノのニュートラルサポートスタッフを招いてのトークでは、プロ1年目の西薗がレース中にサポートを受けた際に、誤って走行中のマヴィックカーのドアを開けてしまったという、びっくりエピソードも披露された
発表会は東京都渋谷区のスバル恵比寿ショールームで開催。会場には、スバル・レヴォーグを使用するマヴィックとシマノのサポートカーも展示された発表会は東京都渋谷区のスバル恵比寿ショールームで開催。会場には、スバル・レヴォーグを使用するマヴィックとシマノのサポートカーも展示された

鈴鹿山脈を望む新コース

 新ステージ「いなべステージ」が行われる三重県いなべ市は、鈴鹿山脈と養老山地に挟まれた場所に位置する。レースは日本で3路線のみ現存するレール幅762mmの特殊狭軌鉄道、三岐鉄道北勢線の終点である阿下喜(あげき)駅をスタート。発表会ではいなべ市を紹介する映像も公開された。映像には日沖靖いなべ市長も登場し、「鈴鹿山脈を一望できる大パノラマをコースにご用意しました。いなべ市でお待ちしております」とメッセージを寄せた。

いなべ市を紹介する映像も紹介されたいなべ市を紹介する映像も紹介された
コースのダイジェスト映像も公開コースのダイジェスト映像も公開
いなべ市長からもメッセージいなべ市長からもメッセージ

 TOJでは初日にタイムトライアルが行われ、いなべステージはロードレースとしては最初のステージとなるため、主催者側としては、集団ゴールになる難易度を意図してコースを設定したという。また、いなべステージの追加にともなって、バランスを取るために、既存ステージの多くは周回数が減らされた。

これまではふじあざみライン入口の小山町からパレードスタートしていた富士山ステージ。今年は約13kmのセレモニーランを予定これまではふじあざみライン入口の小山町からパレードスタートしていた富士山ステージ。今年は約13kmのセレモニーランを予定

 富士山ステージでは今年、レース前のセレモニーランを大幅に延長し、御殿場市内に近い位置からスタートする計画だ。将来的には距離の長いロードレースを設定し、富士山五合目を山頂ゴールにする構想もあるという。

 日本人選手が総合優勝するためには、上りが厳しすぎる富士山ステージの存在がネックだという意見も根強いが、主催者側は、日本一の山をレースの舞台とする意義と、富士山ステージで勝利する実力を備えた日本人が出てきてほしいという思いから、今後も富士山ステージを開催していく方向だという。

海外チームの招待にジレンマ

 出場チームは国内8チーム・海外8チームのうち、国内7チーム・海外6チームが発表された。残る海外2チームは「日本人を多く出場させたい」と、日本人選手が所属するNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザとも交渉していることが明らかにされたが、招待における条件面を調整しており、まだ決定には至っていないという。

 海外招待チームの選定に関してはジレンマも見え隠れした。昨年、個人総合優勝選手を輩出したタブリーズペトロケミカル(イラン)では、TOJを走った選手が、直後の出場レースでドーピング違反となった。このことは主催者側も重く受け止めているという。ただ、今大会ではUCIの規定でアジアツアーの上位3チームを優先的に招待しなければならず、今年はイランからタブリーズを含む2チームの参戦が決まっている。

日本人3選手が所属するプロコンチネンタルチーム、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ(NIPPO提供)日本人3選手が所属するプロコンチネンタルチーム、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ(NIPPO提供)
2014年大会で圧倒的な強さを見せたタブリーズペトロケミカル。超人的な山岳でのスピードには疑問の声も上がった2014年大会で圧倒的な強さを見せたタブリーズペトロケミカル。超人的な山岳でのスピードには疑問の声も上がった

子供たちを未来につなげる「TOJキッズ」

「TOJキッズ」構想を説明するブラッキー中島さん「TOJキッズ」構想を説明するブラッキー中島さん

 この日発表されたTOJの長期構想では、「TOJキッズ」という取り組みが柱の一つとされた。日本中の子供たちにロードレースと出会う機会を創出することで、将来プロロードレーサーとしてTOJに出場するまでの「道しるべ」をつけることを目指す。

 キーワードとして「ロードレースとの出会い」「地域との交流」「才能の発掘と育成」を挙げ、TOJと子供たちをつなぐコンテンツを創造。具体的には、自転車教室やレースなどのイベント、また講演会やサイクリング、プレミアム観戦ツアーなどの体験プログラムを通じて、子供たちのロードレースに対する認知度や憧れを醸成し、最終的に競技レベル向上につながるようすそ野を広げていくとしている。ジェイ・ライド・プロジェクトとのコラボレーションも構想にあるという。

 発表会では、子供たちへの自転車教室などを主催しているウィーラースクールジャパンの代表、ブラッキー中島さんが登壇し、「一人でも多くの子供たちに、国内にこんな凄いレースイベントがあるということや、サイクルロードレースの凄さ、素晴らしさを心の底から感じていただけるような活動をしたい」と語った。

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