工具はともだち<66>高精度な「デジタル型トルクレンチ」 作業者の経験や習熟度によらず同じ締め付けを実現

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 前回は、締め付けトルクを表示する目盛を見ながら作業を進める「ダイヤル型トルクレンチ」についてご説明しました。少し、補足を。

 「ダイヤル型トルクレンチ」に限らず、トルクレンチ類は、設定された「締め付けトルク」どおりに作業が出来る優れもの工具です。しかしながら、トルクレンチ本体のみで、その機能を発揮できるものではなく、ラチェットハンドルなどのハンドル類と同様に、締め付けたいネジの二面幅(サイズ)のソケットレンチなどと組み合わせていただく必要があります。

アタッチメントも一緒に購入を

 奥まった場所にあるボルトを締め付ける場合は、ディープソケットや、エクステンションバーなど、ボルトまでのアクセスを容易にする工具類(アタッチメント)も併せて使っていただくと、作業がよりスムーズになります。

ソケットとトルクレンチの組み合わせ例

 ですので、「じゃあ、トルクレンチを買うぞ!!」っと思われたサイクリストの皆さんは、ソケットレンチなどをお持ちでない場合は、一緒にソケットやアタッチメント類を購入されることをお勧めします。本体だけでは、締め付けもトルク管理もできませんので…。

 それと、少しご理解を。

 既に、トルクレンチをお使いの方から、説明会などで、まれに質問を受けることがあります。エクステンションバーを付けた時、締め付けるトルクは、規定されたトルクよりも変化させなければなりませんか?ということですが、答えは、「規定通りのトルクで締め付けるだけで変化は必要ありません」ということです。

トルクの概念トルクの概念

 右の図をご覧ください。トルクとは「力×長さ」によっておこる、ボルトの回転力のことでしたよね。ですので、基本的に変化させる必要はありません。厳密には、接合部分には、寸法の公差が発生する分、トルクの変化というものは発生しますが、許容範囲とお考えくださいね。

 で、今回ご紹介するのは、「直読式トルクレンチ」の中の、デジタル型についてです。

誰が締め付けても“匠の技”

 「デジタル型トルクレンチ」は、レンチにかかる力をセンサーなどで、電気的な信号に変換して測定するものです。測定結果は「ダイヤル型トルクレンチ」と同様に、リアルタイムでデジタル表示されます。表示部が本体に付帯しているタイプや、別体になっているタイプ、角度センサを搭載し、角度締めにも対応できるタイプなど様々なタイプが存在します。角度締めは、自転車では、ほとんど使用する機会はないと思いますが。

さまざまな種類の「デジタル型トルクレンチ」さまざまな種類の「デジタル型トルクレンチ」

 センサーなどで締め付けトルクを感知するデジタル型トルクレンチの特徴は様々ですが、総じて言えることは、まず高精度であること。そして、作業者の経験や習熟度に関わらず、使用したすべての方の結果が同じであることです。

 よく“匠の技”的に、ベテランの方がその腕前を自慢する時代がありましたが、技術の進歩により、様々な方がきちんと締め付けられるようになったことは、素晴らしいですね。

 次回は、われわれの商品を使って、デジタル型トルクレンチをもう少し説明していきます。そろそろ、春の声も聞こえてきました。メンテナンス講習といったイベント開催も考えていますので、その際はぜひご参加下さいね。皆さんの自転車シーンの投稿もお待ちしています。

小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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