RISAのこれから楽しむセーフティー・サイクリング<2>手信号と気配りでコミュニケーション スポーツ自転車で事故に遭わないための走り方

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<1>自転車を安全・快適に楽しむための“基本のキ”

 スポーツ自転車の安全・安心な乗り方を学び、実践してもらおうとCyclistでは、講師役に元プロロードレーサーで、プロチームの監督を10年務めた内山靖樹さんを、生徒役に自転車ビギナーでモデルの七野李冴さんを迎え特別講習! 第1回では、自転車の整備・調整と、乗車時に適した服装の確認を行った。そして今回、「仲間と一緒に走る機会が少ない」と話す七野さんを連れ、自転車の基本操作と、車間距離の取り方や手信号など、実際の道路の走り方を内山さんがレクチャーした。

講師役の内山靖樹さんと生徒役の七野李冴さん。準備は完ぺき、さぁ道路を走ってみよう!講師役の内山靖樹さんと生徒役の七野李冴さん。準備は完ぺき、さぁ道路を走ってみよう!

スポーツ自転車の性能を満喫するための操作

 スポーツ自転車が得意とするのは、乗車環境に合わせて細やかに調整できる乗り心地。その性能を十分に生かすために、ハンドル操作やギア変速、ブレーキのかけ方のポイントを押さえておこう。

ブレーキは指2~3本でかける。前後ブレーキ両方をじわじわと効かせようブレーキは指2~3本でかける。前後ブレーキ両方をじわじわと効かせよう
こまめなギアチェンジがスポーツ自転車で快適に走行するためのポイントこまめなギアチェンジがスポーツ自転車で快適に走行するためのポイント

内山「まずは曲がる、止まるの確認から。曲がる時はまず減速し、ハンドルを切るのではなく、目線をコーナーの出口に向けてカラダを内側に傾けます。止まる時や減速する時は、ブレーキをぎゅっと握るのではなく、前後ブレーキを両方使ってじわじわと効かせてスピードを落とします」
七野「変速についても教えてください。普段は後ろのギアだけ変えて、軽いギアで脚を早く回して乗るようにしています」
内山「軽めのギアを高回転で走るのは良いと思いますよ。あとは坂の勾配、起伏に合わせて、こまめにギアチェンジしましょう」

クルマのドライバーとも意思疎通

後続する自転車やクルマへの手信号が安全走行に役立つ後続する自転車やクルマへの手信号が安全走行に役立つ

 仲間と走る時に必要なのは前後関係の中での意思疎通だ。一般道はもちろんのこと、サイクリングロードでも「並進可」の標識がない限り、縦一列で走らなくてはならない。前走者の手信号や合図が、安全走行に役立つ。

 また、手信号は道路交通法にも定められている。クルマがウィンカーで右・左折の合図を出すのと同様に、ひとりで自転車に乗る際に進路を変える時、右・左折時、徐行し停止する時には合図を行わなければならない。車道をシェアするクルマとも、ミラーや互いの視線で位置を確認し合い、互いの合図で意思疎通をすることが大切だ。

基本的な手信号その1、「右折します、右に出ます」基本的な手信号その1、「右折します、右に出ます」
基本的な手信号その2、「左折します、左に出ます」基本的な手信号その2、「左折します、左に出ます」
基本的な手信号その3、「停止します」基本的な手信号その3、「停止します」
基本的な手信号その4、「(手のひらを上下に上げ下げしながら)減速します、徐行します」基本的な手信号その4、「(手のひらを上下に上げ下げしながら)減速します、徐行します」
基本的な手信号その5、「(下を指差しながら)マンホールや障害物あり、路面に注意」基本的な手信号その5、「(下を指差しながら)マンホールや障害物あり、路面に注意」

内山「一般道で練習する時には必ず手信号を出します。右折、左折、減速、停止のほか、大きなヒビや滑りやすそうな場合など、路面状況に注意が必要な時にも手の合図で後続者に伝えます」
七野「曲がる、止まるは知っていましたが、路面に気をつける合図もあるんですね」
内山「とっさの時など急を要する場合には“ブレーキ!”というように、声も使いますよ」
七野「ルールとしても大事ですが、伝える気持ちも大切ですね」
内山「そうですね。でも自転車は片手運転になるとバランスを崩しやすくなるという心配もありますので、無理のない範囲で実践し、安全を最優先にしてください」

車間を詰め過ぎると急な操作に対応できずキケン車間を詰め過ぎると急な操作に対応できずキケン

 前後の自転車との車間距離は、ロードバイクのトレーニングであれば短い車間距離で走るが、ゆっくり走行するサイクリングや都心の一般道では一車体分くらいの距離を空け、前走者の急な操作やクルマや歩行者に気をつけながら走行しよう。イベントなどで見知らぬ自転車仲間と一緒に走る場合には、お互いの慣れがない分、普段よりも広めの車間距離を心掛けたい。

 サイクリングに慣れてきた時や疲れが出てきた時には目線が落ちてしまいがち。前の自転車ばかりに意識がいかないように注意しよう。視線は、前走者の背中越しに前を見るようにすると、手信号や合図を見逃さず、信号や前の道路状況をしっかりと捉えることができる。

サイクリング時や一般道では一車体分くらいの距離を空け、視線は上げて走行しようサイクリング時や一般道では一車体分くらいの距離を空け、視線は上げて走行しよう

車道の逆走はとてもキケン クルマとの衝突事故のもとに

車道は左側を通行。赤信号では必ず停止すること車道は左側を通行。赤信号では必ず停止すること

 車両である自転車は、歩道等と車道の区別がある場合、基本的には車道の左側を通行しなくてはならない。左側とは、第一車線(一番左のレーン)の左寄りのこと。クルマと同じスピードでは走れないが、安定した速度を保ちながら前後に気を配って走ろう。道路を逆走する自転車をたまに見かけるが、これはとても危ない。ほかの自転車やクルマとの接触・衝突事故になりかねないのでゼッタイにやめよう。

七野「クルマなら赤信号で必ず停止するのに、自転車となると“行けそうだな”なんて、軽く思ってしまう人もいると思います。軽快に走っていると、減速するのがもったいないような気にもなるのかもしれません」
内山「そうですね。でも信号無視は自転車でも交通違反ですから、信号厳守です」
七野「ほかにも、飲酒運転や携帯での通話など“ながら運転”が禁止されていますね」
内山「ええ。交通違反は罰則があります。例えば、夜間の無灯火運転やブレーキがない自転車は5万円以下の罰金の対象です」

 交通ルールを守って走るためには道路標識を正しく理解し、走行レーンを正しく保つことも大切だ。自転車は原則、道路の左側を走るが、最近は自転車専用レーンを設置する都心部の道も増えてきた。道路交通法上の自転車道があるにもかかわらず、正当な事由なく通行をしなかった場合には、2万円以下の罰金の対象となることもあるので注意したい。

交差点では左折車の巻き込みに注意

 交差点では事故が起こりやすく、自転車運転をする際にも特に気をつけたい点がある。もっとも重要なのは、左側を走行中に、交差点を左折したいクルマの巻き込み事故に注意すること。後方車両の動きに注意を払いつつ、交差点手前で急な追い越しをかけてくるクルマがいないことを確認しよう。また反対方向から交差点に進入してくる右折車もマークしておこう。

車道での信号待ち。万が一の時に車道の外側に倒れこむことができるよう左足着地がキホン。信号が変わったら、左折車の追い越しに注意しよう車道での信号待ち。万が一の時に車道の外側に倒れこむことができるよう左足着地がキホン。信号が変わったら、左折車の追い越しに注意しよう
駐車車両がある場合は、後方に気をつけながら右に避けて走る駐車車両がある場合は、後方に気をつけながら右に避けて走る

 次に、交差点での自転車の右折方法。クルマのように右折レーンに進入するのではなく、自転車は原付バイク(原動機付自転車)と基本的に同様で、二段階右折をする。ただし、自転車横断帯がある場合には、車道ではなく自転車横断帯を通行しなければならないので注意が必要だ。

 そして、交差点進入禁止の道路標示があれば、その標示を越えて交差点に入ってはいけないため、歩道に入らなければならないケースもある。自転車が直進できない交差点はなるべく避けるルートを取ると良いだろう。

交差点での2段階右折その1。まずは直進して停止交差点での2段階右折その1。まずは直進して停止
交差点での2段階右折その2。進行方向の信号が変わったらそのまま進む交差点での2段階右折その2。進行方向の信号が変わったらそのまま進む
路肩に寄り過ぎると、砂浮きやガラス片、マンホール、段差などがあるため注意が必要だ路肩に寄り過ぎると、砂浮きやガラス片、マンホール、段差などがあるため注意が必要だ

七野「次の動作がわかるので後ろに付くと走りやすかったです」
内山「そのほかに一般道で気をつけたいのは、路面状況ですね。雨の日のマンホールの上はとても滑りやすいですし、大型車の多い幹線道路などでは道路に歪みができていて自転車が走りにくい場所もあります。また、路肩に砂が浮いていたり、ガラス片などが落ちていてパンクの心配もあります」
七野「駐車車両を避ける時や、車両の陰からの飛び出しにも注意が必要ですね」
内山「そうですね。駐車車両を避ける時には中に運転手がいるか、ドアが開く気配がないかを注意深く観察し、右に避ける場合は後方に気をつけましょう」
七野「歩行者が近くにいる時にも必ず減速して、道の横断など急な進路変更に気を配りたいですね」

◇         ◇

 交通ルールとマナーを守って走行することはサイクリングを楽しむ上でとても大切だが、事故を回避し安全に楽しく走るためには周囲への気配りも欠かせない。通い慣れた道も、初めて走る道も、交通ルールを正しく理解し、他者へのおもいやりと配慮があれば自転車はより安全で楽しいものとなる。

文・齋藤むつみ、写真・大星直輝

『最大2億円』まで賠償責任を補償

 サイクリングを楽しむ際に、ぜひ加入しておきたい自転車保険。特に、自転車による事故で相手にけがをさせてしまったり、モノを壊してしまったりしたケースでは、その賠償責任を補償してくれるのでありがたい。
 
 自転車で加害者になった場合の賠償責任をめぐっては、2008年に神戸市で、当時11歳の少年が乗った自転車にはねられて女性が意識不明の重体となり、少年の母親に計約9500万円の賠償が命じられるという判決が2013年7月にあった。身近な自転車も法律上では車両という扱いであり、事故を起こした場合の責任は厳しく問われる。
(→【解説記事】母親驚愕 「息子の自転車事故の賠償金9500万円」の“明細”
 
 こうした事例を受けて、兵庫県は自転車保険への加入を義務付ける条例を制定する方針で、2015年10月までに全面施行される見通しだ。
(→兵庫県が自転車保険義務付けの条例案骨子を発表
 
 ドコモが提供する自転車保険サービス「ドコモ サイクル保険」では、相手へのけが等について最大2億円の賠償責任保険金が補償される。もしものときの補償は大きいが、月額保険料は4人家族なら月々245円/人と、非常にリーズナブルであることも魅力だ。ぜひこの機会に検討してみてほしい。

※上記は、ドコモ サイクル保険の概要についてご紹介したものです。取扱商品、各保険の名称や補償内容は引受保険会社によって異なりますのでご契約にあたっては必ず「重要事項説明」や各保険のパンフレットをよくお読みください。ご不明な点がある場合は、「ドコモの保険お問い合わせセンター(0120-141-458)」までお問い合わせください。
※引受保険会社:東京海上日動火災保険株式会社
※募集文書番号:14-T-12402(2015.3)

ドコモサイクル保険
七野李冴七野李冴(しちの・りさ)

モデル、ダンサー。「2014ミス・インターナショナル」日本代表では準グランプリ。食の情報を配信している「なでしこラジオ」(FMサルース)でレギュラー出演をする。去年の春からクロスバイクに乗り始め、都内の移動は自転車を利用する機会が増え、ロードバイクにも興味を持っている。公式ブログは「blahBLAHBLAH」。

内山靖樹内山靖樹(うちやま・やすき)

自転車ロードレースの元選手。プロチーム「湘南ベルマーレ」などで監督を10年務めた。現在は「ベルマーレサイクルストア」(神奈川県平塚市)の店長を務めながら、ベルマーレサイクルロードチームのユース・キッズスクールをつうじて若手育成に力を注いでいる。

【取材協力 NTTドコモ
【ウェア協力 マヴィック(アメアスポーツ・ジャパン)】
【サングラス協力 アディダス・アイウェア(マスターズ・アイプロテクション・ジャパン)】

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