水谷壮宏監督がレポート「ツール・ド・フィリピン」でブリヂストンアンカーのトマ・ルバが総合優勝 今季初戦で殊勲

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 自転車ロードレースにおいてフランスを拠点に活動をする「ブリヂストンアンカー サイクリングチーム」が2月1日から4日、2015年シーズンの初戦となる「ツール・ド・フィリピン」(UCI2.2、Le Tour de Filipinas)に参戦し、トマ・ルバ(フランス)の総合優勝を勝ち取った。15チームが熱い戦いを繰り広げたレースの模様を、ブリヂストンアンカーの水谷壮宏監督がレポートする。

「ツール・ド・フィリピン」に参戦したブリヂストンアンカー サイクリングチーム。チームメンバーは左から椿大志、トマ・ルバ、初山翔、寺崎武郎、ダミアン・モニエで、左端は水谷壮宏監督「ツール・ド・フィリピン」に参戦したブリヂストンアンカー サイクリングチーム。チームメンバーは左から椿大志、トマ・ルバ、初山翔、寺崎武郎、ダミアン・モニエで、左端は水谷壮宏監督

総合優勝に向け好スタート

2015年「ツール・ド・フィリピン」のコース ©Le Tour de Filipinas2015年「ツール・ド・フィリピン」のコース ©Le Tour de Filipinas

 ツール・ド・フィリピンは、全4ステージのレース。ブリヂストンアンカーからは、ルバのほか初山翔、椿大志、寺崎武郎、ダミアン・モニエ(フランス)が挑んだ。第1ステージは、ルソン島中西部に位置するバターン半島にレイアウトされた反時計周りのコース126kmで、序盤と終盤以外はアップダウンが厳しい。

 レース途中に通過する町では、交通規制がしっかりされていない箇所もあるなどヒヤリとさせられる場面もあったが、無事通過。本格的なアップダウンに入っていくと、まるで永遠と続くかのような勾配のキツイ坂が選手を苦しめた。

 ゴールまで残り60kmとなった地点でルバがアタックを決め他チームの選手と2人でゴールを目指した。途中、数人のグループに捕まったものの後半には脱落者も多く、最終的に4人のゴールスプリント勝負へ。ルバは、メーン集団に3分以上の差をつけ3位でゴールした。総合優勝に向け、好発進となった。

第1ステージで4人のゴールスプリントに挑むトマ・ルバ第1ステージで4人のゴールスプリントに挑むトマ・ルバ
第1ステージで3位につけたトマ・ルバ第1ステージで3位につけたトマ・ルバ

140kmを逃げゴールスプリントへ

 第2ステージはまず前日の起伏が厳しい後半ルートを逆走し、ラスト100kmはほとんどフラットな154.7km。前半から積極的に攻めたモニエが、スタート後早くも20kmほどでアタックを決めた。

 最終的に10人程度になった逃げ集団は、後続集団に2分前後のタイム差をつけながらレースを展開。残り100kmを過ぎたあたりからメーン集団をコントロールするチームが不在となり、メーン集団は完全に諦めたかのように見えた。モニエを含む逃げ集団とのタイム差は、ここで一気に7分以上にまで広がった。

青々と茂る木々の間を進むメーン集団 ©Le Tour de Filipinas青々と茂る木々の間を進むメーン集団 ©Le Tour de Filipinas

 しかしラスト30kmを過ぎ、優勝候補とされたイラン勢2チームが協調し、メーン集団で渾身の引きを見せタイム差を一気に縮めた。それに対して、逃げ集団も諦めずにタイム差をキープし、ラスト5kmではタイム差2分に縮められたものの逃げ切りが確定。

 ラスト4kmで、逃げ集団からTeam Novo Nordisk(アメリカ)の選手がアタックを決め独走優勝を果たした。モニエもラスト3kmでアタックをしたが決まらず、惜しくも4位でゴール。ルバは総合成績で3位をキープ。モニエも8位に浮上となった。

強豪イランとの攻防をチームで勝ち抜く

メイン集団前方でアタックの機会をうかがう椿大志 ©Le Tour de Filipinasメイン集団前方でアタックの機会をうかがう椿大志 ©Le Tour de Filipinas

 150.1kmの第3ステージは、前半からアタック合戦。アンカー勢も逃げに乗る作戦で積極的に攻撃に出るが、各チームからのマークが激しく決まらない。スタートから30kmが過ぎ、集団が一瞬落ち着いた隙に椿が絶妙なアタックを決め、3人のグループを形成しタイム差をつけていった。

 メーン集団はリーダーチームとフィリピンチームがコントロールを続け、椿らとのタイム差は最大8分にまで広がった。逃げ切れる可能性は十分だ。この日椿もコンディションが良く、また逃げのメンバーは皆、協力的でラスト20km地点でもタイム差は3分以上をキープしていた。

 しかしラスト10kmを切った時点で、スプリンターを有するチームがペースアップを図り、タイム差は一気に1分を切ってしまい惜しくもラスト1kmで捕まった。最後のゴールスプリントは、初山がチームメイトのアシストを受けつつ4位でゴールした。

地元の女性ファンに囲まれるトマ・ルバ地元の女性ファンに囲まれるトマ・ルバ

 そして迎えた最終・第4ステージ。101.7kmと距離は短いが、総合3位につけるルバとトップのタイム差は4秒で逆転を狙う。上りゴールの難関ステージであり、各チームのリーダー勢は逆転を狙ってのスタート。前半から5人の逃げグループが形成され、タイム差はほどなく5分以上に広がり、メーン集団はリーダーチームがコントロールを始めた。

 しかしリーダーチームのスピードは遅く、タイム差は広がる一方。ラスト50kmを切った時点でタイム差は8分以上になった。そこでブリヂストンアンカーが主導権を奪い、寺崎と椿が追走を始めた。

 2人は上り基調のコースにもかかわらず、時速50Km以上で爆進。タイム差を縮めながら走り、最後の峠のふもとでは逃げグループを完全に射程距離内に追い詰めた。振り出しに戻ったレースは、ラスト6kmの急勾配に入った時点で総合トップと2位の選手が遅れ、ブリヂストンアンカーとイラン勢の真っ向勝負になった。

 ルバはここまでイラン勢に総合で3分以上の差をつけていたが、山岳に強く人数も多いイランの攻撃は脅威だ。しかしルバはモニエと初山のアシストを受けてイランのアタックに耐え切り、総合のタイム差を守ってゴール。ルバの総合優勝が決まった。

寺崎武郎は第4ステージで椿と共にアシストに尽くした寺崎武郎は第4ステージで椿と共にアシストに尽くした
今回の優勝に大きく貢献した寺崎武郎(左)と椿大志今回の優勝に大きく貢献した寺崎武郎(左)と椿大志

◇         ◇

 トマが今季の初レースで優勝を飾り、アシストを尽くしたモニエも総合3位に入ることができた。皆様の熱い応援のおかげで初勝利を収めることができました、2015年シーズンもよろしくお願いします。Merci beaucoup!

レポート 水谷壮宏

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